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紅蓮の章
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***
砂漠。黄金に輝く砂で覆われた広い大地。
その大地に突如現れるのは、俗に言うオアシス。照らす太陽の恵みを受け、逞しく繁る木々が囲う清らかな湖。一夜経てば、幻の様に消え去ってしまうその湖に、武装した数十人の団体が水を求めて足を踏み入れた。
「隊長、人が倒れています!恐らく、無神族かと思われます」
隊員の一人が、上司に大声で報告する。
隊長と呼ばれた男。腰付近まである緋色の髪を一つに結い、切れ長の意志の強そうな瞳は濃い紅色に輝く。身長は一九〇近くあるだろう。逞しい体躯は無駄な筋肉が一切無い。
隊の中で唯一甲冑を着用せず、腰に刀だけを佩いた軽装の男。名をトラスティル・アイル・シュウと言う。
「無神族だ?こんな〝死の砂漠〟に加護無しの奴が入れるか!」
トラスティルは不機嫌に頭を掻きながら言い放ち、隊員が 膝をつく無神族の傍に身を屈めた。
漆黒の髪をした青年。上半身は水に濡れ、下半身は未だ 湖に浸かっている。
青白い頬を軽く叩いて覚醒を促せば、小さな呻き声を上げて眉を寄せた青年がゆっくりと目を開く。
『ぅ…ん…?誰…』
髪同様、漆黒の瞳がトラスティルを捉える。紡がれた言葉は、聞いた事のない言葉。
自然とトラスティルの眉間に皺が寄った。
「お前、何者だ」
冷たく言い放てば、青年が額を押さえた。しばらくして、 再びこちらを向いたその瞳。
「金…?」
漆黒の目は、砂漠の砂よりも鮮やかな輝き。トラスティルはその見事なまでの金色に息を呑んだ。
「ダ、れ?」
「っ!?…話せる、のか…?」
「ゆっくリ…なラ…」
驚いた事に、青年は先程の聞いた事のない異国の言葉ではなく、自分たちと相違ない言葉を話した。
トラスティルの眉間には深い皺が刻み込まれ、何かを考えるように顎に手を添えて数秒。逸らしていた視線を、再び青年へと向けた。
「…お前、名は何と言う」
「名…?サラサ…更紗、龍馬…」
青年…龍馬は、キョロキョロと周りを確認して、目の前の緋色の男に問う。
「ぇ、と…此処は…日本…じゃないっすよネ?」
「ニホン?何処だ、それは。此処は精霊王が統治する『クレアート』。火神族と地神族の国境付近だぞ?」
「くれ、あーと?さらまんだ?のーむ?」
金の目が、キョトリと瞬いた。
「…そうか。お前は異世界から飛ばされたか…」
「い、せかい?」
「しかし異世界の者が、ほんの数秒で言葉を話せるとは…」
龍馬の問いは見事にスルーされた。トラスティルは、独り言のように何かしら呟いているが龍馬としてはそれ所ではない。
『異世界って何ぃ!?』
異国語もとい日本語で叫ぶと、またも意識が飛んで行った。
***
―パチパチ…パキン…
焚火が弾ける音で龍馬は目を覚ました。目覚めてもそこは自分の部屋ではない。
視界に入ったのは夜空に輝く美しい星々。時折、幾筋かの星屑が黒のキャンパスを滑り落ちていく。
簡易ベッドに寝かされているらしく、背中には微かな柔らかさを感じた。
「目、覚めたか?」
近くに居たトラスティルが、龍馬の身じろいだ気配を捉えて目を向ける事無く声を掛けた。
僅かに痛む頭。龍馬は額を押さえながら、トラスティルのへと視線を投げ掛け、気まずそうに頬を掻きながら小さく首を傾げた。
「え、あ、うん…。あー、とー…名前を聞いても…?」
「そう言えば、教えてなかったか。〈バルキュリア〉隊長、トラス ティル・アイル・シュウだ。トラスティルで良い」
「バルキュリア?」
龍馬は身を起こし、聞き慣れない単語に再度質問を投げ 掛ける。
「…本当に、異世界人なんだな。あー…イチから説明するぞ?」
「スイマセン…」
トラスティルは飲物の入った器を龍馬に手渡し、自分は酒の入った杯を豪快に呷った。
そうだな…。簡単な説明でいいか?この世界の名は何度も言うように『クレアート』と言う。
まず、この世界は五つの種族と様々な精霊で成り立っている。精霊は自然界の中で生きる奴等の事だ。姿を見る為には、いくつか条件があるんだが、まぁ、それはまた今度にでも。
さて、次に五つの種族の事だ。
その一。火神族と呼ばれる火の精霊の加護を受け、火を操る種族。特徴としては、髪とかが赤系統の色をしている。
