私を裏切ったあの人が、あなたを裏切らないなんて本気で思っていたのですか?

木山楽斗

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8.悲しい報告

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 ゼルフォン様の来訪からしばらく経ってから、私はお父様からとある報告を受けた。
 ローガルとソルリア嬢のことを調べた結果、やはり二人は関係を持っている可能性が高いらしい。
 それは私にとって、悲しい報告である。もちろん予想していたことではあるが、やはりショックは大きかった。

「姉上、大丈夫ですか? とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着いてください」
「オリビオ、ありがとう」

 報告を聞き終わった私を待っていたのは、弟のオリビオだった。
 私が落ち込むことをわかっていたのだろう。彼はお茶の準備をして待っていてくれたのだ。

「ふう……やっと落ち着いたわ」
「そうですか。それならよかった……父上がなんと言っていたか、話せますか?」
「ええ、大丈夫よ」

 オリビオは、私に対して事情の説明を求めてきた。
 アラドム伯爵家の一員として、彼も事情を早く知りたいのだろう。もちろんお父様から後で説明はあるだろうが、私から伝えておいた方が話も早い。何があったか、話すとしよう。

「今回の調査でわかったことは、ソルリア嬢がヴァルガド伯爵家の屋敷を訪ねているということよ。その辺りのことは、ゼルフォン様からも連絡があったみたい。彼女は人目を気にしながら、あちらの屋敷に行ってみたいね」
「ソルリア嬢がヴァルガド伯爵家を隠れて訪ねる理由なんて、一つしかありませんか」
「まあ、まずローガルとの浮気ね。他の可能性がないという訳ではないけれど、どの道やましいことなのは間違いないわ」

 状況的に可能性は高いが、ローガルが浮気しているかどうかは定かではない。ただヴァルガド伯爵家とソルリア嬢との間に、やましい何かがあるのは確かだ。
 その嫌疑を晴らせなければ、アラドム伯爵家とヴァルガド伯爵家との関係は本当に終わる。いくら今まで懇意にしていたって、お父様も許容しないだろう。

「屋敷に出入りしているということは、ヴァルガド伯爵も事態を把握しているということになりますね……」
「ええ、だからお父様はまずヴァルガド伯爵と話をするつもりみたい」
「素直に答えてくれるといいですが……」
「どうかしらね? 隠蔽する可能性もあるわよね……まあ、そうしてきたら、どの道今回の婚約は破談になる訳だけれど」
「結果は、変わらないという訳ですか……」

 ソルリア嬢の訪問に、納得できる理由は思い付かない。故に 私とローガルとの婚約は、高い確率で破談となるだろう。
 それは元々、覚悟していたことではある。ただ、真実は気になる所だ。一体ヴァルガド伯爵家は、どうなっていたのだろうか。
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