タイムトラベルノート

森山の疑問

トイレの事件から数日後、キャンパス内のカフェテリアで優菜が友人たちとおしゃべりをしていると、森山が歩み寄ってきた。いつも通りの優しい笑顔だが、どこか妙に落ち着かない様子だった。  

「優菜、ちょっといい？」  
「うん、どうしたの？」  

森山は椅子を引いて優菜の隣に座り、少し声をひそめながら言った。  
「変なこと聞くんだけどさ……この前、君が男子トイレに入るのを見たんだよね。」  

その言葉に、優菜は一瞬にして顔が真っ赤になった。  
「えっ、ええっ!? それ、見てたの!?」  

周りにいた友人たちが一斉にこちらを向くのを感じ、優菜は慌てて声を落とした。  

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### 「バレた動揺」  

森山は優菜の反応に驚きつつも、さらに好奇心を掻き立てられた様子だった。  
「だって、普通のことじゃないよね？あんな光景初めて見たから……気になっちゃって。」  

「そ、そんなこと、忘れてよ！」優菜は手をぶんぶん振りながら必死に誤魔化そうとした。  
だが、森山は首をかしげながら続けた。  
「いや、気にしないってのは無理だよ。だって君、スカート履いてたのに、堂々と男子トイレに入って行くんだもん。」  

この状況をなんとか切り抜けたい優菜は、必死に言い訳を考えた。  

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### 「苦しい言い訳」  

「えっと……あれは、うーん、間違えたの！本当だよ！」  
「間違えるって……だって男子トイレって、普通に見れば分かるよね？」  

森山の真剣な眼差しに、優菜はますます追い詰められた。何とか話を終わらせようと、さらに付け足す。  
「そう！急いでたから、気づかなかったの！で、入ってからすぐに気づいて出たんだよ！」  

その場で自分の言い訳に説得力がないことを悟り、心の中で頭を抱えたが、森山は納得したようなしていないような表情で「ふーん」と頷いただけだった。  

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### 「森山の意外な反応」  

「まあ、間違いなら仕方ないけどさ……ちょっと驚いたよ。」森山は少し笑ってみせた。  
「でも、なんだか君って、他の人とは違うよね。こういう話をするのも楽しいかも。」  

意外にも森山は笑顔でその場を収めた。優菜は胸をなでおろしつつも、複雑な気持ちを抱えていた。  

「森山くん、ほんとにそれで納得してるの？」  
「うん、まあね。でも、君にはまだまだ隠れてる面白い話がありそうだな。」  

その言葉に、優菜は苦笑しながらも、これ以上深掘りされないことを祈るばかりだった。  

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### 「秘密を抱えて」  

その後、優菜は森山に変に怪しまれないように気をつけながら生活することを決めた。だが、それでもたまに森山が興味深そうな目を向けてくるたびに、自分の秘密がいつかバレてしまうのではないかと、心の中でハラハラするのだった。  

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