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オカルトボーイ 寺島 たくと
第5話 オレンジクリーム
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窓から見えない席に座っただけでなく、キョロキョロと周囲へと注意を配ってるそれは、まぎれもなく寺島たくとが今話してくれたことが本当に起こってしまったことなのだと告げる。
みつけた みつけた 次は逃がさないかっ……。
葉山のじいさんもオカルトボーイの様子をみて彼の話が本当に真実で彼が本当に怯えきっていることがわかったのだろう。
さっといつもの席を立つと、窓のブラインドを日よけなど必要のない時間に店がまだしまらないのに下げ出す。
でも、私もそれを黙認する。
「しのぶちゃん、オレンジクリーム2つ。アイスクリームはハーゲン乗せてやって、一つは私にもう一つは本物を引き当てた彼にね」
「かしこまりました」
カウンターに置いてあるオレンジを半分に切って絞る。本物というのは、たとえ所詮ジュースであっても、果汁100%と混ぜ物が入ったものでは味が全然違うし。
飲めば、100%と2%ではどちらが100%のオレンジジュースか大抵の人間は当てることができる。
どちらも、果汁の比率が98%も違ってもどちらもオレンジジュースで間違いはない、100%は100%の2%は2%なりのおいしさがあるのだ。
そう、それは噂話も同じ。
偽物や噂の域を出ないものは確かに面白い、でも本物というのは同じ面白いでも勝負するステージが違うのだ。
手間は大事である。
絞った後は口当たりを良くするために、きちんと綺麗な付近でしぼりかすがジュースに混ざらないようにろ過し。果汁が薄まったりしないように氷に塩をいれたボールにさらにステンレスのボールを重ねて、ステンレスボールに絞ったオレンジジュースをそそぐ。
科学の力で、後はオレンジジュースは冷蔵庫で冷やすよりも急激に冷えてくれるというわけだ。
ジュースをグラスにいれると、仕上げにハーゲンダッツをアイスデッシャーで丸くしててっぺんに乗せる。
これが寺島たくと念願のオレンジクリーム ハーゲン乗せである。
「おまちどうさまです」
まずは、葉山のおじさんの前に。
もう一つを、寺島たくとの前に置く。
「よく冷えてるね今日のオレンジジュースは氷は入っていないのに」
葉山のじいさんがそう言う。
「えぇ、だって今日は特別なオレンジクリームですから手間が違います」
身の毛もよだつ怖い話には、冷たいものを飲むともっともっと怖さに震えると思うのは私だけだろうか。
不安そうな顔をしている寺島たくとは、ちっともおいしくなさそうな顔でオレンジクリームを飲み始めた。
葉山のじいさんはジュースを飲み終わると、会計をテーブルに置く。
「よし、今日はじいさんが送って行くぞ。それでしのぶちゃん次はあると思う?」
葉山のじいさんが私のほうに振り返り興味ありげな顔でそう言う。
「みつけた みつけた 次は逃がさないですからね」
寺島たくとが言われた言葉を復唱する。
「やめてよ姉ちゃん。本当に怖かったんだって」
「ごめんなさいね。つい」
口元を隠して笑ってみるけれど、今日の寺島たくとは本当に怖かったようだ。
「普段全くふざけないのに、こういう時だけふざけないで!」
だからまじめな声で続きを話す。
「少なくとも幽霊の目撃者は他にいて、いつ目撃されたかはわからないけれど。今日も幽霊は幽霊屋敷にいた。そして何かを探している。寺島たくと君には悪いけれど……幽霊事件は終わってない。目的をもって今日もその場にいた可能性が高い。次はあると思うわ」
それを聞いてオカルトボーイは絶望がふさわしい表情になった。普段あれだけ嬉々として怖い話を持ってきていたというのに、実際に本物に触れるとこうなってしまうのは仕方がないのだろうけれど。
怪異は始まった、全然関係がなさそうだった話が一つにつながるという形で。
以前寺島たくとから聞いた、オレンジクリームを出すに値しない話し『もしもしおばさん』へとつながって。
その電話の変化が起きたのはちょうど、寺島たくとが幽霊を目撃し逃げ出した日からであった。
不審な電話は大人がいるから、君は赤色の自転車持っている? に変わったのだ。
言うまでもない、寺島たくとの自転車は赤色だったのだ。
みつけた みつけた 次は逃がさないかっ……。
葉山のじいさんもオカルトボーイの様子をみて彼の話が本当に真実で彼が本当に怯えきっていることがわかったのだろう。
さっといつもの席を立つと、窓のブラインドを日よけなど必要のない時間に店がまだしまらないのに下げ出す。
でも、私もそれを黙認する。
「しのぶちゃん、オレンジクリーム2つ。アイスクリームはハーゲン乗せてやって、一つは私にもう一つは本物を引き当てた彼にね」
「かしこまりました」
カウンターに置いてあるオレンジを半分に切って絞る。本物というのは、たとえ所詮ジュースであっても、果汁100%と混ぜ物が入ったものでは味が全然違うし。
飲めば、100%と2%ではどちらが100%のオレンジジュースか大抵の人間は当てることができる。
どちらも、果汁の比率が98%も違ってもどちらもオレンジジュースで間違いはない、100%は100%の2%は2%なりのおいしさがあるのだ。
そう、それは噂話も同じ。
偽物や噂の域を出ないものは確かに面白い、でも本物というのは同じ面白いでも勝負するステージが違うのだ。
手間は大事である。
絞った後は口当たりを良くするために、きちんと綺麗な付近でしぼりかすがジュースに混ざらないようにろ過し。果汁が薄まったりしないように氷に塩をいれたボールにさらにステンレスのボールを重ねて、ステンレスボールに絞ったオレンジジュースをそそぐ。
科学の力で、後はオレンジジュースは冷蔵庫で冷やすよりも急激に冷えてくれるというわけだ。
ジュースをグラスにいれると、仕上げにハーゲンダッツをアイスデッシャーで丸くしててっぺんに乗せる。
これが寺島たくと念願のオレンジクリーム ハーゲン乗せである。
「おまちどうさまです」
まずは、葉山のおじさんの前に。
もう一つを、寺島たくとの前に置く。
「よく冷えてるね今日のオレンジジュースは氷は入っていないのに」
葉山のじいさんがそう言う。
「えぇ、だって今日は特別なオレンジクリームですから手間が違います」
身の毛もよだつ怖い話には、冷たいものを飲むともっともっと怖さに震えると思うのは私だけだろうか。
不安そうな顔をしている寺島たくとは、ちっともおいしくなさそうな顔でオレンジクリームを飲み始めた。
葉山のじいさんはジュースを飲み終わると、会計をテーブルに置く。
「よし、今日はじいさんが送って行くぞ。それでしのぶちゃん次はあると思う?」
葉山のじいさんが私のほうに振り返り興味ありげな顔でそう言う。
「みつけた みつけた 次は逃がさないですからね」
寺島たくとが言われた言葉を復唱する。
「やめてよ姉ちゃん。本当に怖かったんだって」
「ごめんなさいね。つい」
口元を隠して笑ってみるけれど、今日の寺島たくとは本当に怖かったようだ。
「普段全くふざけないのに、こういう時だけふざけないで!」
だからまじめな声で続きを話す。
「少なくとも幽霊の目撃者は他にいて、いつ目撃されたかはわからないけれど。今日も幽霊は幽霊屋敷にいた。そして何かを探している。寺島たくと君には悪いけれど……幽霊事件は終わってない。目的をもって今日もその場にいた可能性が高い。次はあると思うわ」
それを聞いてオカルトボーイは絶望がふさわしい表情になった。普段あれだけ嬉々として怖い話を持ってきていたというのに、実際に本物に触れるとこうなってしまうのは仕方がないのだろうけれど。
怪異は始まった、全然関係がなさそうだった話が一つにつながるという形で。
以前寺島たくとから聞いた、オレンジクリームを出すに値しない話し『もしもしおばさん』へとつながって。
その電話の変化が起きたのはちょうど、寺島たくとが幽霊を目撃し逃げ出した日からであった。
不審な電話は大人がいるから、君は赤色の自転車持っている? に変わったのだ。
言うまでもない、寺島たくとの自転車は赤色だったのだ。
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