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魔剣争奪戦編
幕間 聖女の行方
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どーも皆さん。
シャルル・フローラルです。
わ、わたしのこと、覚えてますか?
第82話で気絶したっきり登場してなかったわたしですが……
「――…………ここは……?」
目が覚めたとき、何故かそこは医務室でした。
どういうことか理解りますか?
はい。
わたし、どうやら強制転移させられたみたいです。
「…………な、なにがあったの~~~ぉ!?」
今回は、わたしに何が起きたのかを説明しようと思います。
***
最初は、私の記憶を辿っていきましょう。
確かわたしは、マリア様の傷をスキルで回復させました。
そうしたら、目の前にいたオオカミさん――ではなく魔王アンブレラ様が、獣人から三つの首を持つ恐ろしいオオカミに変身したのです……
………………
……あ、そうだ!
アンブレラ様は性格が突然に別人のように変わってしまったのでした!
で、言われたのが確か――
『アノ女、美味ソウダネェエ……サッサト食ッチマオウゼッ!』
『まずは、うでから噛みくだいてー、それからあしを貪ってー! ――ひめいをきいてから殺さないと!』
…………そ、そうです。
今思い出してもゾッとすることを言われたのでした……ッ!
その後の記憶は思い出せません。ということは、わたしはそこで気絶してしまったのでしょう。
一体何があったのか知りませんと……!
――ドタドタドタ……!
(……誰かの足音?)
聞こえてすぐ、わたしがいた部屋のドアが勢いよく開けられました。
驚いてビクッとなってしまいましたが、その人物はドラムスさんです。
「起きたか……ちょうど良かった!」
そう言ったドラムスさんは、わたしを他の医務室に連れていきました。
といっても隣の部屋だったので大した距離じゃないのですが――
「――えーーぇ!?」
その光景を見てビックリ。
同じ冒険者のランさん。そして使い魔であり恋人の魔王ジード様。
そのお二人が、今にも息絶えそうなほど危険な状態で横になっていました。
更に向かいにはアキラさんと魔王クロス様。
クロス様は足に火傷と胸に刺し傷が。
アキラさんはもっと酷く、右手から肩までがバッサリ切断されておりました。
……全員重症じゃないですか!?
「す、すぐに治療します~~ぅ!!!」
わたしはケガの重い順にアキラさん→ランさん→ジード様→クロス様と回復させました。
スキルを全開で使用し、20分後には何とか一命をとりとめることに成功。
その10分後には、4人とも意識が戻りました。
本当に良かったです!
***
「いや~助かったッス」
「ありがとう。助かったよ」
ランさんとジード様はすっかり良くなり、目を覚めるや否やわたしにお礼をしました。
元気になって本当に良かった!
……のですが、他の二人はと言うと……
「………………」
「ヒッヒッヒ……マリア~♡」
アキラさんは無言で仰向けのまま呆然と。
クロス様は何か夢でも見てるのでございましょうか? 控えめに言って気持ちが悪いです。
まぁクロス様は放っておいてもいいとして、問題はアキラさんです。
ケガは治療したので、外傷は関係ないと思われます。
なので、何かショックなことがあり、内側からやられてしまったのかも……。
(わたしに務まるかわかりませんが、カウンセリングをしてみるのもいいかもしれませんね!)
グッと拳を握り、意欲を燃やしていた時、もう一人の患者さん――という名の脱落者が転移されてきました。
しかもそれは、わたしの使い魔であるエリスだったのです!
「え、エリス大丈夫!?」
横腹を深く抉られている様子。
こちらも予断を許さない状態ですが、わたしにとってはこれくらいの傷は朝飯前。
これでもわたし、Sランクのヒーラーですから!
「……――っっん」
「エリス……大丈夫?」
「……あれ? シャルルったら何でここに……――あっ、そうか」
エリスはわたしを見て何かを思い出した表情をする。
もしかして、わたしがここにいる理由について心当たりが!?
エリスの傷は大丈夫そうですし、このまま何があったか訊いちゃいましょう!
***
エリスの話によると、わたしが気絶した後、木陰に移動させたのだとか。
そうしたらば、戦闘中にいったん身を潜めたエリスたちに、アンブレラ様は周りの気を根こそぎ吹き飛ばしたと。
で、エリスたちは激しい戦闘中だったのもあってか、わたしのことをすっかり失念。
わたしは、そのままアンブレラ様の息吹に巻き込まれ強制転移になったようです。
「……うへ~~ぇん! 全然役に立てなかったよ~~ぉ!」
余りの情けなさに泣きだすわたし。
そんなわたしを、エリスは黙って頭を撫でて慰めてくれた。
「あ~大丈夫、大丈夫よ。どっちみち、あたしらじゃ生き残れなかったし、遅かれ早かれよ」
「う゛~ぅ……でぼ~~ぉ……」
「ほら、見なさいシャルル」
エリスが指さす方向には、現在の戦闘が映し出された魔方陣が設置されています。
ドラムスさんが気を利かせてくれたようで、使い魔を中継して映しているのだそう。
便利だな~と感心したのも束の間、そこには今まさに戦闘中の皆さんが。
怠惰の魔剣を振るうタロー様と、暴食の魔剣を振るうアリスちゃん。
青い炎に身を包んだマリア様と、三つの首を持つアンブレラ様
そして、レオンさんとアルバート様のコンビに立ち向かう、ムサシさん。
三者三様の攻防が繰り広げられ、映像越しからでもその激しさが伝わってくる。
「わ、わたしが居たら死んでたかも……」
「そ。だから遅かれ早かれ転移したほうが安全なのよ」
どうやら、今回はエリスの言うことが正しいようです。
マリア様に会った時に、もう一度謝ろうと決め、わたしはそこで戦いを見届けることにした。
冒険者シャルル・フローラル 脱落
シャルル・フローラルです。
わ、わたしのこと、覚えてますか?
