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2 事故調査
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早都は保険調査員だ。
上司から「最初は簡単な業務からやってもらう」と言われ、初っ端から妊婦さんが追突してしまった事故をやらされ、どう考えても十割なのに調査のために現場を見たり、警察で資料をもらったり、本人たちの話を聞いたりさせられた。おかまを掘ってしまった側の妊婦さんの精神的ダメージが強く、精神的にまいってしまっていて、「私は十割でいいって思ってるんですけど、保険会社が……」と言っていて、色んなしがらみの中でこれから仕事をしていくのかと思ったらはじめから嫌になってしまっていた。
その時点でやめればよかったのだが、やめるの一言が言えないで、延々何度もやめてやると心で思うだけで、何年も過ごしてしまった。
新卒の頃のフレッシュさは二年も仕事をしていると薄れて、自分では「年取ったなー」と思うことが増えてきた。
まず、あまり動じなくなった。
保険調査員なんてものをやっていると、おかしな事故なんてザラで──というか、おかしなところがあるから調査を依頼されるわけで──仕事だと割り切りながらも早都も「やべーな」と思うことはある。
事故った奴が「俺は悪くない!」と延々言い張ってる中、とにかく客観的事実を保険会社に提出するなんてこともザラで、心が死んでいくのを見て見ぬふりして顔色を変えないことを覚えて、日々仕事をこなしていた。
恨まれることも多く、道端で調査相手に偶然会って罵倒されたこともある。だが、それでも、こちらが狼狽えなければ相手はどうすることもできないのだということも悟った。
それは、そんな中のただの不注意による一件の事故のはずだった。
事故の原因は運転手のハンドル操作ミス。
二人は新婚旅行に行く途中だった。
車に乗った二人は死亡の事故だった。
車の保険会社はそのまま事故として承認したのだが、生命保険が問題で、運転席の男の生命保険も、助手席に同乗した女の生命保険も、助手席の女の弟が受取人だった。
入籍後すぐに運転席の男の生命保険が助手席の女の弟に変更されていた。
結婚相手の唯一の肉親で、「受取人を変更する」という契約者本人の強い希望だったからか、すんなり受取人変更が通っていた。
その一ヶ月後に二人がこの事故に遭わなければ、生命保険の受取人が誰でも問題なかったはずだった。
その事故のドライブレコーダーは事故の直前から異様な空気だった。ドラレコでの二人が言い争っている内容は、ギャン泣きする赤ちゃんの声で聞き取りにくかったが、女の弟のことだった。
「いいじゃない、まだグジグジ言ってるの?」
「だって君はそれでいいのかい?」
「だから、私がいいって言ってるんじゃないの。三人で暮らしましょうよ」
「僕は! 僕は克実くんが好きだって……言ったじゃないか。君はちょっと、疲れてるんだと思う。あんなこと……克実くんは君のたった一人の弟なのに……」
「よりによって私のたった一人の弟に心変わりした人に言われたくないわね」
「……すまない。だから謝ったし、結婚はやめようって言ったじゃないか。それを……あんな……」
「ね、だから三人で暮らしましょうよ。結婚をやめて、このお腹の中の子のことをみんなに話してもいいのよ」
「やめてくれ……」
車は特に異常もなく、道路を走っている。
赤ちゃんの泣き声だけが異常なほど響いている。そのせいで、エンジン音の異常などは全くわからない。
ふと、左に車が寄る。ウインカーは作動していないように思われる。
赤ちゃんの泣き声以外は聞こえない。
寄りすぎだ、と思った次の瞬間にはドンッとガードレールにぶつかり、勢いのままそこを乗り越えていた。
映像がブラックアウトした後に微かに聞こえる「アイニイクカラネ」は誰の声だかわからなかった。
「んー、どう考えても『会いに行くからね』だよなあ」
何度目かになるドラレコの映像を見ながら、早都はつぶやいた。痴情のもつれによってわざとハンドルを切ったとも思われなくもない。
