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41.必要ないもの
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「お姉様、私はお姉様にエルシエット伯爵家の領地を買い戻していただきたいと思っています」
「領地を?」
イフェリアは、私に対してゆっくりとそんなことを言ってきた。
その言葉に、私は疑問符を浮かべる。どうして私が、そんなことをすると思えるのだろうか。
私は元々、エルシエット伯爵家の借金を肩代わりしなかった。その時点で、この提案が断られることは読めると思うのだが。
「当然のことながら、ただとは言いません。お姉様には、それ相応の報酬をお支払いします」
「報酬? それは一体何かしら?」
「エルシエット伯爵家をお姉様に差し上げます」
イフェリアは、真剣な顔で私を見ていた。
今まで彼女とは幾度となくやり取りしてきたため、彼女のことはよくわかっている。
故にその言葉に、嘘がないことがわかった。その奇妙な理解が、私を混乱させてくる。
「私は、エルシエット伯爵家の存続を望んでいます。私が失敗したということは、事実として認めてあげましょう。お姉様にエルシエット伯爵家を好きにしてもらって構いません」
「……」
「私のエルシエット伯爵家をお姉様に差し上げます。悪い話ではないでしょう? 貴族として返り咲くことができるのですから」
イフェリアは、どこか勝ち誇ったような顔をしていた。
それは、私がその提案を受け入れることを確信しているということなのだろう。
彼女の中に、まさか家のためという考えがあったということは驚きだ。それ自体は、評価できる点といえるかもしれない。
しかし彼女は、決定的な勘違いをしていた。私と彼女の間には、認識の齟齬があるのだ。
「あなたにとって、エルシエット伯爵家はとても大切なものなのね?」
「ええ? もちろんです。それが何か?」」
「でも、それはあなたにとっての話でしょう? 生憎私にとって、エルシエット伯爵家なんてものはどうでもいいものであるし、貴族に返り咲きたいなんて微塵も思っていないわ」
「……え?」
私の言葉に、イフェリアは目を丸めていた。
彼女にとって、この返答は予想外のものだったようだ。それが、その表情から伝わってくる。
「あなたが出した交換条件は、私にとって利益がないもの。つまり、交渉は不成立ということになるわね? まあ、あなたがまだ私に頼みたいというなら、別の交換材料を持ってくることね」
「は、伯爵家の地位ですよ? それが欲しくないのですか?」
「ええ、そう言ったでしょう? そんなものは、私には必要ないものよ」
「そ、そんなはずは……」
イフェリアは、絶望的な表情をしていた。
この価値観の違いは、彼女にとってそれだけ衝撃的だったということだろうか。
しかし実際の所、私はもう貴族の地位には興味がなかった。そんなものがなくても、私は幸せなのだ。
「領地を?」
イフェリアは、私に対してゆっくりとそんなことを言ってきた。
その言葉に、私は疑問符を浮かべる。どうして私が、そんなことをすると思えるのだろうか。
私は元々、エルシエット伯爵家の借金を肩代わりしなかった。その時点で、この提案が断られることは読めると思うのだが。
「当然のことながら、ただとは言いません。お姉様には、それ相応の報酬をお支払いします」
「報酬? それは一体何かしら?」
「エルシエット伯爵家をお姉様に差し上げます」
イフェリアは、真剣な顔で私を見ていた。
今まで彼女とは幾度となくやり取りしてきたため、彼女のことはよくわかっている。
故にその言葉に、嘘がないことがわかった。その奇妙な理解が、私を混乱させてくる。
「私は、エルシエット伯爵家の存続を望んでいます。私が失敗したということは、事実として認めてあげましょう。お姉様にエルシエット伯爵家を好きにしてもらって構いません」
「……」
「私のエルシエット伯爵家をお姉様に差し上げます。悪い話ではないでしょう? 貴族として返り咲くことができるのですから」
イフェリアは、どこか勝ち誇ったような顔をしていた。
それは、私がその提案を受け入れることを確信しているということなのだろう。
彼女の中に、まさか家のためという考えがあったということは驚きだ。それ自体は、評価できる点といえるかもしれない。
しかし彼女は、決定的な勘違いをしていた。私と彼女の間には、認識の齟齬があるのだ。
「あなたにとって、エルシエット伯爵家はとても大切なものなのね?」
「ええ? もちろんです。それが何か?」」
「でも、それはあなたにとっての話でしょう? 生憎私にとって、エルシエット伯爵家なんてものはどうでもいいものであるし、貴族に返り咲きたいなんて微塵も思っていないわ」
「……え?」
私の言葉に、イフェリアは目を丸めていた。
彼女にとって、この返答は予想外のものだったようだ。それが、その表情から伝わってくる。
「あなたが出した交換条件は、私にとって利益がないもの。つまり、交渉は不成立ということになるわね? まあ、あなたがまだ私に頼みたいというなら、別の交換材料を持ってくることね」
「は、伯爵家の地位ですよ? それが欲しくないのですか?」
「ええ、そう言ったでしょう? そんなものは、私には必要ないものよ」
「そ、そんなはずは……」
イフェリアは、絶望的な表情をしていた。
この価値観の違いは、彼女にとってそれだけ衝撃的だったということだろうか。
しかし実際の所、私はもう貴族の地位には興味がなかった。そんなものがなくても、私は幸せなのだ。
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