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入学二日目
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入学式の翌日、登校するとすでにアルミ嬢は教室にいた。昨日のことを思い出して、にやけてしまった。
アルミ嬢に睨まれた。
「お早うございます、アルミ様」
気にせずに挨拶をした。
ぷぃッと顔をそらされた。
「……おはよう、トーノ、いつの間に王女様と仲良くなったの?」
ちょっとオトハの機嫌が悪い。
「お、おはよう、オトハ、仲良くはなってないよ」
あわてて返事をすると
「ふ~ん、まぁ別にいいけど」
そう言ってオトハは授業の予習を始めた。
◇
突然だが、ここで俺について語ろう。
俺は転生者である。前世では平凡な男であった。
現代日本の一般家庭に産まれ、真面目に学校に通い、大学を卒業後、そこそこの企業に入社して3年ほど働いて、交通事故であっけなく死んだ。
そして、目が覚めたらこの世界に転生していたのだ。
そう、転移ではなく転生である。つまりはこの世界にも両親が存在する。
自分が転生したことに気づいたとき、俺の胸を占めていた思いは2つ。
1つは魔法等の現代日本にはなかったファンタジーにときめく想い。
もう1つは、申し訳ない気持ちである。
愛する人と結ばれて子を成したとして、その赤子の中身におっさんがいたらどう感じるだろう?
俺だったら気持ち悪いと感じる。
この世界での両親は優しかった。
だからこそ、申し訳なさは消えなかった。
俺が転生者であることは墓場まで持っていこうと思った。
偽りだらけの俺が両親に対して出来ることはなんだろう?と考えたとき、せめて自慢の息子であろうと思ったのだ。
そこで考えたのは魔導騎士になることであった。
魔導騎士というのはエリートである。その多くが平民よりも魔力の多い貴族からなる。そんな魔導騎士の中にも平民から成り上がった者たちがいる。平民出の魔導騎士は民衆のヒーローである。
そんな魔導騎士に息子がなれば両親も鼻が高いと思ったのだ。それに給料もいいから仕送りもできる。
それが俺の恩返しである。
平民が魔導騎士になるには2つの方法がある。
1つは冒険者として成功して、貴族との繋がりをもち、貴族から推薦を受けること
もう1つは王立魔導騎士養成学園をよい成績で卒業することである。
冒険者というのは、その強さも人格もピンキリだ。
ざっくり言うと14才以上であれば誰でもなれるのだ。
冒険者にはランクがあり、上からS,A,B,C,D,E,Fである。
貴族から推薦を得ることのできるレベルとなると最高ランクのSランクか次点のAランクである。
昇格には強さと実績と素行の評価できまる。そのため下位ランクの冒険者はルーキーかチンピラである。
そしてなにより危険である。多少腕っぷしが強くて魔法があったとしても14才の子供がいきなり怪物と闘い生き残れるのだろうか?
訓練と実践は違う。冒険者として成功できるのはほんの一握りである。
ならば、魔導騎士養成学園はどうか?この国1番の教育機関であり、平民が入学するだけでも大変なことである。しかし、俺は転生者だ、入試を突破するのは容易かった。
そしてなにより、課外実習で歴戦の魔導騎士の監督のもと、実際に怪物どもと闘えるのだ。冒険者と比べて安全に強くなっていける。
よって俺は、学園に行く事に決めた。
ーーー俺には夢がある。
魔導騎士になること?いやこれは自身に科した義務であって、夢というわけではない。
まぁ、義務なんて言ってはいるものの前世では平凡だった俺がエリートだなんて心踊るものがある。わりかし苦ではなかった。
夢だ、夢の話である。
せっかくの異世界なのだ!壮大な夢を見よう!
俺の夢、それは……
ハーレムを築いて退廃的に暮らすことである!
◇
と自分に科した義務と壮大な夢を胸に刻みなおしていると、1限目が終了していた。今日の1限は数学だったのだ、前世で学んだことであり、退屈だったのだ。ついつい思考を飛ばしてしまってもしかたない。
そんなこんなで2限からは真面目に授業を聞いて昼休みになった。
オトハと共に学園の食堂へ向かう。定食なら無料で食べれるのだ!さすが王立!
