7 / 80
第4.5話(レティ視点)
しおりを挟む
※この話は、レティ視点の話です。
私の名前は、レティ・フォリシス。
誇り高きフォリシス家の次女にして、神童と呼ばれている才能溢れる美しい天才です。
私には、兄と姉が一人ずついます。
一人は、ルリア・フォリシス。父がある時引き取ってきた義理の姉です。
この姉は、穏やかな性格ですね。とても優しく、こんな私にも分け隔てなく接してくれます。
お姉様には、感謝の気持ちしかありません。大好きだといえます。
もう一人は、リクルド・フォリシス。血のつながった実の兄です。
この兄は、恐ろしい性格ですね。フォルシアス学園の学園長を務めており、融通の利かない厳しい性格です。
まあ、そんな性格ですが、別に嫌いという訳ではありません。
「わかったか?」
「はい……」
ただ、今はそんなお兄様に説教をされています。
私が、お兄様の学園に入学することになったことについて、余計なことを言ったからです。こってり、絞られてしまいました。
こういう所は、好きではないかもしれません。まあ、一応、私が悪いということも理解できなくはないのですが。
「さて、説教はこれで終わりにしてやろう。それで、俺がお前の部屋に行った本来の理由について、話したい」
「え? まあ、別にいいですけど……」
そこで、お兄様がそんなことを言ってきました。
もう帰れると思ったのに、残念です。
「特別入学の学生には、補助委員をつけることになっている。これは、通常よりも低い年齢で入学する者が、滞りなく学園生活を送れるように補助する者だ」
「はあ」
「そこで、お前にはルリアをつけたいと思っている。よって、同じクラスになるだろう」
お兄様は、何かよくわからないことを言ってきました。
補助委員とか、そんなの必要あるんでしょうか。まあ、お姉様と同じクラスになれるなら、別になんでもいいですね。
「それに伴い、お前に頼みたいことがある」
「頼みたいこと……?」
お兄様の頼みごとなんて、絶対に碌なものではありません。
断りたいですが、恐らく、お兄様はそんなことを許してくれないでしょう。
できるだけ面倒くさくないことを祈るだけです。
「ルリアに近づいてくる男子生徒に注意してもらいたいのだ」
「え?」
その頼みごとに、私は思わず驚いてしまいます。
シスコンだとは思っていましたが、ここまでとは。気持ち悪い兄ですね。
ですが、考えてみれば、元々お姉様を女学院に通わせようとしていた人です。これも、当然なのかもしれません。
「……何か、勘違いしているな」
「はあ、勘違いではないと思いますけど」
「俺はただ、フォリシス家の人間と、婚約等を結ぼうと狙ってくる不届き者に注意しろと言っているだけだ。そこに深い意味などない」
「へえ……」
お兄様が、何か言い訳をしてきましたが、これは嘘です。
絶対に、単にお姉様に近づく男が気に入らないだけです。
この兄は、基本的には立派ですが、お姉様のことになるとおかしくなるので、そんなものでしょう。
「……俺は、お前のことを思って、姉と同じクラスにしてやろうと思っていた。だが、お前がそのような態度なら、その考えも改めざるを得ないようだな……」
「申し訳ありませんでした、お兄様。お姉様に近づいてくる不逞な者など、許せるはずがないのは、フォリシス家の人間として当然のことです。謹んで、見守らせてもらいます」
ただ、お兄様が急に脅してきたので、私は考えを改めました。
お兄様の心中など、どうでもいいですが、お姉様と同じクラスというのは、絶対に守っておきたいことです。そのためなら、露払い役くらい、引き受けてあげましょう。
「ふっ、それでいい」
私の言葉に、お兄様は少しだけ笑いました。
ここで笑われるのは、怖いのでやめて欲しいですね。
「……ただ、このことはルリアには言うな。余計な心配をかける必要はないからな」
「え? それって……」
「ほう?」
それって、引かれるから言わないでという意味ですか?
