TSメイク

美咲ロス？

 
翌日、拓也はいつも通りの格好――もちろん、**男の姿**で大学へ向かった。  

「昨日は散々だったな……」  

「でも、楽しかったでしょ？」  

隣を歩く愛がニヤニヤしながら言う。  

「いや、楽しいとかじゃなくて……あんなにモテるとは思わなかったし、マジでバレるかと思って冷や汗かいたんだぞ！」  

「でもバレなかったし、拓也もだんだん美咲に馴染んできたじゃん♪」  

「馴染みたくねぇよ！！」  

そんなやり取りをしながら、二人がキャンパスに入ると――  

「おっはよ～！」  

「おはよう、拓也、愛ちゃん♪」  

彩香と咲良が笑顔で駆け寄ってきた。  

しかし、次の瞬間――  

「**あれ？ 今日は美咲ちゃんじゃないの？**」  

「**え～、残念だわ、美咲に会えなくて！**」  

彩香と咲良がまるで本当に惜しむような声を出しながら、拓也をジロジロと見てくる。  

「なっ……！」  

拓也の顔が一瞬で真っ赤になった。  

「な、何言ってんだよ！？ 俺は俺だし、今日は普通に拓也だろ！！」  

「ふふっ、でも昨日の美咲ちゃん、めっちゃ可愛かったし、正直また会いたかったな～」  

「うんうん！ 私も可愛い美咲ちゃんに会いたかったよね～♪」  

咲良も楽しそうに言い、二人とも完全にからかうモードになっていた。  

「ちょ、ちょっと待て！ もう二度とやらねぇからな！！」  

拓也が必死に否定すると、愛がクスクス笑いながら口を挟む。  

「へぇ～？ じゃあまた今度合コンがあったら、美咲ちゃんの出番はないのね？」  

「ない！！ 絶対ない！！」  

「ふーん、でもさ、あれだけモテたんだし、**またやってみるのもアリなんじゃない？**」  

「ね～！ 美咲、すごく人気だったもんね！」  

「だから俺は美咲じゃねぇっての！！」  

「えっ、でも昨日はちゃんと美咲だったじゃん？」  

「そ、そうだけど……！！」  

拓也は頭を抱えながら、その場でうずくまった。  

「も～～！ もういい加減にしてくれ！！」  

その光景を見て、彩香と咲良は大爆笑し、愛は満足げに微笑むのだった――。