魔法の本

廣瀬純七

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トイレ体験談で盛り上がる四人

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屋上の昼下がり、タケル(ジュンの体)、ジュン(タケルの体)、美咲(健一の体)、健一(美咲の体)が集まって雑談をしていた。話題は自然と体が入れ替わったことによる日常の苦労へと流れ、特に盛り上がったのは「異性のトイレ」に関する話題だった。  

「やっぱり一番最初はトイレがキツかったよね。」  
タケル(ジュンの体)がぼそりと言うと、他の三人が一斉に頷いた。  

「本当それ!」  
ジュン(タケルの体)が同調する。  
「男子トイレの個室に入ったとき、扉が薄すぎてめちゃくちゃ落ち着かないの! あと、全然清潔じゃないし!」  

健一(美咲の体)は苦笑しながら言った。  
「俺は逆に女子トイレが綺麗すぎてびっくりしたよ。香り付きのハンドソープとか普通に置いてあって、まるで別世界だった。」  

美咲(健一の体)はその言葉にうなずきながらも、困ったような顔をして言った。  
「わかる。でも最初は、男子トイレに入るときの緊張感がやばかった。」  

***

### 初めての「洗礼」  

「初めて男子トイレの小便器の前に立ったときなんて、何をどうすればいいかわからなかったわ!」  
ジュン(タケルの体)が慌てた様子で振り返ると、美咲(健一の体)が爆笑した。  

「それ、私も男子の体になったときに思った!あの並んで立つ文化、本当に謎すぎるよね。」  
ジュンは手を叩いて笑いながら続ける。  
「しかも、何でわざわざ隣に来るの?あれ、めっちゃストレスじゃない?」  

「それな!ちょっとした作業中に視線を感じるの、意味不明すぎる!」  
美咲も同意しながら笑う。  

一方、健一(美咲の体)は静かに言った。  
「男子トイレはまだいいけど、女子トイレは女子同士でよく話すでしょ?最初、それが一番困った。」  

「それ、俺もだ!」  
タケル(ジュンの体)が真剣な表情で頷く。  
「何か話しかけられるけど、話題が化粧とか好きな芸能人とかで全然わからないんだよ!」  

「うんうん。最初は頑張って合わせるけど、途中から無理だって悟るんだよね。」  
健一が肩をすくめて笑った。  

***

### どっちが大変?  

「結局さ、男子トイレと女子トイレ、どっちが大変なんだろう?」  
タケルがふと疑問を口にすると、全員が考え込む。  

「うーん…女子トイレのほうが複雑だと思う。」  
健一(美咲の体)が意見を出す。  
「化粧直しとか、会話とか、なんか女子の間の暗黙のルールが多すぎる。」  

「でもさ、男子トイレもそれなりにプレッシャーあるよ?」  
ジュン(タケルの体)は真剣な顔で言う。  
「特に混んでるときとか、空気読んでスピード上げなきゃいけない感じとか。」  

「確かに。しかも、どこか壊れてるトイレが多い気がする。」  
美咲(健一の体)がぽつりと言い、全員で爆笑した。  

***

### 笑いで少し前向きに  

「まあ、何だかんだで慣れるしかないよね。」  
タケルが苦笑しながら締めくくると、美咲が笑顔で続けた。  
「そうだね。でも、こうやって共有できる仲間がいてよかった。ちょっと気が楽になった気がする。」  

ジュンと健一も頷きながら、それぞれの「戦い」を思い返していた。四人は、不思議な絆を感じながら、その後もトイレ以外の異性ならではの苦労について話し続けた。
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