「赤ちゃんの泣き声……これ、何でこんなに泣いてるのに二人は気にしないんだ?」
赤ちゃんの泣き声は、無視できないほどうるさかったが、車には赤ちゃんが乗っていたという事故報告はなかった。
警察にも確認したが、乗り込む時にも二人だけだったということもあり、付近の捜索でも何もそれらしいものは見つからなかったと言われ、早都の中でこの案件はヤバイという勘のようなものだけがビリビリとしていた。そして、解剖結果で女は妊娠していたことがわかった。持ち物に産婦人科の診察券もあった。
要するに、赤ちゃんはまだ産まれていないはずなのだ。
「この、弟に会わなきゃいけないのか……」
姉の彼氏を本気にさせた魔性の男みたいなものを想像した。
会いたいと連絡を入れたところ、葬儀だなんだでバイトを休んでしまい、もう休めないので夜の十時以降か朝八時前しか無理だと言われてしまって、朝が弱かった早都は夜の十時半にアポを取った。
この春から大学に入り、ひとり暮らしを始めたというそのアパートは古く、だがしっかりしていた。ドアチャイムは押しても音が鳴らなかったので、控えめにノックすると、中からガチャンと音がして、それから静かになった後、そっとドアが開かれた。
「今、何か壊れるような音が……大丈夫でした?」
早都が聞くと青ざめた顔で「カップを落としてしまって。すみません、どうぞ」と言われた。
早都が見たところの林克実は、姉を亡くしたばかりのただの真面目そうな大学一年生でしかなかった。ゆるくパーマのかかった明るい髪も今どきの私服も似合っていない。早都は克実を失礼のない程度に観察して、自分の上京したての頃を思い出した。いわゆる大学デビューのようだ。
頬の肉が落ちているということもなく、ただ、顔色は良くなかった。結婚式翌日のまさかの事故からの葬儀で慌ただしかったのだろう。
「こんばんは。電話でも話したと思うけど、今キミのお姉さんの事故を保険会社から依頼されて調べているこういうものです」
早都が渡した名刺を、しげしげと克実は見た。
「保険会社の方からもお話があって、調査員の方に入ってもらうと言われました。大きな事故の場合は大体そうすることになっているって言われました。今回はよろしくお願いします」
対応にも変わったところはないが、たまにドアの方をチラチラ見ているのが気になった。
「まずは、運転手の阿津森晋也さんのことからお伺いしたいんですが……」
早都が言うと、克実は少し目を見開いた。その後、早都の名刺に一度目を落として、不自然に前髪をなでつけた。
「俺のわかる範囲ででしたら……」
困ったように克実が座卓に目を落とす。
「あ、お茶、入れますね」
ハッとしたように克実が席を立った時、コツコツコツとアパートの階段を昇る音が聞こえた。
途端に克実が青ざめ、震えだした。
「大丈夫か……」
「シッ……静かにしてください」
震える克実を心配して声をかけようとした早都の口を震える手で克実はおさえた。
(足音を警戒しているということは、借金でもあるのか? こんな夜遅くに回収業者なら真っ当な借金じゃない……)
黙って様子をうかがった早都をよそに、どんどん顔色が青ざめた克実は早都の口をおさえる力が強くなる。
早都は両手でその手を外し、手の震えを止めるように手を握った。
その瞬間、トン、トン、と控えめなノックが聞こえた。
克実はそれを聞くと早都が握っていた手を解いて早都の腕を掴んだ。
「静かに……返事をしてはダメです」
早都の耳もとで克実が囁く。
『……アケテ……』
その声は、ドラレコに入っていた声だった。
耳鳴りのように赤ちゃんの泣き声がした。
(ヤバイ……ヤバイ……)
全身が総毛立つ。早都は克実を見た。克実は口を引き結んで、目をつぶっていた。時が過ぎるのを待っているようだった。早都は、壁の時計を見た。10時38分……39分……時計の針が42分になる頃、赤ちゃんの泣き声は静かになり、妙な気配は去って行った。
妙な気配がなくなってしばらくは、ふたりとも静かに固まっていた。
