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7.心配する弟
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目を覚ました私は、寝ぼけ眼で周囲を見渡した。
ここは、間違いなく私の自室である。どうやら、部屋に着いてベッドに寝転んで、そのまま眠ってしまったらしい。
「相当疲れていたという訳ね……」
私は、ゆっくりと伸びをした。
眠っていたのは一時間程だろうか。それ程長い時間、眠っていた訳ではないらしい。
「……はあ」
疲れが取れた私は、改めて自分が置かれている状況にため息をつくことになった。
考えれば考える程、嫌になってくる。まさか、あのローガルが浮気していたなんて、思ってもいなかったことだ。
一体いつから、彼はソルリア嬢と関係を持っていたのだろうか。私と一緒に笑っていたあの時も、ずっと裏切られていたとしたら、なんというか悲しいものである。
「……姉上、いますか?」
「あら?」
そこで私は、聞こえてくる声に少し驚いた。
この声は、弟のオリビオの声である。どうやら彼が部屋を訪ねて来たらしい。
「オリビオ、いるわ。入ってちょうだい」
「それなら失礼します。姉上、話は父上から聞きました。どうやら色々と大変なことになっているようですね」
「ええ、そうなのよ」
オリビオは、ベッドに腰掛ける私の方にゆっくりと歩いてきた。
彼はそのまま、私の隣に座る。その表情からは、私に対する心配の感情が読み取れる。それで私の様子を見に来てくれたということなのだろう。
「驚きましたよ。まさか、あのローガルさんが浮気なんて……」
「そうね。私もそう思っているわ。でも、多分間違いないと思う。否定する方が難しい状況だわ」
「そういうタイプではないと思っていたのだけれど、人というものはわからないものですね」
「その通りだわ。私はどうやら、ローガルのことを何もわかっていなかったみたい」
オリビオも、ローガルのことはよく知っている。そんな彼らかしても、やはり浮気の事実は信じられないものであるようだ。
私達は皆、ローガルのことを勘違いしていたということなのだろう。彼はただの気弱で優しい伯爵令息ではなかった。その内面には、私達が知らない何かが潜んでいたのだ。
「……しかしこういう考え方がいいかはわかりませんが、結婚する前に判明してよかったのかもしれませんね。婚約解消や破棄と離婚とでは、色々と勝手も違いますし」
「まあ、確かにそれは不幸中の幸いね」
オリビオの言葉に、私はゆっくりと頷いた。
ポジティブに考えれば、彼の言う通りである。早めにわかったことは、本当に幸いだ。取り返しがつかないことになる前で、本当によかった。
ここは、間違いなく私の自室である。どうやら、部屋に着いてベッドに寝転んで、そのまま眠ってしまったらしい。
「相当疲れていたという訳ね……」
私は、ゆっくりと伸びをした。
眠っていたのは一時間程だろうか。それ程長い時間、眠っていた訳ではないらしい。
「……はあ」
疲れが取れた私は、改めて自分が置かれている状況にため息をつくことになった。
考えれば考える程、嫌になってくる。まさか、あのローガルが浮気していたなんて、思ってもいなかったことだ。
一体いつから、彼はソルリア嬢と関係を持っていたのだろうか。私と一緒に笑っていたあの時も、ずっと裏切られていたとしたら、なんというか悲しいものである。
「……姉上、いますか?」
「あら?」
そこで私は、聞こえてくる声に少し驚いた。
この声は、弟のオリビオの声である。どうやら彼が部屋を訪ねて来たらしい。
「オリビオ、いるわ。入ってちょうだい」
「それなら失礼します。姉上、話は父上から聞きました。どうやら色々と大変なことになっているようですね」
「ええ、そうなのよ」
オリビオは、ベッドに腰掛ける私の方にゆっくりと歩いてきた。
彼はそのまま、私の隣に座る。その表情からは、私に対する心配の感情が読み取れる。それで私の様子を見に来てくれたということなのだろう。
「驚きましたよ。まさか、あのローガルさんが浮気なんて……」
「そうね。私もそう思っているわ。でも、多分間違いないと思う。否定する方が難しい状況だわ」
「そういうタイプではないと思っていたのだけれど、人というものはわからないものですね」
「その通りだわ。私はどうやら、ローガルのことを何もわかっていなかったみたい」
オリビオも、ローガルのことはよく知っている。そんな彼らかしても、やはり浮気の事実は信じられないものであるようだ。
私達は皆、ローガルのことを勘違いしていたということなのだろう。彼はただの気弱で優しい伯爵令息ではなかった。その内面には、私達が知らない何かが潜んでいたのだ。
「……しかしこういう考え方がいいかはわかりませんが、結婚する前に判明してよかったのかもしれませんね。婚約解消や破棄と離婚とでは、色々と勝手も違いますし」
「まあ、確かにそれは不幸中の幸いね」
オリビオの言葉に、私はゆっくりと頷いた。
ポジティブに考えれば、彼の言う通りである。早めにわかったことは、本当に幸いだ。取り返しがつかないことになる前で、本当によかった。
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