妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗

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47.同行するのは

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「ドルイトン侯爵家のディトナスのことは、ウェリダン兄上が調べてくれたよ」
「ウェリダンお兄様は、そういうのが得意だよね。どんな人なの?」
「僕達よりも一つ年下で、クラリアよりも三つ年上の十三歳らしい。基本的には、紳士的であるというのが、ウェリダン兄上の評価だ。悪い噂なんかは、特にないらしい」

 馬車の中で、対面のエフェリアお姉様とオルディアお兄様はそのような会話を交わしていた。
 ディトナス様は、一応私の婚約者候補ということになるらしい。ドルイトン侯爵家は、彼以外には子供がいないらしい。侯爵夫人は既に亡くなっているらしく、父と子二人きりであるそうだ。
 そういった境遇は、私とお母さんに似ているといえる。今となっては、大家族の一員になっているが、昔は私も二人っきりだったのだ。

「今回は、そんなディトナスが同年代の子息子女を集めて開くお茶会ということらしい。誰こそ、父上も僕達に白羽の矢を立てたんだろうね」
「え? 単純にお兄様方だと過激だからじゃないの?」
「まあ、そうかもしれない。今回のこれは要するに、クラリアと対面することが目的だろうからね。多分、アドルグお兄様は絶対に無理だ」

 オルディアお兄様は、呆れたような笑みを浮かべていた。
 それに対しては、エフェリアお姉様も苦笑いを浮かべている。アドルグお兄様がそういう人であるということは、共通の認識であるらしい。

「そういえば、ロヴェリオはどうしてついて来たの?」
「え?」

 そこでエフェリアお姉様は、私の横にいるロヴェリオ殿下に話を振った。
 それに彼は、驚いたような顔をする。突然話を振られたため、面食らっているようだ。

「ど、どうしてって、それはもちろん、クラリアが心配だからですよ」
「そうなんだ。ロヴェリオは結構心配性なんだね」
「王家にとっても、クラリアのことは無関係ではありませんからね。把握しておく役割が、俺にもあるというか……」
「まあ、ロヴェリオにも色々とあるんだろうね」

 ロヴェリオ殿下は、私が頷いた後に同行を申し出てくれた。
 それはもちろん、私にとってはありがたいことである。味方は一人でも多い方が良い。それがロヴェリオ殿下なら百人力だ。

「招待状には、別に何人で来ても良いと書いてあるからね。特に問題はないだろう。ロヴェリオも身内である訳だし、向こうも違和感は抱かないはずだ。クラリアと同年代である訳だしね」
「まあ、私達は私達の役目を果たすだけだよね……私はあんまり自信はないけど」

 エフェリアお姉様は、苦笑いを浮かべて居た。
 今回私達には、ドルイトン侯爵家の真意を探るという重要な役目がある。それをしっかりと果たしていかなければならない。
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