「何だったんだ?」
すると、克実は眉尻を下げて、話し始めた。
「最初は、葬儀が一通り終わった後、阿津森の家で、晋也さんの部屋に泊まった時からでした」
上司から「最初は簡単な業務からやってもらう」と言われ、初っ端から妊婦さんが追突してしまった事故をやらされ、どう考えても十割なのに調査のために現場を見たり、警察で資料をもらったり、本人たちの話を聞いたりさせられた。おかまを掘ってしまった側の妊婦さんの精神的ダメージが強く、精神的にまいってしまっていて、「私は十割でいいって思ってるんですけど、保険会社が……」と言っていて、色んなしがらみの中でこれから仕事をしていくのかと思ったらはじめから嫌になってしまっていた。
その時点でやめればよかったのだが、やめるの一言が言えないで、延々何度もやめてやると心で思うだけで、何年も過ごしてしまった。
新卒の頃のフレッシュさは二年も仕事をしていると薄れて、自分では「年取ったなー」と思うことが増えてきた。
まず、あまり動じなくなった。
保険調査員なんてものをやっていると、おかしな事故なんてザラで──というか、おかしなところがあるから調査を依頼されるわけで──仕事だと割り切りながらも早都も「やべーな」と思うことはある。
事故った奴が「俺は悪くない!」と延々言い張ってる中、とにかく客観的事実を保険会社に提出するなんてこともザラで、心が死んでいくのを見て見ぬふりして顔色を変えないことを覚えて、日々仕事をこなしていた。
恨まれることも多く、道端で調査相手に偶然会って罵倒されたこともある。だが、それでも、こちらが狼狽えなければ相手はどうすることもできないのだということも悟った。
それは、そんな中のただの不注意による一件の事故のはずだった。
事故の原因は運転手のハンドル操作ミス。
二人は新婚旅行に行く途中だった。
車に乗った二人は死亡の事故だった。
車の保険会社はそのまま事故として承認したのだが、生命保険が問題で、運転席の男の生命保険も、助手席に同乗した女の生命保険も、助手席の女の弟が受取人だった。
入籍後すぐに運転席の男の生命保険が助手席の女の弟に変更されていた。
結婚相手の唯一の肉親で、「受取人を変更する」という契約者本人の強い希望だったからか、すんなり受取人変更が通っていた。
その一ヶ月後に二人がこの事故に遭わなければ、生命保険の受取人が誰でも問題なかったはずだった。
その事故のドライブレコーダーは事故の直前から異様な空気だった。ドラレコでの二人が言い争っている内容は、ギャン泣きする赤ちゃんの声で聞き取りにくかったが、女の弟のことだった。
「いいじゃない、まだグジグジ言ってるの?」
「だって君はそれでいいのかい?」
「だから、私がいいって言ってるんじゃないの。三人で暮らしましょうよ」
「僕は! 僕は克実くんが好きだって……言ったじゃないか。君はちょっと、疲れてるんだと思う。あんなこと……克実くんは君のたった一人の弟なのに……」
「よりによって私のたった一人の弟に心変わりした人に言われたくないわね」
「……すまない。だから謝ったし、結婚はやめようって言ったじゃないか。それを……あんな……」
「ね、だから三人で暮らしましょうよ。結婚をやめて、このお腹の中の子のことをみんなに話してもいいのよ」
「やめてくれ……」
車は特に異常もなく、道路を走っている。
赤ちゃんの泣き声だけが異常なほど響いている。そのせいで、エンジン音の異常などは全くわからない。
ふと、左に車が寄る。ウインカーは作動していないように思われる。
赤ちゃんの泣き声以外は聞こえない。
寄りすぎだ、と思った次の瞬間にはドンッとガードレールにぶつかり、勢いのままそこを乗り越えていた。
映像がブラックアウトした後に微かに聞こえる「アイニイクカラネ」は誰の声だかわからなかった。
「んー、どう考えても『会いに行くからね』だよなあ」
何度目かになるドラレコの映像を見ながら、早都はつぶやいた。痴情のもつれによってわざとハンドルを切ったとも思われなくもない。
「赤ちゃんの泣き声……これ、何でこんなに泣いてるのに二人は気にしないんだ?」
