バーチャル性転換システム

廣瀬純七

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新たな友情の芽生え

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バーチャルな世界で再会した幸一と中村美由紀。偶然の「同じ名前」をきっかけに、二人は急速に仲良くなった。共通の話題が多く、お互いをよく理解しているような心地よさがあった。

その日も、二人は前回と同じ公園のベンチに座っていた。美由紀が新しく見つけたバーチャルな世界の風景や楽しいエピソードを話している間、幸一はふと自分の心に秘めたある出来事を話すべきか迷っていた。

「ねえ、美由紀さん……ちょっと聞いてもらいたいことがあるの。」  

幸一の声には、わずかな緊張が滲んでいた。

---

### 秘密の告白

「どうしたの?なんでも話していいわよ。」  

美由紀は幸一の不安そうな表情に気づき、優しく微笑んだ。その微笑みに後押しされるように、幸一はゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。  

「実は……私、つい最近、ここである人にプロポーズされたの。」  

美由紀は驚いた様子で目を見開いた。

「えっ、プロポーズ?すごいじゃない!どんな人?」  

幸一はその質問に少し戸惑いながら、続けた。

「その人は……とても優しくて、自分の気持ちを素直に伝えてくれる人。でも、正直なところ、私たちは出会ってからあまり時間が経っていなくて……だから、どう返事をすればいいのかわからないの。」  

---

### 美由紀の反応

美由紀は真剣な表情で幸一の言葉を受け止めた。  

「それって……その人のこと、あなた自身はどう思ってるの?」  

「どう思ってるか、か……それが、自分でもよくわからないの。会話をしていると楽しいし、安心する。でも……どこか不思議な感覚があって。」  

美由紀は少し考え込むように視線を落とし、やがて口を開いた。

「バーチャルな世界では、現実のルールに縛られない関係が築けるって言うけど……その分、自分の気持ちを見失いやすいのかもね。でも、最終的には、あなたがその人と一緒にいるときの幸せを感じるかどうかが一番大事だと思うわ。」  

その言葉に、幸一は静かに頷いた。

---

### 打ち明けた後の安堵

「ありがとう、美由紀さん。あなたに話してよかった。少し気持ちが楽になった気がする。」  

「私でよければ、いつでも相談に乗るわ。だって、名前が同じだもの!なんだか親近感湧いちゃうわよね。」  

美由紀は笑いながら肩をすくめた。その無邪気な笑顔に、幸一も自然と笑みを返した。

「そうだね、私たち、いい友達になれそう。」  

その日、二人はいつも以上に長く語り合った。幸一は自分の中で揺れている気持ちを整理しながら、少しずつ自分が進むべき道を見つけていく決意を固めていた。

---

### エピローグ

現実でもバーチャルでも、関係性は日々変わり続ける。幸一がプロポーズにどう答えるのか、そして美由紀との友情がどのように深まるのか――それは、彼自身が描いていく未来にかかっていた。

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