妹と王子殿下は両想いのようなので、私は身を引かせてもらいます。

木山楽斗

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14.寛大な措置

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「さてと……ヴォーラス、お前にはこの王家からしばらくの間離れてもらう」
「なっ……!」
「リオーラ、お前も同じだ。ローレント侯爵家とは距離を置いてもらう」
「そ、そんな……!」

 国王様とお父様は、それぞれ自分の子供に言い渡した。
 それにヴォーラス殿下もリオーラは、表情を歪める。ローレント侯爵家を手に入れようとしていた二人にとって、その宣告は絶望的なものだったのだろう。

「二人が過ごす場所は、ノーラン公爵家が提供しよう。件の別荘で暮らすと良い。不自由はさせんと約束しよう」
「ヴォーラス、これが寛大な措置であることを、理解しろ。本来であれば、お前もリオーラ嬢も許されないことをしたのだからな」

 国王様の言う通り、これは寛大な措置といえる。
 しかしヴォーラス殿下もリオーラも、なんとも不服そうだ。飼い殺しを認めず、まだ権力にしがみつこうとしているのだろう。二人の表情からはそれが伝わってきた。

「父上……ローレント侯爵、僕はリオーラ嬢と愛し合っています。確かにラナシア嬢に不義理を働いてしまったことは事実ですが、しかしそれでもローレント侯爵家の令嬢と思い合っているのです。それならば、婚約を少し改めるだけでよいではありませんか」
「そうです。お姉様を婿に迎える立場として固定させるなんて、間違っています。ローレント侯爵家は私とヴォーラス殿下で受け継ぐ。そうはできませんか?」

 ヴォーラス殿下とリオーラは、国王様とお父様に対して主張し始めた。
 その主張はなんとも、二人にとって都合が良いものだ。そんなものが本当に受け入れられると思っているのだろうか。
 国王様もお父様も、当然苦い顔をしている。ここで潔く受け入れていれば、二人の心証も少しは良かっただろうに。

「ヴォーラス、お前は自分が何を言っているのかわかっているのか? ラナシア嬢に不義理を働いた。それは大きな問題といえる。お前は契約の一つさえ守れない。それは王族の一員として致命的だ」
「リオーラ、お前も同じだ。これがラナシアだったからこれで済んでいるものの、他家の人間だったらどうなっていたことか……自分がやったことの大きさもわからないお前に、ローレント侯爵家を任せられる訳がないだろう」

 国王様とお父様は、二人の提案を切り捨てた。
 ヴォーラス殿下とリオーラの提案を受け入れるなんてことは、お父様達の中ではあり得ないことだろう。
 私は改めて、元婚約者と妹の方を見る。二人の表情は険しい。自分達の雲行きが怪しいということは、理解しているのだろう。
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