オトハと授業内容について話をしながら焼き肉定食に舌鼓をうっていると、視線を感じた。
そちらに目線を向けるとアルミ嬢と目があったので微笑んでみた。
またぷぃッと顔を背けられてしまった。
諦めない、俺はもう一度彼女の足を舐めてみせる!と決意を新たに午後の授業を受けて2日目は終了した。
アルミ嬢に睨まれた。
「お早うございます、アルミ様」
気にせずに挨拶をした。
ぷぃッと顔をそらされた。
「……おはよう、トーノ、いつの間に王女様と仲良くなったの?」
ちょっとオトハの機嫌が悪い。
「お、おはよう、オトハ、仲良くはなってないよ」
あわてて返事をすると
「ふ~ん、まぁ別にいいけど」
そう言ってオトハは授業の予習を始めた。
◇
突然だが、ここで俺について語ろう。
俺は転生者である。前世では平凡な男であった。
現代日本の一般家庭に産まれ、真面目に学校に通い、大学を卒業後、そこそこの企業に入社して3年ほど働いて、交通事故であっけなく死んだ。
そして、目が覚めたらこの世界に転生していたのだ。
そう、転移ではなく転生である。つまりはこの世界にも両親が存在する。
自分が転生したことに気づいたとき、俺の胸を占めていた思いは2つ。
1つは魔法等の現代日本にはなかったファンタジーにときめく想い。
もう1つは、申し訳ない気持ちである。
愛する人と結ばれて子を成したとして、その赤子の中身におっさんがいたらどう感じるだろう?
俺だったら気持ち悪いと感じる。
この世界での両親は優しかった。
だからこそ、申し訳なさは消えなかった。
俺が転生者であることは墓場まで持っていこうと思った。
偽りだらけの俺が両親に対して出来ることはなんだろう?と考えたとき、せめて自慢の息子であろうと思ったのだ。
そこで考えたのは魔導騎士になることであった。
魔導騎士というのはエリートである。その多くが平民よりも魔力の多い貴族からなる。そんな魔導騎士の中にも平民から成り上がった者たちがいる。平民出の魔導騎士は民衆のヒーローである。
そんな魔導騎士に息子がなれば両親も鼻が高いと思ったのだ。それに給料もいいから仕送りもできる。
それが俺の恩返しである。
平民が魔導騎士になるには2つの方法がある。
1つは冒険者として成功して、貴族との繋がりをもち、貴族から推薦を受けること
もう1つは王立魔導騎士養成学園をよい成績で卒業することである。
冒険者というのは、その強さも人格もピンキリだ。
ざっくり言うと14才以上であれば誰でもなれるのだ。
冒険者にはランクがあり、上からS,A,B,C,D,E,Fである。
貴族から推薦を得ることのできるレベルとなると最高ランクのSランクか次点のAランクである。
昇格には強さと実績と素行の評価できまる。そのため下位ランクの冒険者はルーキーかチンピラである。
そしてなにより危険である。多少腕っぷしが強くて魔法があったとしても14才の子供がいきなり怪物と闘い生き残れるのだろうか?
訓練と実践は違う。冒険者として成功できるのはほんの一握りである。
ならば、魔導騎士養成学園はどうか?この国1番の教育機関であり、平民が入学するだけでも大変なことである。しかし、俺は転生者だ、入試を突破するのは容易かった。
そしてなにより、課外実習で歴戦の魔導騎士の監督のもと、実際に怪物どもと闘えるのだ。冒険者と比べて安全に強くなっていける。
よって俺は、学園に行く事に決めた。
ーーー俺には夢がある。
魔導騎士になること?いやこれは自身に科した義務であって、夢というわけではない。
まぁ、義務なんて言ってはいるものの前世では平凡だった俺がエリートだなんて心踊るものがある。わりかし苦ではなかった。
夢だ、夢の話である。
せっかくの異世界なのだ!壮大な夢を見よう!
俺の夢、それは……
ハーレムを築いて退廃的に暮らすことである!
◇
と自分に科した義務と壮大な夢を胸に刻みなおしていると、1限目が終了していた。今日の1限は数学だったのだ、前世で学んだことであり、退屈だったのだ。ついつい思考を飛ばしてしまってもしかたない。
そんなこんなで2限からは真面目に授業を聞いて昼休みになった。
オトハと共に学園の食堂へ向かう。定食なら無料で食べれるのだ!さすが王立!
オトハと授業内容について話をしながら焼き肉定食に舌鼓をうっていると、視線を感じた。
そちらに目線を向けるとアルミ嬢と目があったので微笑んでみた。
またぷぃッと顔を背けられてしまった。
諦めない、俺はもう一度彼女の足を舐めてみせる!と決意を新たに午後の授業を受けて2日目は終了した。
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