赤ちゃんの泣き声は、無視できないほどうるさかったが、車には赤ちゃんが乗っていたという事故報告はなかった。
警察にも確認したが、乗り込む時にも二人だけだったということもあり、付近の捜索でも何もそれらしいものは見つからなかったと言われ、早都の中でこの案件はヤバイという勘のようなものだけがビリビリとしていた。そして、解剖結果で女は妊娠していたことがわかった。持ち物に産婦人科の診察券もあった。
要するに、赤ちゃんはまだ産まれていないはずなのだ。
「この、弟に会わなきゃいけないのか……」
姉の彼氏を本気にさせた魔性の男みたいなものを想像した。
会いたいと連絡を入れたところ、葬儀だなんだでバイトを休んでしまい、もう休めないので夜の十時以降か朝八時前しか無理だと言われてしまって、朝が弱かった早都は夜の十時半にアポを取った。
この春から大学に入り、ひとり暮らしを始めたというそのアパートは古く、だがしっかりしていた。ドアチャイムは押しても音が鳴らなかったので、控えめにノックすると、中からガチャンと音がして、それから静かになった後、そっとドアが開かれた。
「今、何か壊れるような音が……大丈夫でした?」
早都が聞くと青ざめた顔で「カップを落としてしまって。すみません、どうぞ」と言われた。
早都が見たところの林克実は、姉を亡くしたばかりのただの真面目そうな大学一年生でしかなかった。ゆるくパーマのかかった明るい髪も今どきの私服も似合っていない。早都は克実を失礼のない程度に観察して、自分の上京したての頃を思い出した。いわゆる大学デビューのようだ。
頬の肉が落ちているということもなく、ただ、顔色は良くなかった。結婚式翌日のまさかの事故からの葬儀で慌ただしかったのだろう。
「こんばんは。電話でも話したと思うけど、今キミのお姉さんの事故を保険会社から依頼されて調べているこういうものです」
早都が渡した名刺を、しげしげと克実は見た。
「保険会社の方からもお話があって、調査員の方に入ってもらうと言われました。大きな事故の場合は大体そうすることになっているって言われました。今回はよろしくお願いします」
対応にも変わったところはないが、たまにドアの方をチラチラ見ているのが気になった。
「まずは、運転手の阿津森晋也さんのことからお伺いしたいんですが……」
早都が言うと、克実は少し目を見開いた。その後、早都の名刺に一度目を落として、不自然に前髪をなでつけた。
「俺のわかる範囲ででしたら……」
困ったように克実が座卓に目を落とす。
「あ、お茶、入れますね」
ハッとしたように克実が席を立った時、コツコツコツとアパートの階段を昇る音が聞こえた。
途端に克実が青ざめ、震えだした。
「大丈夫か……」
「シッ……静かにしてください」
震える克実を心配して声をかけようとした早都の口を震える手で克実はおさえた。
(足音を警戒しているということは、借金でもあるのか? こんな夜遅くに回収業者なら真っ当な借金じゃない……)
黙って様子をうかがった早都をよそに、どんどん顔色が青ざめた克実は早都の口をおさえる力が強くなる。
早都は両手でその手を外し、手の震えを止めるように手を握った。
その瞬間、トン、トン、と控えめなノックが聞こえた。
克実はそれを聞くと早都が握っていた手を解いて早都の腕を掴んだ。
「静かに……返事をしてはダメです」
早都の耳もとで克実が囁く。
『……アケテ……』
その声は、ドラレコに入っていた声だった。
耳鳴りのように赤ちゃんの泣き声がした。
(ヤバイ……ヤバイ……)
全身が総毛立つ。早都は克実を見た。克実は口を引き結んで、目をつぶっていた。時が過ぎるのを待っているようだった。早都は、壁の時計を見た。10時38分……39分……時計の針が42分になる頃、赤ちゃんの泣き声は静かになり、妙な気配は去って行った。
妙な気配がなくなってしばらくは、ふたりとも静かに固まっていた。
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