守りたい、君のこと

SNOW❄️

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第18話「孤高の一撃」

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放課後の廊下は、
夕陽に赤く染まり、影が長く伸びていた。

ユズホは教室を出て、
いつものようにひとり歩いていた。
しかし、その平穏は一瞬で壊れた。

「おや、加西さん、今日も一人か?」
背後から低く挑発的な声。振り向くと、
レイと数名の男子たちが薄ら笑いを浮かべ、
ユズホを囲んでいる。田中、佐藤、山本
──昨日までの小さな嵐では終わらない、
挑発の嵐が彼女を襲った。

「……えっと……」
声が震え、足は自然とすくむ。
昨日の勇気は、今日の圧力の前で霞んでしまう。

「渡り廊下でユアトと仲良くしてたらしいじゃん。
フフッ、面白いじゃないか」
田中が嘲笑交じりに言うと、佐藤もくすくす笑い、
山本も口元を歪めてユズホを見つめる。

ユズホの心臓は早鐘のように打つ。
恐怖が全身を覆い、逃げ出したくなる。
しかし、背後から確かな足音が迫る。
「ユズホ、下がれ!」
その声に振り返ると、
ケンジが真剣な表情で前に立っていた。
普段の軽薄な笑みは消え、
真剣な瞳だけがそこにある。

「ケンジ……?」
ユズホの心は驚きと安堵で揺れる。
仲間を守るために、
自分のためにここまで来てくれたのだ。

ケンジはユアトとアオイに視線を向け、
小さく頷く。二人も無言で頷き、後ろに下がる。
ケンジの決意がはっきりと伝わる。

レイが挑発する。
「一人で立ち向かうのか?面白いじゃないか。
君だけで加西さんを守れると思ってるのか?」

ケンジの視線はぶれることなく、
低く、しかし力強く答えた。

「俺が守るのは加西さんだ。
お前らの挑発に怯えるような加西じゃない。
だが、加西を侮辱する奴には、絶対に負けない。」

その言葉は、ただの威嚇ではなく、
まるで名言のように響いた。

廊下の空気が一瞬凍りつく。

「俺はな、弱い者が
泣き寝入りする世界を許さない。
加西を傷つける奴は、
この俺が黙って見てはいられないんだ!」
普段はふざけてばかりの彼の声に熱がこもり、
まるで教科書の一節のように強い意志を感じさせる。

ユズホは胸が熱くなり、
恐怖よりも感動が勝った。
「……ありがとう…ケンジくん……」
言葉は小さくても、心の底から湧き上がる感謝は確かだった。

レイは舌打ちをし、口元に薄い笑みを浮かべる。
「まだ終わったわけじゃない……次は覚えておけよ」
挑発は去り際に残る。しかし、
男子たちも次第に退き、
昨日までのような勢いはなくなった。

ユズホはケンジの隣で深く息をつく。
「本当に……ありがとう」

「当たり前だろ。
俺はユズホを守るためにここにいるんだ」

ケンジは照れくさそうに笑うが、
その背中からは揺るぎない強さが伝わってくる。

ユアトは少し離れた位置から見守り、
ケンジの勇気に静かに頷く。

アオイもケンジの背中に小さく微笑み、
三人の絆がさらに深まったことを確認する。

夕陽に照らされた廊下。
ユズホは心の中でつぶやく。
「私、絶対に負けない……。
仲間と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる」

その瞬間、ユズホの胸には新しい決意が芽生えた。
恐怖はまだ残るが、信頼できる仲間たちがいる。
どんな嵐が来ても、もう一人ではない。
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