その二。水神族と呼ばれる水の精霊の加護を受け、水を操る種族。大半が女だ。特徴は、青系統の髪や目。
その三。風神族と呼ばれる風の精霊の加護を受け、風を操る種族。こいつ等は、結構イイ性格している奴が多い。特徴は、緑系統の髪と目だな。
その四。地神族と呼ばれる大地の精霊の加護を受け、地に関連する鉱物とかを操る種族。こいつ等は、無駄に真面目な奴等だな。あと、術が強過ぎてあまり使用しないようにしているから、剣術とかに優れているな。特徴は、茶とか黒系統の暗い色。時折、明るい色を持つ奴も居る。
最後に無神族。火、水、風、地の四つの何処にも属さない種族。勿論、操れるものは何もない。先に教えた四つの種族は、皆、純血種だ。他の種の血が混じれば、それは全員、無神族になる。異世界から来た奴も、ココに入る。
四つの種族は『四大元素』と言い、それぞれ『王』を据えている。各種族同士は、基本的に不可侵だが…まぁ、小さな諍いは絶えないな。だが、『王』が居る事で、大きな争いは起こってない。
で、この世界を統治するのが『王』の中から選ばれる【精霊王】だ。世界の象徴とでも言っとくか。
無神族の『王』?んー…居ると言えば居るし…微妙な所だな。何でって…居る時と居ない時があるのさ。
無神族の『王』は、異世界から呼び出される。【精霊王の花嫁】が、無神族の『王』だ。王后と言われる尊きお方が、無神族帝王となられる。
だが、ここ数百年、【花嫁】は現れていないから無神族の『王』は存在していない。【花嫁候補】は五万と居るが…。
ま、この世界の常識はこんなもんか?あとは、各々の種族の領地で掟とかは変わってくるからな。
で、〈バルキュリア〉は、火神族帝王直属近衛隊の事だ。
そこまで話して、龍馬が静かな事にふと気が付く。
「…大丈夫か?」
話を中断し、龍馬の方を向けば黒髪の頭がぐったりと項垂れていた。
「大丈夫…だと思う…」
「…まぁ、追々覚えていけばいいさ。おら、寝ろ」
龍馬はトラスティルに頭を押さえ込まれ、再び簡易ベッドに倒れ込む。目を大きな手で覆われれば、自然と睡魔が押し 寄せて来た。
―スー…スー…
しばらくして、小さな寝息が立ち始める。トラスティルがそっと手を離せば、眉間に皺が寄ったままの龍馬の寝顔。
トラスティルはその寝顔を見ながら、溜息を吐き出し小さく呟いた。
「神龍の書第二章…『神龍の神子は』…いや、まさか、な…」
零れた言葉は燃え盛る火に焼かれ、誰にも届く事無く静かに消え去った…―。
***
瞼裏の眩しさに、自然と意識が浮上した。ふっと目が覚めた龍馬。緋色の髪が視界に入り、その髪を辿れば。
「っぎゃあぁあぁああ!」
「ッ…っるせーなぁ!」
隣に寝ていたのはトラスティル。龍馬の絶叫により目が覚めたので、若干不機嫌である。
トラスティルがのそりと身を起こせば、半裸。再び龍馬は 叫んだ。日本語で。
『有り得ねー!野郎と同じ布団だと!?』
「うるせーつってんだよ!何言ってんのかわかんねーよ!」
ガツン、と龍馬の頭に拳骨一発。
「んぎゃ!っ…痛い…」
「痛くなかったら、相当ヤバいな」
二人がギャーギャーと騒がしく口喧嘩をしていると、ザッと足音を立て、隊員がトラスティルに向かって敬礼する。
「隊長、お早う御座います!全隊員、出発の準備が整いました!」
「ん、おはようさん。そのまま待機」
「はっ」
きびきびとした動きで、隊員はその場を後にしたのだが、龍馬とトラスティルはのそのそと着替えながら、お互いお小言合戦を続けていた。
それから約三十分後。顔を洗った龍馬は、二頭居るトラスティルの愛馬の一頭を借り、その背に乗りながら昨夜の続きで勉強会を開いていた。
「えっと…赤系がサラマンダー、青系がウンディーネ、緑系がシルフで茶系がノーム。んで、俺みたいな特定の色が無い奴がアルケー…だよ、な?」
「ああ」
「でさ、〈バルキュリア〉って…何?」
黙。爽やかな龍馬の笑みとは裏腹に、トラスティルのこめかみには青筋が浮いており、その表情も心なしか引き攣っている。
「んな怒んなよ。仕方ないだろ?昨日、来たばっかなんだから…眠かったし…」
「…の割りに、随分馴染んでんな。言葉もペラッペラだ」
「…何でだろうな」
トラスティルから視線を外し、前を見据える龍馬の目は切な気に揺らめく。トラスティルは、しまった…と頭を掻きつつ、 昨夜の続きを話し始めた。
