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6.休息を経て
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一晩ぐっすりと眠ったことで、私は自身が疲労していたということを理解した。
活動していた時には自覚などなかったが、今となっては体が重たくて仕方ない。色々とあったためか、私は張りつめていたようだ。
とはいえ、動けない状態という訳でもなかった。故に私は、すぐに行動を開始することにした。どうやら昨日の内に、王家から連絡があったそうなのだ。
「……ケイティア嬢、昨日ぶりですね」
「エリクス殿下……」
私はガルタン男爵家の屋敷の一室で、家族とともにエリクス殿下を迎えていた。
チャルド様を追っていた彼は、こちらにとんぼ返りしてきたのだ。それはなんとも忙しい動きである。彼も私のように、疲れているのではないだろうか。
すぐにでも休んでもらいたい所だが、とりあえず事情だけは聞いておかなければならない。それがエリクス殿下の望みである。
「あなたと別れた後、僕はチャルド伯爵令息を追っていました。今の状況で彼とリリアナ嬢が接触することが良いことだとは思えなかったからです。しかしチャルド伯爵令息を追う必要はなくなりました。リリアナ嬢の行方がわからなくなったからです」
「行方不明、ということですか……」
「舞踏会での発言などから、僕は彼女がリリアナ嬢を狙うために行方をくらましたのだと考えています」
リリアナ嬢の失踪、それはこの状況において不穏なものであった。
彼女は私に対して、激しい憎悪を抱いている。それは舞踏会の一件で、よくわかっていることだ。
「ラナール伯爵家には、王家の方から抗議をしていました。舞踏会における彼女の行動を咎めておいたのです。平たく言ってしまえば圧力ですが、その状況でラナール伯爵家がガルタン男爵家に手を出すようなことはないでしょう。その辺りは弁えているはずです」
「それはつまり、リリアナ嬢は個人で私を狙おうとしているということですか?」
「無一文で失踪した訳ではないようですからね……誰かを雇って、ガルタン男爵家を襲撃するつもりかもしれません」
リリアナ嬢は、実家であるラナール伯爵家の力を頼れなくなった。王家による介入があった以上、家としては迂闊なことなどできないだろう。
その状況でも、リリアナ嬢は諦めなかったのかもしれない。その可能性は充分にあると思う。彼女の私に対する激情は、相当なものだったから。
「もちろん、リリアナ嬢が他に事情があって行方をくらました可能性はあります。しかし念のため、ガルタン男爵家の守りを固めておきます。具体的には騎士団を配備します。手配はもう済ませてあります」
「エリクス殿下、感謝致します。そこまでしていただけるとは……」
「いえ、お気になさらず。今回の件に関しては、王家にも落ち度がありますから。舞踏会の場でリリアナ嬢は拘束しておくべきでした。彼女の狂気を、僕は見誤っていたのかもしれない」
エリクス殿下は落ち度というが、それは流石に責任を感じすぎであるように思える。もちろんリリアナ嬢の行動は問題であったが、こんなことになるなんて予想できるはずもない。
ただエリクス殿下がそのように責任感が強いのは、私達ガルタン男爵家にとっては都合が良いことだった。王家の手配による騎士団の護衛、それは正直な所、とてもありがたいものなのである。
活動していた時には自覚などなかったが、今となっては体が重たくて仕方ない。色々とあったためか、私は張りつめていたようだ。
とはいえ、動けない状態という訳でもなかった。故に私は、すぐに行動を開始することにした。どうやら昨日の内に、王家から連絡があったそうなのだ。
「……ケイティア嬢、昨日ぶりですね」
「エリクス殿下……」
私はガルタン男爵家の屋敷の一室で、家族とともにエリクス殿下を迎えていた。
チャルド様を追っていた彼は、こちらにとんぼ返りしてきたのだ。それはなんとも忙しい動きである。彼も私のように、疲れているのではないだろうか。
すぐにでも休んでもらいたい所だが、とりあえず事情だけは聞いておかなければならない。それがエリクス殿下の望みである。
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「行方不明、ということですか……」
「舞踏会での発言などから、僕は彼女がリリアナ嬢を狙うために行方をくらましたのだと考えています」
リリアナ嬢の失踪、それはこの状況において不穏なものであった。
彼女は私に対して、激しい憎悪を抱いている。それは舞踏会の一件で、よくわかっていることだ。
「ラナール伯爵家には、王家の方から抗議をしていました。舞踏会における彼女の行動を咎めておいたのです。平たく言ってしまえば圧力ですが、その状況でラナール伯爵家がガルタン男爵家に手を出すようなことはないでしょう。その辺りは弁えているはずです」
「それはつまり、リリアナ嬢は個人で私を狙おうとしているということですか?」
「無一文で失踪した訳ではないようですからね……誰かを雇って、ガルタン男爵家を襲撃するつもりかもしれません」
リリアナ嬢は、実家であるラナール伯爵家の力を頼れなくなった。王家による介入があった以上、家としては迂闊なことなどできないだろう。
その状況でも、リリアナ嬢は諦めなかったのかもしれない。その可能性は充分にあると思う。彼女の私に対する激情は、相当なものだったから。
「もちろん、リリアナ嬢が他に事情があって行方をくらました可能性はあります。しかし念のため、ガルタン男爵家の守りを固めておきます。具体的には騎士団を配備します。手配はもう済ませてあります」
「エリクス殿下、感謝致します。そこまでしていただけるとは……」
「いえ、お気になさらず。今回の件に関しては、王家にも落ち度がありますから。舞踏会の場でリリアナ嬢は拘束しておくべきでした。彼女の狂気を、僕は見誤っていたのかもしれない」
エリクス殿下は落ち度というが、それは流石に責任を感じすぎであるように思える。もちろんリリアナ嬢の行動は問題であったが、こんなことになるなんて予想できるはずもない。
ただエリクス殿下がそのように責任感が強いのは、私達ガルタン男爵家にとっては都合が良いことだった。王家の手配による騎士団の護衛、それは正直な所、とてもありがたいものなのである。
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