パラサイト 中学生の結衣編

アイドルデビュー

モデルとしての活動を順調にこなしていた結衣のもとに、事務所の佐藤から新たな提案が舞い込んだ。それは、アイドルとしてデビューする話だった。

「結衣さん、少しお時間いただけますか？」

撮影スタジオでの仕事が終わった後、控室に戻っていた結衣に佐藤が声をかけた。結衣は軽くうなずき、話を聞く準備を整えた。

「実は、結衣さんの人気が急上昇していることもあり、弊社で新しいアイドルユニットを結成する計画が進んでいるんです。そのメンバーとして、結衣さんにぜひ参加していただきたいと思っています。」

「アイドル…ですか？」

突然の提案に、結衣は驚きを隠せなかった。モデル活動に慣れてきたとはいえ、ステージで歌ったり踊ったりする自分の姿を想像するのは難しかった。

「もちろん、簡単なことではないと思います。でも、これまでの活動で見せてくれた明るさと魅力、そしてファンの方々からの熱い支持を考えると、結衣さんならきっと素晴らしいアイドルになれると確信しています。」

佐藤の真剣な眼差しに、結衣は言葉を失った。そこに愛人が控室のドアをノックしながら入ってきた。

「どうしたの？真剣な話してるみたいだけど。」

「実は、アイドルデビューのお話をいただいて…。」

結衣が事情を説明すると、愛人は目を輝かせた。

「アイドル！？すごいじゃん、それ！結衣なら絶対向いてるよ！」

「でも、私にそんなこと…。」

「大丈夫だって。これまでだって乗り越えてきたでしょ？それに、結衣のファンの人たちはきっと応援してくれるよ。」

愛人の言葉に、結衣の心が少しずつほぐれていった。これまで何度も助けられてきた幼馴染の励ましが、彼女の中に勇気を呼び起こした。

「わかりました。挑戦してみます。」

結衣の言葉に、佐藤は嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとうございます。これからアイドルとしてのトレーニングが始まりますが、全力でサポートさせていただきます。一緒に最高のデビューを目指しましょう。」

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### トレーニングの日々

その後、結衣は歌やダンスのレッスンに励む日々を送ることになった。慣れないステージパフォーマンスに苦戦することもあったが、事務所のスタッフやトレーナー、そして愛人の応援のおかげで少しずつ成長していった。

ある日、結衣は愛人と一緒に練習スタジオの片隅で休憩していた。

「ねえ、愛人。」

「なに？」

「ありがとうな。いつも励ましてくれて。たぶん、愛人がいなかったら、ここまで頑張れなかったと思う。」

「何それ、急に照れるじゃん。でも、私たちはお互い様でしょ？結衣が頑張ってる姿を見ると、私ももっと頑張ろうって思えるんだよ。」

二人は顔を見合わせて笑い合った。その笑顔が、これから迎える新たなステージへの自信となっていった。

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結衣のアイドルデビューは、ただの一歩に過ぎなかった。けれど、それは彼女自身と周囲の人々の思いが重なった、特別な一歩だったのだ。