砂漠。黄金に輝く砂で覆われた広い大地。
その大地に突如現れるのは、俗に言うオアシス。照らす太陽の恵みを受け、逞しく繁る木々が囲う清らかな湖。一夜経てば、幻の様に消え去ってしまうその湖に、武装した数十人の団体が水を求めて足を踏み入れた。
「隊長、人が倒れています!恐らく、無神族かと思われます」
隊員の一人が、上司に大声で報告する。
隊長と呼ばれた男。腰付近まである緋色の髪を一つに結い、切れ長の意志の強そうな瞳は濃い紅色に輝く。身長は一九〇近くあるだろう。逞しい体躯は無駄な筋肉が一切無い。
隊の中で唯一甲冑を着用せず、腰に刀だけを佩いた軽装の男。名をトラスティル・アイル・シュウと言う。
「無神族だ?こんな〝死の砂漠〟に加護無しの奴が入れるか!」
トラスティルは不機嫌に頭を掻きながら言い放ち、隊員が 膝をつく無神族の傍に身を屈めた。
漆黒の髪をした青年。上半身は水に濡れ、下半身は未だ 湖に浸かっている。
青白い頬を軽く叩いて覚醒を促せば、小さな呻き声を上げて眉を寄せた青年がゆっくりと目を開く。
『ぅ…ん…?誰…』
髪同様、漆黒の瞳がトラスティルを捉える。紡がれた言葉は、聞いた事のない言葉。
自然とトラスティルの眉間に皺が寄った。
「お前、何者だ」
冷たく言い放てば、青年が額を押さえた。しばらくして、 再びこちらを向いたその瞳。
「金…?」
漆黒の目は、砂漠の砂よりも鮮やかな輝き。トラスティルはその見事なまでの金色に息を呑んだ。
「ダ、れ?」
「っ!?…話せる、のか…?」
「ゆっくリ…なラ…」
驚いた事に、青年は先程の聞いた事のない異国の言葉ではなく、自分たちと相違ない言葉を話した。
トラスティルの眉間には深い皺が刻み込まれ、何かを考えるように顎に手を添えて数秒。逸らしていた視線を、再び青年へと向けた。
「…お前、名は何と言う」
「名…?サラサ…更紗、龍馬…」
青年…龍馬は、キョロキョロと周りを確認して、目の前の緋色の男に問う。
「ぇ、と…此処は…日本…じゃないっすよネ?」
「ニホン?何処だ、それは。此処は精霊王が統治する『クレアート』。火神族と地神族の国境付近だぞ?」
「くれ、あーと?さらまんだ?のーむ?」
金の目が、キョトリと瞬いた。
「…そうか。お前は異世界から飛ばされたか…」
「い、せかい?」
「しかし異世界の者が、ほんの数秒で言葉を話せるとは…」
龍馬の問いは見事にスルーされた。トラスティルは、独り言のように何かしら呟いているが龍馬としてはそれ所ではない。
『異世界って何ぃ!?』
異国語もとい日本語で叫ぶと、またも意識が飛んで行った。
***
―パチパチ…パキン…
焚火が弾ける音で龍馬は目を覚ました。目覚めてもそこは自分の部屋ではない。
視界に入ったのは夜空に輝く美しい星々。時折、幾筋かの星屑が黒のキャンパスを滑り落ちていく。
簡易ベッドに寝かされているらしく、背中には微かな柔らかさを感じた。
「目、覚めたか?」
近くに居たトラスティルが、龍馬の身じろいだ気配を捉えて目を向ける事無く声を掛けた。
僅かに痛む頭。龍馬は額を押さえながら、トラスティルのへと視線を投げ掛け、気まずそうに頬を掻きながら小さく首を傾げた。
「え、あ、うん…。あー、とー…名前を聞いても…?」
「そう言えば、教えてなかったか。〈バルキュリア〉隊長、トラス ティル・アイル・シュウだ。トラスティルで良い」
「バルキュリア?」
龍馬は身を起こし、聞き慣れない単語に再度質問を投げ 掛ける。
「…本当に、異世界人なんだな。あー…イチから説明するぞ?」
「スイマセン…」
トラスティルは飲物の入った器を龍馬に手渡し、自分は酒の入った杯を豪快に呷った。
そうだな…。簡単な説明でいいか?この世界の名は何度も言うように『クレアート』と言う。
まず、この世界は五つの種族と様々な精霊で成り立っている。精霊は自然界の中で生きる奴等の事だ。姿を見る為には、いくつか条件があるんだが、まぁ、それはまた今度にでも。
さて、次に五つの種族の事だ。
その一。火神族と呼ばれる火の精霊の加護を受け、火を操る種族。特徴としては、髪とかが赤系統の色をしている。
その二。水神族と呼ばれる水の精霊の加護を受け、水を操る種族。大半が女だ。特徴は、青系統の髪や目。
その三。風神族と呼ばれる風の精霊の加護を受け、風を操る種族。こいつ等は、結構イイ性格している奴が多い。特徴は、緑系統の髪と目だな。
