7 / 22
7.王城への帰還
しおりを挟む
「父上、ただいま帰還しました」
「うむ、ご苦労だったな、フォルード。それでそちらが……」
「レフィリア・パーストンと申します、ラディオン王様……」
私は、玉座に座る老人にゆっくりと跪いた。
ラディオン王国の国王様は、柔和な笑みを浮かべている。私のことを、歓迎してくれてはいるようだ。
「レフィリア、お主は色々と大変だったようだな。ラディオン王国は、お主のことを歓迎するとしよう。お主は我が国にとって、有益な人材であると認識している」
「そのご期待に添えるように、努力致します。この度は助けていただき、本当にありがとうございました」
「私に対する礼などは必要ないことだ。今回の件は、フォルードの発案だ。まあ、そちらにはもう礼を述べてはいるだろうが……」
ラディオン王は、呆気からんとした態度だった。
それに対して、私は少し気が抜けている。もう少し色々と言われるものだと、思っていたからだ。
私の一件は、こちらの国はどのように伝わっているのだろうか。それが少し気になった。罪人であるという誤解も、解けているのだろうか。
「フォルード殿下、本当にありがとうございました」
「礼というなら、私よりもゼルパルドに述べていただきたい所ですね。今回の件をこちらに知らせてくれたのは、彼ですからね」
「彼が私のことを……一体、どこまで調べていたのですか?」
「あなたが冤罪であるということまで、ゼルパルドは知っていました。というか、それに関してはあちらの国でも周知の事実だったとか」
フォルード殿下の言葉に、私はため息をつくことになった。
ということは、今回の事件は騎士団長と聖女が強権によって引き起こしたことであり、それは誰もが理解していることだった訳だ。
本当にあのエパイル王国は、大丈夫なのだろうか。一瞬そう思ったが、私はすぐにその考えを捨てた。それが私にとって、既に関わりがないことだったからだ。
「エパイル王国も腐ったものだ。今回の一件は、あの国との関わり方を考える必要があるものだった。もちろん、私も王族である故に汚いことに目を瞑ることもあるが……」
「ええ、父上の仰る通りだと思います」
ラディオン王は、明らかな嫌悪感を露わにしていた。
どうやら彼も、フォルード殿下と同じように甘い所があるらしい。
それは人としては美徳であるが、統治者としてはどうなのだろうか。その甘さが命取りとなったりしなければ、いいのだが。
そんなことを思いながらも、私はこの親子に対して好感を抱いていた。
助けてもらった恩義がなくても尽くしたい。私にとって彼らは、そのように思える人達だったのだ。
「うむ、ご苦労だったな、フォルード。それでそちらが……」
「レフィリア・パーストンと申します、ラディオン王様……」
私は、玉座に座る老人にゆっくりと跪いた。
ラディオン王国の国王様は、柔和な笑みを浮かべている。私のことを、歓迎してくれてはいるようだ。
「レフィリア、お主は色々と大変だったようだな。ラディオン王国は、お主のことを歓迎するとしよう。お主は我が国にとって、有益な人材であると認識している」
「そのご期待に添えるように、努力致します。この度は助けていただき、本当にありがとうございました」
「私に対する礼などは必要ないことだ。今回の件は、フォルードの発案だ。まあ、そちらにはもう礼を述べてはいるだろうが……」
ラディオン王は、呆気からんとした態度だった。
それに対して、私は少し気が抜けている。もう少し色々と言われるものだと、思っていたからだ。
私の一件は、こちらの国はどのように伝わっているのだろうか。それが少し気になった。罪人であるという誤解も、解けているのだろうか。
「フォルード殿下、本当にありがとうございました」
「礼というなら、私よりもゼルパルドに述べていただきたい所ですね。今回の件をこちらに知らせてくれたのは、彼ですからね」
「彼が私のことを……一体、どこまで調べていたのですか?」
「あなたが冤罪であるということまで、ゼルパルドは知っていました。というか、それに関してはあちらの国でも周知の事実だったとか」
フォルード殿下の言葉に、私はため息をつくことになった。
ということは、今回の事件は騎士団長と聖女が強権によって引き起こしたことであり、それは誰もが理解していることだった訳だ。
本当にあのエパイル王国は、大丈夫なのだろうか。一瞬そう思ったが、私はすぐにその考えを捨てた。それが私にとって、既に関わりがないことだったからだ。
「エパイル王国も腐ったものだ。今回の一件は、あの国との関わり方を考える必要があるものだった。もちろん、私も王族である故に汚いことに目を瞑ることもあるが……」
「ええ、父上の仰る通りだと思います」
ラディオン王は、明らかな嫌悪感を露わにしていた。
どうやら彼も、フォルード殿下と同じように甘い所があるらしい。
それは人としては美徳であるが、統治者としてはどうなのだろうか。その甘さが命取りとなったりしなければ、いいのだが。
そんなことを思いながらも、私はこの親子に対して好感を抱いていた。
助けてもらった恩義がなくても尽くしたい。私にとって彼らは、そのように思える人達だったのだ。
67
あなたにおすすめの小説
婚約破棄のお相手は
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、ギリアム王子が平民の婚約者に婚約破棄を宣言した。
幼い頃に「聖女では」とギリアムの婚約者として引き取られたものの、神聖力が発現しなかったロッティナ。皆は婚約破棄されるのも当然だと思っていたが……。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
聖女を追い出しても平気だと思っていた国の末路
藤原遊
ファンタジー
聖女が国を去った日、神官長は分かっていた。
この国は、彼女を軽く扱いすぎたのだと。
「聖女がいなくても平気だ」
そう言い切った王子と人々は、
彼女が“何もしていない”まま国が崩れていく現実を、
やがて思い知ることになる。
――これは、聖女を追い出した国の末路を、
静かに見届けた者の記録。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
追放された聖女ですが辺境領主と幸せになります。禁術で自滅した偽聖女と王太子の完治?無理ですね。
ささい
恋愛
十年間、奇跡を起こせなかった聖女エミリシアは、王太子に追放された。
辺境の村ミューレンベルクで静かに暮らし始めた彼女は、領主レオフィリスの優しさに触れ、心の平穏を取り戻していく。
ある日、村で疫病が発生。子供たちの命を救いたい一心で祈った時、ついに聖女の力が目覚めた。
その後、王都から助けを求める使者が現れる。
追放した王太子とその婚約者候補リディエッタが、禁術の反動で倒れたという。
エミリシアは命を救うため王都へ向かうが、二人の完治は不可能だった。
全てを終え、彼女はレオフィリスと共に愛する村へ帰る。
◇
命を見捨てなかった。浄化はした。治癒は。
◇
※他サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる