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番外編
過ぎ去りし日のこと~1
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お待たせしました! レジーナブックスより、書籍化を記念して、4話完結、番外編です!
◇
「さあ、ついたよ。これが湖畔地方の私の館だ」
ジョルジュが機嫌よさげに、ジュリアに向って微笑む。新婚旅行のついでの夏の初め、ジョルジュに連れられ、ジュリアは彼の領地の一つである湖畔地方にある屋敷に到着したばかりだ。
「お帰りなさいまし。旦那様、奥様」
使用人達が総出で二人を出迎えるために、大きなエントランスの前にずらっと並んでいる。
ジョルジュは幾つかの城を所有しているが、今、ジュリアが到着したばかりの場所は、白岩石で作られた趣のある建物だった。右手には、礼拝堂があるが、母屋は、入り口には二本の大きな石柱があり、それを支えている三角形の屋根が前にぐっと突きだしている。その下には、広い階段があり、大きな門扉へと続いていた。
沢山の従者たちが、全員、結婚したばかりの領主様の奥様を一目見たくて、今か今かと首を長くして待っていたようだ。
「お疲れにございましょう?」
今日は、天気がよかったため、二人は馬で先にやってきたのだった。荷物と馬車は後で到着する手はずになっている。ジョルジュはひらりと馬からおりると、別の馬の上のジュリアにそっと手を差し出した。純白の絹の手袋に包まれた彼の大きな手の平の上に、ジュリアはそっと自分の手を重ねれば、彼が優雅な仕草でジュリアを馬から降ろした。
そんな様子を見ただけで、使用人達は、主がいかに奥様を愛おしく思っているかを、察することが出来た。目に入れても痛くないほど、ご領主様がずっと若い奥様を溺愛されていると言う噂は本当のようだ。
結婚してから、まだそれほど日が経っておらず、二人は夫婦、と言うより、恋人同士のようだと従者達は思った。陰鬱で気むずかしいと言われていたガルバーニ公爵がこんなにも上機嫌で、口元にはうっすらと笑みさえ浮かんでいる。仲むつまじく微笑ましい様子に、使用人達は、これで公爵家は安泰だとほっと安堵のため息をつくのだった。
「疲れただろう。お茶をすぐに用意させよう」
ジョルジュが上機嫌で、サロンに座り、執事がお茶を準備してくれている間、ジュリアは、ソファーに長旅の後の安堵のため息と共に身を沈める。
ジョルジュとどの領地に行っても同じように別の使用人がいるのだが、どの場所でも同じように丁寧で行き届いた世話をしてもらうことが出来る。人件費がもったいないだろうと思うのだが、ジョルジュ曰く、使用人全員で出かけると逆にそっちのほうがコストがかかると言うことだ。
ジュリアの目にも触れない下働きや、ガーデナー、料理人などもいるのだ。貴族の生活は色々と便利なようで不便だなと思う所も、ジュリアにはあった。旅行に出たければ、宿屋に予約を取り、気楽に移動、と言う訳もいかない。貴族の暮らしは居心地がいい反面、平民の頃には思いがけない不便さもある。
執事が淹れてくれた香り高い熱いお茶を啜りながら、お菓子を砕いて口にする。初夏の頃は底冷えがするので、それがとてもありがたい。
そんな風に、ジュリアが熱心にお茶を啜っていて、ふと視線を感じれば、テーブルの向こう側に座っているジョルジュが、上品な口元に微笑みを浮かべながら、熱心に自分を見つめているのがわかった。
「何をそんなに一生懸命にご覧になられているのですか?」
不思議に思ったジュリアが尋ねれば、予想以上の甘ったるい返事が返ってくる。
「お茶を美味しそうに飲んでいる私の奥様の姿を楽しんでいる所だよ」
「まあ!」
まだ結婚して日が浅いのだが、今だに、彼のこういう所が恥ずかしいとジュリアは思う。頬を赤くさせて恥じらうジュリアを、彼はさらに楽しんでいるようだ。
くっくっと喉の奥で笑いながら、ジュリアを見つめるジョルジュの瞳は優しい。
「君がオレンジの入ったケーキが好きだと言うこともわかったしね」
図星である。ジュリアは最近、オレンジの香りの練り込んである焼き菓子にはまっているのだ。口にこそ出したことはないが、ジョルジュはちゃんと知っているのだ。
このオレンジのケーキを手配したのは、マーカスか、夫のジョルジュか、どちらだろう?
二杯目のお茶を飲みながら、ジュリアは、赤い顔で、ジョルジュを見つめた。そういえば、夕べもジョルジュと沢山愛し合った。新婚旅行っていうのは、そういうことのためにあるのかもしれない。こんなに毎日、たっぷりと愛し合っていたら、子供が出来る日もそう遠くないかもしれない。
結婚してから、まだ日は浅いけれども、本当にこの人と結婚してよかったと、ジュリアは本気でそう思う。熱心で優しくて。そして、誰よりも思いやりのある彼。自分は世界一幸福な娘なのだと思さえ思える。こんな風に、お茶を飲む、口元に微笑みを浮かべながら、自分を熱心な様子で眺めてくれる彼が目の前にればなおさらのことだ。
そんな風に、二人でお茶を楽しんでいる最中のことだ。コンコンとドアを控えめに叩く音が聞こえる。
「入れ」
ジョルジュが鷹揚に許可を出せば、おずおずと顔を出したのは、執事のマーカスだった。
「ジョルジュ様・・・・お客様がお見えです」
ジョルジュの眉がうっすらと不機嫌そうに顰められた。
「今日は、来客の予定がないはずだが?」
「はい。お約束のないお客様ですが・・・」
マーカスの歯切れがいつになく悪い。こういう場合は、歓迎されない客であることが多い。
「今日は帰ってもらえ。必要なら、約束を取り付けてから来るように言ってくれ」
ジョルジュが少しめんどくさそうに言えば、マーカスは普通なら、すぐに引き下がるのであるが、何か言いたそうに、扉の前でグズグズしている。
「・・・・その・・・どうしてもジョルジュ様にお会いになられたいそうで・・・」
「誰だ? その客は名乗りはしたのか?」
「はい・・・」
ブラック執事らしからぬ様子で、マーカスは、扉の前で決まり悪そうにグズグズしていた。
「わかった。今すぐ行く」
業を煮やしたジョルジュが即決し、お茶をテーブルの上に置いて立ち上がった。何にせよ、すぐに話をつければ済むことだ。
「すぐ戻ってくる」
彼はジュリアの頬に軽く口付けをすれば、マーカスを連れて、部屋を後にした。
「・・・・?」
ジュリアはキョトンとして、彼の背中を目で追ったが、すぐに戻ってくるだろうと思って、またテーブルの上の自分のカップに手を伸ばした。
舌が焼けそうなくらい熱いコクのあるお茶を、ふうふう言いながら、一口飲み、またお菓子に手を伸ばした。窓からは、ピンク色のつるバラが溢れんばかりに咲き乱れ、零れ落ちそうになっていたのを、ジュリアは無邪気な顔でぼんやりと眺めた。
◇
「ジョルジュ・・・お久しぶりね」
部屋の中では、金髪の美しい夫人が彼を待ちわびていた。
「貴方の馬車が街道を走るが見えたから、わたくし、いても立ってもいられなくて、こちらに伺いましたのよ」
美しく肉感的な夫人は彼を見て立ち上がりながら、彼の名をファーストネームで呼んだ。それが意味を成す所はあからさま過ぎるほどだ。
妖艶な貴婦人はジョルジュより随分年上だったが、時の神の洗礼を受けない幸運な人間も希にいる。神様は、この夫人の時を止めてしまったかのように、彼女の容姿は、15年前とほとんど変わっていない。
こんな風に柔らかくて美しい声をジョルジュは生涯忘れることはないだろう。最後に、この夫人の艶やかな甘い声を聞いたのは一体どのくらい前の話だったか。
「ドメーヌ夫人・・・私が貴女に会うことはもう二度とないと思ってましたが」
顔色を滅多に表さないはずのジョルジュにしては珍しく、彼の顔には明らかに不機嫌な様子が浮かんでいたのだが、夫人は、そんなことを全く気にとめている様子もない様子だ。夫人は美しい顔立ちに茶目っ気たっぷりに口を開いた。
「ご結婚されたとお伺いしましたわ。なんでも若い奥様をとても溺愛されていると伺いましてよ?」
茶目っ気を込めて、からかうように言う美女に、ジョルジュは静かに形式的な声で言った。
「私たちの間はとっくの昔に終わったことだと思っていたのだがね」
丁寧だが、親密さを感じさせないような距離のある音色を聞いて、夫人は誘惑するかのように媚びた音色を声にこめた。
「・・・私と貴方のこと、私は忘れていなくってよ。ジョルジュ」
