溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗

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31.明かすべき真実

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 クレンド様の手引きによって、お父様の悪事の数々が公表されていった。
 それに際して、ペルリナも証言してくれた。彼女は自分がヴェリオン伯爵家を騙していたこと、バンガルという男をお父様とともに手にかけたことを公表したのだ。
 当然のことながら、それらの事実はヴェリオン伯爵家にとって大きな打撃となるだろう。それ所か、没落まで追いつめられかねない事実だ。

「……おお、レフティアか」
「お父様、大変そうですね?」
「ああ、大変だとも。お前の相手をしてやりたい所が、今はそれ所ではないのだ。どうか許してくれ」

 お父様の部屋を訪ねると、慌ただしくしていた。
 今回の件をなんとか火消しできないかと、務めているのだろう。
 私は、そんな彼のことをさらに追い詰めに来た。彼に私に関する事実を、教えに来たのだ。

「お父様、一つ言わせていただきたいことがあるのです」
「なんだ?」
「今回の件は、全て私が差し金です」
「……何?」

 作業をしながら耳を傾けていたお父様は、その手をゆっくりと止めてこちらを向いた。
 彼は、目を丸めて私を見つめている。信じられないというような表情だ。彼は私が本当に、与していると思っていたということだろう。
 私は、お父様に対してわざとらしく笑みを浮かべる。今は彼に、よく理解してもらわなければならない。そのため、多少大袈裟な言動を心掛けておく。

「……笑えない冗談だな。お前がこのヴェリオン伯爵家を裏切るなんてあり得ない」
「どうしてそう思われるんですか?」
「お前は、あれ程の扱いを受けておきながら尚、この屋敷に留まっていた。それは私からの愛を欲していたからだろう?」

 お父様は、笑みを浮かべていた。
 一応根拠があって、私が裏切らないと思っているようだ。それには少し驚いてしまった。このお父様なら、根拠もなくそういったことを言う可能性もあったからだ。
 ただその論には、きっちりと反論することができる。家に留まったことには、明確な理由がある。

「それはこのヴェリオン伯爵家の領民のためですよ。ロメリアがこの家を牛耳ったら、領民は苦しい生活を送ることになりますから」
「な、なんだと……そ、それではお前は私のことを……」
「お父様からの愛なんて、私は欲していません。今まで散々な扱いをしていたあなたから愛されたいなんて思いませんよ」
「なっ……」

 私の言葉に、お父様は固まっていた。
 その表情に、私は思わず笑みを浮かべる。彼の態度が豹変してから、ずっとこれを言いたくて仕方なかった。少しだけ晴れやかな気分だ。
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