第82話で気絶したっきり登場してなかったわたしですが……
「――…………ここは……?」
目が覚めたとき、何故かそこは医務室でした。
どういうことか理解りますか?
はい。
わたし、どうやら強制転移させられたみたいです。
「…………な、なにがあったの~~~ぉ!?」
今回は、わたしに何が起きたのかを説明しようと思います。
***
最初は、私の記憶を辿っていきましょう。
確かわたしは、マリア様の傷をスキルで回復させました。
そうしたら、目の前にいたオオカミさん――ではなく魔王アンブレラ様が、獣人から三つの首を持つ恐ろしいオオカミに変身したのです……
………………
……あ、そうだ!
アンブレラ様は性格が突然に別人のように変わってしまったのでした!
で、言われたのが確か――
『アノ女、美味ソウダネェエ……サッサト食ッチマオウゼッ!』
『まずは、うでから噛みくだいてー、それからあしを貪ってー! ――ひめいをきいてから殺さないと!』
…………そ、そうです。
今思い出してもゾッとすることを言われたのでした……ッ!
その後の記憶は思い出せません。ということは、わたしはそこで気絶してしまったのでしょう。
一体何があったのか知りませんと……!
――ドタドタドタ……!
(……誰かの足音?)
聞こえてすぐ、わたしがいた部屋のドアが勢いよく開けられました。
驚いてビクッとなってしまいましたが、その人物はドラムスさんです。
「起きたか……ちょうど良かった!」
そう言ったドラムスさんは、わたしを他の医務室に連れていきました。
といっても隣の部屋だったので大した距離じゃないのですが――
「――えーーぇ!?」
その光景を見てビックリ。
同じ冒険者のランさん。そして使い魔であり恋人の魔王ジード様。
そのお二人が、今にも息絶えそうなほど危険な状態で横になっていました。
更に向かいにはアキラさんと魔王クロス様。
クロス様は足に火傷と胸に刺し傷が。
アキラさんはもっと酷く、右手から肩までがバッサリ切断されておりました。
……全員重症じゃないですか!?
「す、すぐに治療します~~ぅ!!!」
わたしはケガの重い順にアキラさん→ランさん→ジード様→クロス様と回復させました。
スキルを全開で使用し、20分後には何とか一命をとりとめることに成功。
その10分後には、4人とも意識が戻りました。
本当に良かったです!
***
「いや~助かったッス」
「ありがとう。助かったよ」
ランさんとジード様はすっかり良くなり、目を覚めるや否やわたしにお礼をしました。
元気になって本当に良かった!
……のですが、他の二人はと言うと……
「………………」
「ヒッヒッヒ……マリア~♡」
アキラさんは無言で仰向けのまま呆然と。
クロス様は何か夢でも見てるのでございましょうか? 控えめに言って気持ちが悪いです。
まぁクロス様は放っておいてもいいとして、問題はアキラさんです。
ケガは治療したので、外傷は関係ないと思われます。
なので、何かショックなことがあり、内側からやられてしまったのかも……。
(わたしに務まるかわかりませんが、カウンセリングをしてみるのもいいかもしれませんね!)
グッと拳を握り、意欲を燃やしていた時、もう一人の患者さん――という名の脱落者が転移されてきました。
しかもそれは、わたしの使い魔であるエリスだったのです!
「え、エリス大丈夫!?」
横腹を深く抉られている様子。
こちらも予断を許さない状態ですが、わたしにとってはこれくらいの傷は朝飯前。
これでもわたし、Sランクのヒーラーですから!
「……――っっん」
「エリス……大丈夫?」
「……あれ? シャルルったら何でここに……――あっ、そうか」
エリスはわたしを見て何かを思い出した表情をする。
もしかして、わたしがここにいる理由について心当たりが!?
エリスの傷は大丈夫そうですし、このまま何があったか訊いちゃいましょう!
***
エリスの話によると、わたしが気絶した後、木陰に移動させたのだとか。
そうしたらば、戦闘中にいったん身を潜めたエリスたちに、アンブレラ様は周りの気を根こそぎ吹き飛ばしたと。
で、エリスたちは激しい戦闘中だったのもあってか、わたしのことをすっかり失念。
わたしは、そのままアンブレラ様の息吹に巻き込まれ強制転移になったようです。
「……うへ~~ぇん! 全然役に立てなかったよ~~ぉ!」
余りの情けなさに泣きだすわたし。
そんなわたしを、エリスは黙って頭を撫でて慰めてくれた。
「あ~大丈夫、大丈夫よ。どっちみち、あたしらじゃ生き残れなかったし、遅かれ早かれよ」
「う゛~ぅ……でぼ~~ぉ……」
「ほら、見なさいシャルル」
エリスが指さす方向には、現在の戦闘が映し出された魔方陣が設置されています。
ドラムスさんが気を利かせてくれたようで、使い魔を中継して映しているのだそう。
便利だな~と感心したのも束の間、そこには今まさに戦闘中の皆さんが。
怠惰の魔剣を振るうタロー様と、暴食の魔剣を振るうアリスちゃん。
青い炎に身を包んだマリア様と、三つの首を持つアンブレラ様
そして、レオンさんとアルバート様のコンビに立ち向かう、ムサシさん。
三者三様の攻防が繰り広げられ、映像越しからでもその激しさが伝わってくる。
「わ、わたしが居たら死んでたかも……」
「そ。だから遅かれ早かれ転移したほうが安全なのよ」
どうやら、今回はエリスの言うことが正しいようです。
マリア様に会った時に、もう一度謝ろうと決め、わたしはそこで戦いを見届けることにした。
冒険者シャルル・フローラル 脱落
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