そんな言葉を、私は飲み込みました。ここで余計なことを言うと、また説教が始まりそうです。もう結構長い時間受けたので、これ以上は嫌です。
「わかりました。お姉様には言いません」
「そうか」
そのため、口約束をしておきました。
口約束なので、守るとは言っていませんが。
このことをお姉様に伝えたら、どんな反応をするでしょうか。
きっと、面白いことになるはずです。そんな好機を、逃す訳にはいきません。
「さて、話はこれで終わりだ。部屋に戻ってもいいぞ」
「あ、はい。お邪魔しました」
その言葉を最後に、私は部屋を出ていきます。
さて、この後は、お姉様を誘ってお茶にでもしますかね。
私の名前は、レティ・フォリシス。
誇り高きフォリシス家の次女にして、神童と呼ばれている才能溢れる美しい天才です。
私には、兄と姉が一人ずついます。
一人は、ルリア・フォリシス。父がある時引き取ってきた義理の姉です。
この姉は、穏やかな性格ですね。とても優しく、こんな私にも分け隔てなく接してくれます。
お姉様には、感謝の気持ちしかありません。大好きだといえます。
もう一人は、リクルド・フォリシス。血のつながった実の兄です。
この兄は、恐ろしい性格ですね。フォルシアス学園の学園長を務めており、融通の利かない厳しい性格です。
まあ、そんな性格ですが、別に嫌いという訳ではありません。
「わかったか?」
「はい……」
ただ、今はそんなお兄様に説教をされています。
私が、お兄様の学園に入学することになったことについて、余計なことを言ったからです。こってり、絞られてしまいました。
こういう所は、好きではないかもしれません。まあ、一応、私が悪いということも理解できなくはないのですが。
「さて、説教はこれで終わりにしてやろう。それで、俺がお前の部屋に行った本来の理由について、話したい」
「え? まあ、別にいいですけど……」
そこで、お兄様がそんなことを言ってきました。
もう帰れると思ったのに、残念です。
「特別入学の学生には、補助委員をつけることになっている。これは、通常よりも低い年齢で入学する者が、滞りなく学園生活を送れるように補助する者だ」
「はあ」
「そこで、お前にはルリアをつけたいと思っている。よって、同じクラスになるだろう」
お兄様は、何かよくわからないことを言ってきました。
補助委員とか、そんなの必要あるんでしょうか。まあ、お姉様と同じクラスになれるなら、別になんでもいいですね。
「それに伴い、お前に頼みたいことがある」
「頼みたいこと……?」
お兄様の頼みごとなんて、絶対に碌なものではありません。
断りたいですが、恐らく、お兄様はそんなことを許してくれないでしょう。
できるだけ面倒くさくないことを祈るだけです。
「ルリアに近づいてくる男子生徒に注意してもらいたいのだ」
「え?」
その頼みごとに、私は思わず驚いてしまいます。
シスコンだとは思っていましたが、ここまでとは。気持ち悪い兄ですね。
ですが、考えてみれば、元々お姉様を女学院に通わせようとしていた人です。これも、当然なのかもしれません。
「……何か、勘違いしているな」
「はあ、勘違いではないと思いますけど」
「俺はただ、フォリシス家の人間と、婚約等を結ぼうと狙ってくる不届き者に注意しろと言っているだけだ。そこに深い意味などない」
「へえ……」
お兄様が、何か言い訳をしてきましたが、これは嘘です。
絶対に、単にお姉様に近づく男が気に入らないだけです。
この兄は、基本的には立派ですが、お姉様のことになるとおかしくなるので、そんなものでしょう。
「……俺は、お前のことを思って、姉と同じクラスにしてやろうと思っていた。だが、お前がそのような態度なら、その考えも改めざるを得ないようだな……」
「申し訳ありませんでした、お兄様。お姉様に近づいてくる不逞な者など、許せるはずがないのは、フォリシス家の人間として当然のことです。謹んで、見守らせてもらいます」
ただ、お兄様が急に脅してきたので、私は考えを改めました。
お兄様の心中など、どうでもいいですが、お姉様と同じクラスというのは、絶対に守っておきたいことです。そのためなら、露払い役くらい、引き受けてあげましょう。
「ふっ、それでいい」
私の言葉に、お兄様は少しだけ笑いました。
ここで笑われるのは、怖いのでやめて欲しいですね。
「……ただ、このことはルリアには言うな。余計な心配をかける必要はないからな」
「え? それって……」
「ほう?」
それって、引かれるから言わないでという意味ですか?
