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結衣の興味津々な質問攻め
しおりを挟む「ねえっ、ちょっと待って!」
俺が話し終わると、結衣が急に俺の腕を掴んできた。
「え?」
「ってことは、昨日の健太はパラレルワールドの別の世界で"田中美紀"っていう女の子だったってこと?」
「あ、ああ……まあ、そういうことになるな」
「ええっ!? それって、どういう感じなの!? 女の子になってみた感じは!? なんか変だった!? すごく違和感あった!?」
目を輝かせながら、一気に質問をぶつけてくる結衣。
なんというか……予想はしていたが、想像以上に興味津々らしい。
「いや、そりゃ違和感だらけだったよ……。まず朝起きたら知らない部屋で、知らない体になってたし……」
「うわー、それはびっくりするよね! で? で? 体が変わってたってことは、髪も長かったの?」
「ああ、肩くらいまであったな」
「ええっ!? じゃあ触った? ちゃんとサラサラだった?」
「いや、そんな感触まで意識してなかったけど……まあ、普通に髪の毛だったよ」
「へぇ~! なんかすごいなぁ!」
結衣は興味津々な顔で俺を見てくる。
「じゃあさ、服とかもやっぱり女の子の服だったんでしょ?」
「……ああ、パジャマだったけど、完全に女子のやつだった」
「やっぱり! で、着替えとかもしたんでしょ?」
「……まあ、しないわけにはいかなかったからな」
「どうだった!? なんか違和感すごかった!? スカートとか履いた!?」
「お、おい、ちょっと待て! なんでそんなに食いついてくるんだよ!?」
俺がたじろぐと、結衣はクスクス笑いながら肩をすくめた。
「だってさ、普通そんな経験できないじゃん? 健太は昨日、女子として過ごしてたんだよ? なんか色々気になっちゃうじゃん!」
「お前……好奇心旺盛すぎだろ……」
「じゃあ、歩いた感じとかも違った? 胸とか邪魔じゃなかった?」
「ちょっ!? なんでそんなとこまで聞いてくるんだよ!?」
俺が顔を赤くすると、結衣は大爆笑した。
「だって健太が女の子になったなんて、めちゃくちゃ面白いもん!」
「……俺にとってはめちゃくちゃ大変だったんだぞ……」
俺はため息をつきながら頭をかいた。
まったく、こいつに話したのが正解だったのかどうか……。
でも、こうやって笑って話せるのは、ちょっとだけ気が楽になる気がした。
「ふふっ、でもさ、ちょっと羨ましいかも!」
「は?」
「私もパラレルワールドで別の自分になってみたいなー!」
「……お前、本当に好奇心旺盛すぎだろ……」
俺は呆れながらも、どこか安心感を覚えた。
少なくとも、この不思議な出来事を笑って話せる相手がいるのは、悪くないのかもしれない。
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