夫人は、口元にとても魅力的な笑みを浮かべ、何かの確信に満ちた瞳でジョルジュをじっと見つめた。
◇
「さあ、ついたよ。これが湖畔地方の私の館だ」
ジョルジュが機嫌よさげに、ジュリアに向って微笑む。新婚旅行のついでの夏の初め、ジョルジュに連れられ、ジュリアは彼の領地の一つである湖畔地方にある屋敷に到着したばかりだ。
「お帰りなさいまし。旦那様、奥様」
使用人達が総出で二人を出迎えるために、大きなエントランスの前にずらっと並んでいる。
ジョルジュは幾つかの城を所有しているが、今、ジュリアが到着したばかりの場所は、白岩石で作られた趣のある建物だった。右手には、礼拝堂があるが、母屋は、入り口には二本の大きな石柱があり、それを支えている三角形の屋根が前にぐっと突きだしている。その下には、広い階段があり、大きな門扉へと続いていた。
沢山の従者たちが、全員、結婚したばかりの領主様の奥様を一目見たくて、今か今かと首を長くして待っていたようだ。
「お疲れにございましょう?」
今日は、天気がよかったため、二人は馬で先にやってきたのだった。荷物と馬車は後で到着する手はずになっている。ジョルジュはひらりと馬からおりると、別の馬の上のジュリアにそっと手を差し出した。純白の絹の手袋に包まれた彼の大きな手の平の上に、ジュリアはそっと自分の手を重ねれば、彼が優雅な仕草でジュリアを馬から降ろした。
そんな様子を見ただけで、使用人達は、主がいかに奥様を愛おしく思っているかを、察することが出来た。目に入れても痛くないほど、ご領主様がずっと若い奥様を溺愛されていると言う噂は本当のようだ。
結婚してから、まだそれほど日が経っておらず、二人は夫婦、と言うより、恋人同士のようだと従者達は思った。陰鬱で気むずかしいと言われていたガルバーニ公爵がこんなにも上機嫌で、口元にはうっすらと笑みさえ浮かんでいる。仲むつまじく微笑ましい様子に、使用人達は、これで公爵家は安泰だとほっと安堵のため息をつくのだった。
「疲れただろう。お茶をすぐに用意させよう」
ジョルジュが上機嫌で、サロンに座り、執事がお茶を準備してくれている間、ジュリアは、ソファーに長旅の後の安堵のため息と共に身を沈める。
ジョルジュとどの領地に行っても同じように別の使用人がいるのだが、どの場所でも同じように丁寧で行き届いた世話をしてもらうことが出来る。人件費がもったいないだろうと思うのだが、ジョルジュ曰く、使用人全員で出かけると逆にそっちのほうがコストがかかると言うことだ。
ジュリアの目にも触れない下働きや、ガーデナー、料理人などもいるのだ。貴族の生活は色々と便利なようで不便だなと思う所も、ジュリアにはあった。旅行に出たければ、宿屋に予約を取り、気楽に移動、と言う訳もいかない。貴族の暮らしは居心地がいい反面、平民の頃には思いがけない不便さもある。
執事が淹れてくれた香り高い熱いお茶を啜りながら、お菓子を砕いて口にする。初夏の頃は底冷えがするので、それがとてもありがたい。
そんな風に、ジュリアが熱心にお茶を啜っていて、ふと視線を感じれば、テーブルの向こう側に座っているジョルジュが、上品な口元に微笑みを浮かべながら、熱心に自分を見つめているのがわかった。
「何をそんなに一生懸命にご覧になられているのですか?」
不思議に思ったジュリアが尋ねれば、予想以上の甘ったるい返事が返ってくる。
「お茶を美味しそうに飲んでいる私の奥様の姿を楽しんでいる所だよ」
「まあ!」
まだ結婚して日が浅いのだが、今だに、彼のこういう所が恥ずかしいとジュリアは思う。頬を赤くさせて恥じらうジュリアを、彼はさらに楽しんでいるようだ。
くっくっと喉の奥で笑いながら、ジュリアを見つめるジョルジュの瞳は優しい。
「君がオレンジの入ったケーキが好きだと言うこともわかったしね」
図星である。ジュリアは最近、オレンジの香りの練り込んである焼き菓子にはまっているのだ。口にこそ出したことはないが、ジョルジュはちゃんと知っているのだ。
このオレンジのケーキを手配したのは、マーカスか、夫のジョルジュか、どちらだろう?