その四。地神族と呼ばれる大地の精霊の加護を受け、地に関連する鉱物とかを操る種族。こいつ等は、無駄に真面目な奴等だな。あと、術が強過ぎてあまり使用しないようにしているから、剣術とかに優れているな。特徴は、茶とか黒系統の暗い色。時折、明るい色を持つ奴も居る。
最後に無神族。火、水、風、地の四つの何処にも属さない種族。勿論、操れるものは何もない。先に教えた四つの種族は、皆、純血種だ。他の種の血が混じれば、それは全員、無神族になる。異世界から来た奴も、ココに入る。
四つの種族は『四大元素』と言い、それぞれ『王』を据えている。各種族同士は、基本的に不可侵だが…まぁ、小さな諍いは絶えないな。だが、『王』が居る事で、大きな争いは起こってない。
で、この世界を統治するのが『王』の中から選ばれる【精霊王】だ。世界の象徴とでも言っとくか。
無神族の『王』?んー…居ると言えば居るし…微妙な所だな。何でって…居る時と居ない時があるのさ。
無神族の『王』は、異世界から呼び出される。【精霊王の花嫁】が、無神族の『王』だ。王后と言われる尊きお方が、無神族帝王となられる。
だが、ここ数百年、【花嫁】は現れていないから無神族の『王』は存在していない。【花嫁候補】は五万と居るが…。
ま、この世界の常識はこんなもんか?あとは、各々の種族の領地で掟とかは変わってくるからな。
で、〈バルキュリア〉は、火神族帝王直属近衛隊の事だ。
そこまで話して、龍馬が静かな事にふと気が付く。
「…大丈夫か?」
話を中断し、龍馬の方を向けば黒髪の頭がぐったりと項垂れていた。
「大丈夫…だと思う…」
「…まぁ、追々覚えていけばいいさ。おら、寝ろ」
龍馬はトラスティルに頭を押さえ込まれ、再び簡易ベッドに倒れ込む。目を大きな手で覆われれば、自然と睡魔が押し 寄せて来た。
―スー…スー…
しばらくして、小さな寝息が立ち始める。トラスティルがそっと手を離せば、眉間に皺が寄ったままの龍馬の寝顔。
トラスティルはその寝顔を見ながら、溜息を吐き出し小さく呟いた。
「神龍の書第二章…『神龍の神子は』…いや、まさか、な…」
零れた言葉は燃え盛る火に焼かれ、誰にも届く事無く静かに消え去った…―。
***
瞼裏の眩しさに、自然と意識が浮上した。ふっと目が覚めた龍馬。緋色の髪が視界に入り、その髪を辿れば。
「っぎゃあぁあぁああ!」
「ッ…っるせーなぁ!」
隣に寝ていたのはトラスティル。龍馬の絶叫により目が覚めたので、若干不機嫌である。
トラスティルがのそりと身を起こせば、半裸。再び龍馬は 叫んだ。日本語で。
『有り得ねー!野郎と同じ布団だと!?』
「うるせーつってんだよ!何言ってんのかわかんねーよ!」
ガツン、と龍馬の頭に拳骨一発。
「んぎゃ!っ…痛い…」
「痛くなかったら、相当ヤバいな」
二人がギャーギャーと騒がしく口喧嘩をしていると、ザッと足音を立て、隊員がトラスティルに向かって敬礼する。
「隊長、お早う御座います!全隊員、出発の準備が整いました!」
「ん、おはようさん。そのまま待機」
「はっ」
きびきびとした動きで、隊員はその場を後にしたのだが、龍馬とトラスティルはのそのそと着替えながら、お互いお小言合戦を続けていた。
それから約三十分後。顔を洗った龍馬は、二頭居るトラスティルの愛馬の一頭を借り、その背に乗りながら昨夜の続きで勉強会を開いていた。
「えっと…赤系がサラマンダー、青系がウンディーネ、緑系がシルフで茶系がノーム。んで、俺みたいな特定の色が無い奴がアルケー…だよ、な?」
「ああ」
「でさ、〈バルキュリア〉って…何?」
黙。爽やかな龍馬の笑みとは裏腹に、トラスティルのこめかみには青筋が浮いており、その表情も心なしか引き攣っている。
「んな怒んなよ。仕方ないだろ?昨日、来たばっかなんだから…眠かったし…」
「…の割りに、随分馴染んでんな。言葉もペラッペラだ」
「…何でだろうな」
トラスティルから視線を外し、前を見据える龍馬の目は切な気に揺らめく。トラスティルは、しまった…と頭を掻きつつ、 昨夜の続きを話し始めた。
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────────────
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