タクミのバレーボール

廣瀬純七

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バレー部へ

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### 女子バレー部への誘い

その日の授業は、タクミにとって新鮮で奇妙な体験だった。周囲の友人たちや先生たちも、彼が以前と異なる「女子生徒」として扱っている。授業が終わると、サクラがまたタクミのところにやってきた。

「ねえ、タクミちゃん!放課後、少し時間ある?うちのバレー部を見学に来ない?」

「え、バレー部?」

タクミは少し戸惑った。サクラは部活の話をしているが、タクミはもともと運動が特別得意ではない。しかし、サクラの興味津々な目に圧倒され、思わず頷いてしまう。

「うん、行ってみるよ。」

サクラは満面の笑みでタクミの手を取り、バレー部の活動場所である体育館へと連れて行った。体育館に入ると、すでに何人かの女子部員たちが準備運動をしている。みんな明るく元気で、活気に満ちている雰囲気が伝わってきた。

「みんな~!今日は新しい子を連れてきたよ!」サクラが声をかけると、部員たちが一斉にタクミの方に視線を向けた。

「わぁ、かわいい子だね!」「本当に新入部員になるの?」と、みんなが次々とタクミに話しかけてくる。初めての経験に、タクミは照れくさく感じつつも嬉しくなった。

「タクミちゃん、ちょっとだけボールを触ってみない?」サクラがバレーのボールを差し出した。

「う、うん。じゃあ…」タクミは戸惑いながらボールを受け取り、そっと構える。サクラが軽くトスしてくれたボールを、タクミは緊張しながらもなんとかレシーブしてみる。体の動きはまだぎこちないが、意外とやりがいがありそうだ。

「うん、タクミちゃん、意外といけるんじゃない?」サクラは、優しく励ましてくれるような笑顔で言った。

その後も、部員たちが次々とタクミに教えてくれたり、少しだけレシーブやトスの練習を一緒にしてくれた。段々とタクミもその雰囲気に馴染み始め、次第に自分がこの新しい環境でやっていけるのではないかと感じるようになった。

練習が一段落すると、サクラがタクミにそっと近づいてきた。

「タクミちゃん、うちのバレー部は部員が少なくて大変なんだ。もしよければ、正式に入部してくれない?」

タクミは少し考え込んだ。もともとバレー部に入るなんて考えたこともなかったが、サクラや他の部員たちの熱心さに触れ、自分が少しだけこの世界に引き込まれたような気がしていた。

「うん、やってみようかな。」タクミは小さな声で答えた。

「本当に?嬉しい!これでチームがもっと強くなるよ!」サクラが喜んでタクミの手を握りしめる。その姿を見て、タクミは何か新しい道が開けたような気がした。

こうして、タクミの女子バレー部としての新しい生活がスタートすることになった。未知の世界に飛び込んだ彼の挑戦は、仲間との友情や自身の成長を通して、かけがえのないものへと変わっていくのだった。
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