そんな言葉を、私は飲み込みました。ここで余計なことを言うと、また説教が始まりそうです。もう結構長い時間受けたので、これ以上は嫌です。
「わかりました。お姉様には言いません」
「そうか」
そのため、口約束をしておきました。
口約束なので、守るとは言っていませんが。
このことをお姉様に伝えたら、どんな反応をするでしょうか。
きっと、面白いことになるはずです。そんな好機を、逃す訳にはいきません。
「さて、話はこれで終わりだ。部屋に戻ってもいいぞ」
「あ、はい。お邪魔しました」
その言葉を最後に、私は部屋を出ていきます。
さて、この後は、お姉様を誘ってお茶にでもしますかね。
66
あなたにおすすめの小説
元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界にお助けキャラとして転生したリリアン。
無事ヒロインを王太子とくっつけ、自身も幼馴染と結婚。子供や孫にも恵まれて幸せな生涯を閉じた……はずなのに。
目覚めると、何故か孫娘マリアンヌの中にいた。
マリアンヌは続編ゲームの悪役令嬢で第二王子の婚約者。
婚約者と仲の悪かったマリアンヌは、学園の階段から落ちたという。
その婚約者は中身がリリアンに変わった事に大喜びで……?!
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
『呪いのせいで愛妻家になった公爵様は、もう冷徹を名乗れない(天然妻は気づかない)』
星乃和花
恋愛
【完結済:全20話+番外3話+@】
「冷徹公爵」と呼ばれるレオンハルトが、ある日突然“愛妻家”に豹変――原因は、妻リリアにだけ発動する呪いだった。
手を離せない、目を逸らせない、褒めたくなる、守りたくなる……止まれない溺愛が暴走するのに、当のリリアは「熱(体調不良)」と心配または「治安ですね」と天然で受け流すばかり。
借金を理由に始まった契約結婚(恋愛なし)だったはずなのにーー??
そんなふたりの恋は愉快な王都を舞台に、屋敷でも社交界でも面白……ゆるふわ熱烈に見守られる流れに。
甘々・溺愛・コメディ全振り!
“呪いのせい”から始まった愛が、最後は“意思”になる、にやにや必至の夫婦ラブファンタジー。
【完結】そして異世界の迷い子は、浄化の聖女となりまして。
和島逆
ファンタジー
七年前、私は異世界に転移した。
黒髪黒眼が忌避されるという、日本人にはなんとも生きにくいこの世界。
私の願いはただひとつ。目立たず、騒がず、ひっそり平和に暮らすこと!
薬師助手として過ごした静かな日々は、ある日突然終わりを告げてしまう。
そうして私は自分の居場所を探すため、ちょっぴり残念なイケメンと旅に出る。
目指すは平和で平凡なハッピーライフ!
連れのイケメンをしばいたり、トラブルに巻き込まれたりと忙しい毎日だけれど。
この異世界で笑って生きるため、今日も私は奮闘します。
*他サイトでの初投稿作品を改稿したものです。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
秘密の多い令嬢は幸せになりたい
完菜
恋愛
前髪で瞳を隠して暮らす少女は、子爵家の長女でキャスティナ・クラーク・エジャートンと言う。少女の実の母は、7歳の時に亡くなり、父親が再婚すると生活が一変する。義母に存在を否定され貴族令嬢としての生活をさせてもらえない。そんなある日、ある夜会で素敵な出逢いを果たす。そこで出会った侯爵家の子息に、新しい生活を与えられる。新しい生活で出会った人々に導かれながら、努力と前向きな性格で、自分の居場所を作り上げて行く。そして、少女には秘密がある。幻の魔法と呼ばれる、癒し系魔法が使えるのだ。その魔法を使ってしまう事で、国を揺るがす事件に巻き込まれて行く。
完結が確定しています。全105話。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる