ライバル令嬢は当て馬キャラを幸せにしたい!

粉砂糖

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4.必殺戦隊ナナクサ2

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わたくしが七人の子どもたち…通称七草を拾った事は早速双子たちにも伝えました。
特に慎一様はわたくしの伴侶にしちゃうのですから把握して頂かないとね!
二人は納得し、紹介の場に応じてくれましたし多分だけどそれなりに面識を持てたと思う。
有事の際は密に関係するしほんとよろしく頼みますわよ!不審者じゃないですからね!

ただその時、優二に「麗香は随分とお人好しだね。困ってるって言われたからって怪しい壺とかネックレスとか買っちゃあだめだよ?」と頭を撫でられながら言われましたわ。
思わずきゅんとときめいてしまった事は今は片隅に置いといてください。あなどれない突然の推しのキュン攻撃。
それにそこまでわたくしも警戒心が無い訳では無いわ。詐欺位見抜けないと立派な令嬢になれませんものね。

…優二はわたくしの事をなんだと思ってるのかしら…?

----

さて月日はさらに経って8年。ええ8年ですわ。飛びすぎですって?これは尺の都合上仕方がないの。

私も晴れて15歳。プリティ幼女からスタイル抜群美女系女子高生に進化致しましたわ。ふふふ。
ここまで紆余曲折ありましたが中学までに令嬢として必要なカリキュラムも習得し、
自分でコスメブランド…だけでなく欲望のままにショコラ店も立ち上げて(しまって)、お父様を無理やり説得し公立高校へ入る権利も無事ゲット。

お父様の強固な主張を見事に折り倒したその日の晩は頑張ってくれた七草たちと祝杯(紅茶)を挙げましたのよ!

思い返すとほんとうに、ほんっとうに長い道のりだったわ。
途中で同業者から妬まれて誘拐されかけたり、パクリ諸々やっかまれる問題が起きたり…。

それでも誘拐示唆した相手の事業の株を買い叩いて乗っ取ったり、商品案をパクった会社には偶然仲良くなったマスコミの知り合いに事なきを得たり…

壮絶。幾度か双子にも迷惑をかけましたが、七草の皆もそれぞれの得意分野を活かして動いてくれたから本当に助かったの。いい拾い物をしたと思うわ。

というか想像以上に助かり過ぎてわたくしもこの子たちを御しきれるか不安になってきた…
幸いな事にみんな聡明で美しいわたくしを崇拝し忠誠を誓っていてくれているから、不満一つ漏らすことなく(寧ろ日々の褒めそやしがわたくしの悪役令嬢化を推進しそうで困っている)側に仕えてくれている。

それもこれも優二の恋路を円滑に進めさせるためなんですのよ!
七草の力で邪魔な外敵は排除!慎一の世話は七草に助けて貰う(他力本願です)!
諸々に解放された優二はヒロインちゃんとの恋を思う存分育めばいいと思いますの。
少しチクリと傷んだ胸には気付かない振り。良いですわよ。失恋よりも推しが幸せにならなきゃ私はまた神様を恨むわ。
この三年の内で腕を磨いてきたつもりですわ。主に謀略ですけれど!


「お嬢様、今日の髪型はいかがしましょう。」

そういって鏡台の前に座るわたくしの髪に櫛を通しながら、真っ直ぐな黒髪を一つにまとめたクールな顔立ちのメイド、ハコベラが言う。

七草の一人、わたくしの身の回りの世話をしてくれるメイドで主にヘアメイク担当だ。
ハコベラは手先がとても器用でわたくしの髪からお肌まで美しく整えてくれる。
薄目のメイクと派手ではないが素材が素晴らしいから彼女自身の美しさを強調してくれる。
猫っぽい少し丸いつり上がった目にブルーグレイの瞳が綺麗で見惚れちゃうわ。


「勿論いつも通りクルクルに巻いて頂戴!」
「かしこまりました。お嬢様は本当にこの髪型がお好きですね」
「当然よ!この縦ロールはわたくしの戦闘力の一つですもの!」

ふふん、と自慢げに笑うわたくしにハコベラもクスリと小さく笑う。
普段笑わない美人がこういう時に小さく笑みを見せると破壊力は満点ですのよ。今、禁断の扉を開けそうになったわ。暴れ狂う動悸を押さえつけた。

「はああお嬢様超美しい!私ハコベラみたいにヘアメイクはできないから!
お嬢様の髪に触れるハコベラが妬ましい~~ッッ!」

ギリギリとハンカチを噛みながらこちらを睨むもう一人のメイド。

少し跳ねた肩まで伸ばしたこげ茶色の髪の活発そうな顔立ちの少女も七草の一人、ナズナである。

彼女はわたくしのお部屋の管理…お洋服からアクセサリーの管理を任されている。
有事の際の洋服を選ぶのはナズナの仕事で、彼女の観察眼から生まれるセンスは目を見張るものがある。
加えて人懐っこくて噂好きなのであらゆる情報を仕入れてくるから女性の流す噂の把握に困らないわ。
コスメブランドを立ち上げられたのも彼女の力が大きい。

「ナズナ、すぐ終わるわ。わたくしが朝食を頂くことを伝えてきて頂戴。
あとセリを呼んで。その時に今日のスケジュールの管理をするわ。」
「かしこまりました。じゃあお嬢様、私は食堂でご用意してますね~!」

ええ、と笑って返すとナズナは丁寧に一礼をして部屋を出ていく。
そうこうしている間にもハコベラは手早く髪を巻いていく。

この白魚の様な綺麗な指がわたくしの髪に触れている時間は、美しいもの好きなわたくしにとって至福の時間。

巻き上げた髪を高級整髪剤で固めて、最後に甘い香りのする香水を馴染ませてくれる。
これでふんわりいい匂いのするご令嬢の出来上がりだ。

「今日も完璧です。お嬢様。」
「ふふ、毎日ありがとうねハコベラ。貴方のその綺麗な指も荒れさせない様にきちんとケアするのよ。」
「お心遣いありがとうございます。お嬢様を送りましたらすぐにでも。」

そう言ってわたくしの手を取って椅子から上がらせて扉へエスコートしてくれるハコベラ。
食堂へ向かうと明るい黄交じりの茶髪の青年がわたくしの席を示すように椅子を引いてくれた。

「おはようございます、お嬢。どうぞこちらへ」
「ええ、おはようセリ。ありがとう、今日は?」
「ムライのトーストを使ったホットサンドですよ。お嬢が今日はこれが良いと仰ってたから手配しておきました」

ニッコリと笑みを浮かべる甘い顔立ちのイケメン従者こと七草の一員、スケジュール管理等わたくしの日々を補佐する役目を担うセリ。
彼は良く気が利くし、大人も顔負けものに賢く善悪双方に知恵が回る。
オールマイティに仕事を熟せる器用貧乏さでわたくしの側仕えとなってしまった。
つまり緊急時にはセリを呼べ、という苦労人タイプだ。

「お嬢は今日の入学式が終わったら、稽古は休みで入学祝いパーティーの準備ですよ。ドレスとかの準備はできてるな?ナズナ」
「ばっちり~。お嬢様にお似合いの一着を用意してますわ」
「一品じゃ足りないからもう一着用意しといて。幾ら東鳳音主催とは言え馬鹿をやらかすご令嬢も少なくないだろ。念のために頼むぞ」
「分かりました」

そうはさせないために俺たちも頑張らにゃいかんのですけどね、と苦笑しながらもセリはナズナの返事に頷いた。

苦労を掛けるわね、主にセリには。なんと彼には更にわたくしと一緒に公立高校へ入学する業務も増えている。
故に今のセリの服装はこれから私が通う君春高校の制服だ。
ダークブルーのブレザーにグレーのパンツ、白いシャツと黒いネクタイを巻いている。従者の証なんだとか。

彼も私も15歳なので家の関係から同じクラスなんでしょうね。

ちなみにナズナとハコベラ以外はみんなわたくしと一緒に学校へ行ってくれるらしくって、ナズナが私もと言って情報操作をしようとした時は全力で説き伏せたのはいい思い出だ。
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