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3.怪しい提案に
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私は改めて、ゼルフォン殿下から言われたことを考える。
前々から話がしたいと思っていたから、誘いの言葉をかけた。それはどう考えても、怪しい提案だ。
ゼルフォン殿下にそういった噂は聞いたことがないが、もしかしたら結構軟派な人なのだろうか。
というか、そんなことを考えている場合ではないのかもしれない。
私はこの提案について、考える必要がある。
もちろん私としては、お断りしたい所だ。ゼルフォン様はハンサムであるが、だからといってホイホイついていく気にはなれない。なれる訳がない。
だが、断るというのもまずい可能性がある。
彼のような地位にある者からの提案を平民である私が断ったら、何をされるかわからない。
仕事を理由に断りたい所ではあるが、それも難しそうだ。
王城においては、基本的に王子などからの呼び出しの方が優先される。王族というのは、それ程に高い地位なのだ。
「……えっと、お話というのは一体どちらで? ここでということでしょうか?」
「そうだな……できれば、人に聞かれたくはない。しかし、そこまで厳重にする必要があることという訳でもない。ここはどこかの客室でも借りるとしようか」
「わかりました。それなら、行きましょうか……」
色々と思案をした結果、私はゼルフォン殿下の提案に乗ることにした。
断って何かされるよりも、受け入れて何かされた方がまだマシだと思ったからである。
私としては、今の地位を奪われる訳にはいかない。とりあえずゼルフォン殿下に対しては、忠実でいるしかないのである。
「……いや、少し待ってくれ」
「はい。どうかしましたか?」
「今の俺の言動は、少々勘違いされるようなものだったような気がしてきたのだ。先に言っておくが、妙な誘いという訳ではない。俺は君と、仕事に関する話がしたいのだ」
「……仕事ですか」
ふと思い出したかのように言葉を発したゼルフォン殿下に、私は思わずバランスを崩しそうになってしまった。
どうやら、私はここまで盛大に勘違いをしていたようである。ゼルフォン殿下は、変な意味で私を誘った訳ではなかったのだ。
そのことに、私は安心する。
同時に少し体が熱くなっていた。勘違いしていたことが、とても恥ずかしい。
とはいえ、これに関しては勘違いするような言い方をしたゼルフォン殿下にも問題があるといえるだろう。
本人もそこは認めている訳だし、そういうことにしておく方が、私の精神衛生上いい。都合が悪い事実は、忘れてしまうことにしよう。
前々から話がしたいと思っていたから、誘いの言葉をかけた。それはどう考えても、怪しい提案だ。
ゼルフォン殿下にそういった噂は聞いたことがないが、もしかしたら結構軟派な人なのだろうか。
というか、そんなことを考えている場合ではないのかもしれない。
私はこの提案について、考える必要がある。
もちろん私としては、お断りしたい所だ。ゼルフォン様はハンサムであるが、だからといってホイホイついていく気にはなれない。なれる訳がない。
だが、断るというのもまずい可能性がある。
彼のような地位にある者からの提案を平民である私が断ったら、何をされるかわからない。
仕事を理由に断りたい所ではあるが、それも難しそうだ。
王城においては、基本的に王子などからの呼び出しの方が優先される。王族というのは、それ程に高い地位なのだ。
「……えっと、お話というのは一体どちらで? ここでということでしょうか?」
「そうだな……できれば、人に聞かれたくはない。しかし、そこまで厳重にする必要があることという訳でもない。ここはどこかの客室でも借りるとしようか」
「わかりました。それなら、行きましょうか……」
色々と思案をした結果、私はゼルフォン殿下の提案に乗ることにした。
断って何かされるよりも、受け入れて何かされた方がまだマシだと思ったからである。
私としては、今の地位を奪われる訳にはいかない。とりあえずゼルフォン殿下に対しては、忠実でいるしかないのである。
「……いや、少し待ってくれ」
「はい。どうかしましたか?」
「今の俺の言動は、少々勘違いされるようなものだったような気がしてきたのだ。先に言っておくが、妙な誘いという訳ではない。俺は君と、仕事に関する話がしたいのだ」
「……仕事ですか」
ふと思い出したかのように言葉を発したゼルフォン殿下に、私は思わずバランスを崩しそうになってしまった。
どうやら、私はここまで盛大に勘違いをしていたようである。ゼルフォン殿下は、変な意味で私を誘った訳ではなかったのだ。
そのことに、私は安心する。
同時に少し体が熱くなっていた。勘違いしていたことが、とても恥ずかしい。
とはいえ、これに関しては勘違いするような言い方をしたゼルフォン殿下にも問題があるといえるだろう。
本人もそこは認めている訳だし、そういうことにしておく方が、私の精神衛生上いい。都合が悪い事実は、忘れてしまうことにしよう。
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