妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗

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19.集まった四人

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 要求が通ったらしく、私はイフェネアお姉様の部屋でお世話になることになった。
 基本的に優しいお姉様ではあるが、ただ優しいというだけではない。貴族としての生活を学ばせてもらっている。

「この服も段々慣れてきたし……」

 貴族としての服装に、私は最初慣れていなかった。
 しかし今は、背筋を真っ直ぐにして歩くことさえできる。こういった歩き方というのも、イフェネアお姉様の指導のお陰だ。
 生活をともにすることで、貴族の令嬢というものが少しだけわかったような気がする。とにかく私は、イフェネアお姉様を見習うことによって進化しているのだ。

「……なんて、調子乗っている場合じゃないんだよね」
「まあ、そんなに深刻に考えることでもないよ?」
「エフェリアお姉様……」
「止められなかったなら、それはそれで良いくらいに思っていた方が気は楽だし。いくらお兄様方でも、多分一番軽い鞭打ちくらいまでしかしないだろうから」
「それだって問題ですよ」

 エフェリアお姉様の言葉に、私は思わず反論していた。
 現状、私を詰めていた二人の令嬢は、追い詰められている。最善で鞭打ち、最悪で絞首台だ。多分あの二人は知らないだろうけど、大変な状況である。
 もちろん、あの二人は良い人達ではないのだが、それでもそれだけの罰を受ける程の悪人かと言われると微妙な所だ。私は、最高でもオルディアお兄様の案くらいで良いと思っている。

「まあまあ、そのためのスーパーアドバイザーも呼んでいるから大丈夫だよ、クラリア。そうだよね、ロヴェリオ」
「……荷が重いんですよ、オルディア様」
「そうかな? 僕は期待しているんだよ。ロヴェリオは王族の中でも、特に頼りになるからさ」
「本当にそう思っています?」
「これは紛れもない本心だよ。まあ、他の王族も頼りになるけれど、こと今回においてはロヴェリオが適任さ。現状を知っていた訳だからね」

 スーパーアドバイザーとして呼ばれたロヴェリオ殿下は、オルディアお兄様の言葉に頭を抱えていた。
 それは当然だろう。私がもしも同じ状況に立たされていたら、震えていたかもしれない。
 助けられた時から思っていたが、ロヴェリオ殿下はとても勇気がある人なのだろう。だからこそ、ここにもこうして来てくれたのだ。

「さてと、それじゃあ部屋にもついた訳だし、エフェリア仕切ってくれるかな?」
「え? 私が仕切るの? オルディアがやってよ」
「一応、エフェリアがこの中だと最年長なんだけど、まあいいか。そういうことなら、僕が音頭を取らせてもらう。話し合いを始めるとしようか」

 オルディアお兄様の言葉に、私達三人は頷いた。
 こうして私達四人は、お兄様方の過激な罰に対する対策を考える会を、始めるのであった。
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