パラサイト 中学生の結衣編

廣瀬純七

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バズった写真

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文化祭が終わった後、結衣は思いがけない事態に直面していた。文化祭で撮られたメイド服姿の写真がSNSで拡散され、「千年に一人の可愛いメイドだ!」と話題になっていたのだ。

「これ…誰が投稿したんだよ!」

結衣はスマホを握りしめて愛人に詰め寄ったが、愛人は笑いながら手を挙げた。

「投稿したのは私じゃないよ。でも、可愛いって評判だからいいじゃない。」

「よくない!」

結衣は顔を赤くして否定したが、すでに状況は収拾がつかなくなっていた。

翌日、学校に結衣を訪ねてきたのは、スーツ姿の女性だった。

「初めまして。芸能事務所のスカウト担当をしている佐藤と申します。結衣さん、少しお時間をいただけますか?」

突然のスカウトに驚きながらも、結衣は話を聞くことにした。スカウトの内容はモデル活動の提案だった。

「あなたの写真がSNSで拝見しまして、その魅力に惹かれました。もし興味があれば、ぜひうちの事務所で活動してみませんか?」

「俺…いや、私はそんな…」

戸惑う結衣に、愛人がそっと背中を押した。

「せっかくだから話だけでも聞いてみたら?新しいことに挑戦するのも悪くないよ。」

結衣はしばらく考えた後、小さく頷いた。

「わかりました。話だけでも聞いてみます。」

こうして結衣は、新たな挑戦への一歩を踏み出すことになった。


数日後、芸能事務所との初対面を終えた結衣は、緊張しながらも前向きな気持ちになっていた。事務所の佐藤は、結衣の魅力を引き出すさまざまなプランを提案し、最初は小さな写真撮影会から始めることになった。

「撮影会なんて…やったことないけど、大丈夫かな。」

放課後の教室で、不安そうに呟く結衣に、愛人は笑いながら答えた。

「大丈夫だよ。結衣は自然体でいるだけで十分魅力的なんだから。」

「そう言われても…。」

「それに、私もついて行くから心配いらないよ。」

「え、ついてくるの?」

「当たり前でしょ?大事な幼馴染が挑戦するんだから、応援しなきゃね。」

結衣は少し呆れた顔をしたが、心の中ではその言葉に救われていた。

撮影当日、結衣は初めてプロのメイクを施され、カメラの前に立った。緊張でガチガチになっていたが、愛人の声援やカメラマンの優しい指示のおかげで、次第に自然な表情を見せることができるようになった。

撮影が終わると、カメラマンが感心したように言った。

「結衣さん、本当に素敵な笑顔ですね。この調子で頑張っていきましょう。」

その言葉に、結衣は初めて自信を感じた。

「うん、やってみるよ。」

こうして、結衣は芸能界での新しい一歩を踏み出し始めた。愛人との絆を胸に、彼女は新たな舞台で輝いていくのだった。

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