実験クラブの二人

廣瀬純七

文字の大きさ
19 / 31

三日後の不安

しおりを挟む
放課後、二人は校門を出て並んで歩いていた。  

直子の体の直人がふと隣を歩く直人の体の直子を見ると、何か言いたそうな顔をしている。  

「……なあ、どうした? 何か気になることでもあるのか?」  

すると、直人の体の直子は少し気まずそうに視線を逸らしながら、小さな声で言った。  

「……直人、ごめん。」  

「え? 何が?」  

「あと三日くらいで、私の体が……たぶん、生理になると思うんだけど……」  

一瞬、直子の体の直人は言葉を失った。  

「えっ……マジで……?」  

「うん……マジで。」  

直人の体の直子は申し訳なさそうにうなずいた。  

「ちょっ……待て待て、それってどうすればいいんだよ!? 俺、生理のことなんて全然わかんねぇぞ!!」  

「だから、ごめんって言ってるじゃん……でも、避けようがないんだよ……」  

直子の体の直人は顔を青ざめながら頭を抱えた。  

「ま、マジかよ……」  

「大丈夫、大丈夫! ちゃんとナプキンの場所とか使い方とか教えるから!」  

「そ、そっか……いや、それでもやっぱりキツいだろ……」  

「私だって、毎月生理になるのはめちゃくちゃ嫌だよ……でも、女の体だとどうしようもないから、覚悟してね……」  

「覚悟って……」  

直子の体の直人は深いため息をついた。  

「はぁ……体が入れ替わるって、大変なんだな……」  

「ほんと、それな……」  

直子の体の直人はまだショックが抜けず、顔をしかめながら歩いていた。  

「なあ……生理って、何日くらいで終わるんだ?」  

直人の体の直子は少し考えてから答えた。  

「うーん……だいたい三日か四日くらいかな?」  

「そ、そんなに続くのか……」  

直子の体の直人は肩を落とした。  

「まあ、人によって違うけどね。でも、最初の二日くらいが一番しんどいんだよね……」  

「マジか……その間、俺は何をどうすればいいんだ……?」  

「とりあえず、ナプキンをちゃんと取り替えること。それから、お腹が痛くなることもあるから、カイロとか温かい飲み物を準備しておいたほうがいいかも。」  

「そ、そんなに準備が必要なのか……」  

「うん。あ、あと気分が沈んだりイライラすることもあるけど、それはホルモンのせいだから仕方ないの。だから変に気にしないでね。」  

「お、おう……」  

直子の体の直人は途方に暮れたような顔で頷いた。  

「……これが終わったら、絶対元の体に戻る方法を探そうな。」  

「同感。」  

二人は苦笑しながら、夕暮れの道を歩いていった。

帰宅した直子の体の直人は、ため息をつきながら直子のベッドに寝転んだ。天井を見つめながら、ぼそりとつぶやく。  

「まいったな……俺が生理になるのかよ。まったく想像してなかったよ……」  

直人の体の直子は、腕を組んで呆れたように言った。  

「女の子の体なんだから仕方がないでしょう! そんなことで落ち込んでどうするの?」  

「いや、だってさ……痛いっていうし、ナプキンとか替えなきゃいけないし、色々気をつけることがあるんだろ? そんなの俺、全然知らなかったんだよ……」  

「まあ、そうかもしれないけど、これも女子の体のリアルな部分なのよ。だからこそ、少しは女子の大変さを知る良い機会だと思いなさい。」  

「そんな前向きになれるかよ……」  

直子の体の直人はぐったりと寝転んだまま、目を閉じた。  

「はぁ……早く元に戻りたい……」  

「私だってそう思ってるわよ!」  

二人は深いため息をつきながら、静かに夜が更けていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

美咲の初体験

廣瀬純七
ファンタジー
男女の体が入れ替わってしまった美咲と拓也のお話です。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

パパと娘の入れ替わり

廣瀬純七
ファンタジー
父親の健一と中学生の娘の結衣の体が入れ替わる話

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

処理中です...