二杯目のお茶を飲みながら、ジュリアは、赤い顔で、ジョルジュを見つめた。そういえば、夕べもジョルジュと沢山愛し合った。新婚旅行っていうのは、そういうことのためにあるのかもしれない。こんなに毎日、たっぷりと愛し合っていたら、子供が出来る日もそう遠くないかもしれない。
結婚してから、まだ日は浅いけれども、本当にこの人と結婚してよかったと、ジュリアは本気でそう思う。熱心で優しくて。そして、誰よりも思いやりのある彼。自分は世界一幸福な娘なのだと思さえ思える。こんな風に、お茶を飲む、口元に微笑みを浮かべながら、自分を熱心な様子で眺めてくれる彼が目の前にればなおさらのことだ。
そんな風に、二人でお茶を楽しんでいる最中のことだ。コンコンとドアを控えめに叩く音が聞こえる。
「入れ」
ジョルジュが鷹揚に許可を出せば、おずおずと顔を出したのは、執事のマーカスだった。
「ジョルジュ様・・・・お客様がお見えです」
ジョルジュの眉がうっすらと不機嫌そうに顰められた。
「今日は、来客の予定がないはずだが?」
「はい。お約束のないお客様ですが・・・」
マーカスの歯切れがいつになく悪い。こういう場合は、歓迎されない客であることが多い。
「今日は帰ってもらえ。必要なら、約束を取り付けてから来るように言ってくれ」
ジョルジュが少しめんどくさそうに言えば、マーカスは普通なら、すぐに引き下がるのであるが、何か言いたそうに、扉の前でグズグズしている。
「・・・・その・・・どうしてもジョルジュ様にお会いになられたいそうで・・・」
「誰だ? その客は名乗りはしたのか?」
「はい・・・」
ブラック執事らしからぬ様子で、マーカスは、扉の前で決まり悪そうにグズグズしていた。
「わかった。今すぐ行く」
業を煮やしたジョルジュが即決し、お茶をテーブルの上に置いて立ち上がった。何にせよ、すぐに話をつければ済むことだ。
「すぐ戻ってくる」
彼はジュリアの頬に軽く口付けをすれば、マーカスを連れて、部屋を後にした。
「・・・・?」
ジュリアはキョトンとして、彼の背中を目で追ったが、すぐに戻ってくるだろうと思って、またテーブルの上の自分のカップに手を伸ばした。
舌が焼けそうなくらい熱いコクのあるお茶を、ふうふう言いながら、一口飲み、またお菓子に手を伸ばした。窓からは、ピンク色のつるバラが溢れんばかりに咲き乱れ、零れ落ちそうになっていたのを、ジュリアは無邪気な顔でぼんやりと眺めた。
◇
「ジョルジュ・・・お久しぶりね」
部屋の中では、金髪の美しい夫人が彼を待ちわびていた。
「貴方の馬車が街道を走るが見えたから、わたくし、いても立ってもいられなくて、こちらに伺いましたのよ」
美しく肉感的な夫人は彼を見て立ち上がりながら、彼の名をファーストネームで呼んだ。それが意味を成す所はあからさま過ぎるほどだ。
妖艶な貴婦人はジョルジュより随分年上だったが、時の神の洗礼を受けない幸運な人間も希にいる。神様は、この夫人の時を止めてしまったかのように、彼女の容姿は、15年前とほとんど変わっていない。
こんな風に柔らかくて美しい声をジョルジュは生涯忘れることはないだろう。最後に、この夫人の艶やかな甘い声を聞いたのは一体どのくらい前の話だったか。
「ドメーヌ夫人・・・私が貴女に会うことはもう二度とないと思ってましたが」
顔色を滅多に表さないはずのジョルジュにしては珍しく、彼の顔には明らかに不機嫌な様子が浮かんでいたのだが、夫人は、そんなことを全く気にとめている様子もない様子だ。夫人は美しい顔立ちに茶目っ気たっぷりに口を開いた。
「ご結婚されたとお伺いしましたわ。なんでも若い奥様をとても溺愛されていると伺いましてよ?」
茶目っ気を込めて、からかうように言う美女に、ジョルジュは静かに形式的な声で言った。
「私たちの間はとっくの昔に終わったことだと思っていたのだがね」
丁寧だが、親密さを感じさせないような距離のある音色を聞いて、夫人は誘惑するかのように媚びた音色を声にこめた。
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