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桜色の髪の王女①
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入学式から10日が経過した。俺は10日間毎日、アルミ嬢に笑顔で挨拶をしていた。まあ、毎度顔を背けられていたのだが。
前世で頻繁に顔を会わせると親しみを感じるようになると聞いたことがあった。
アルミ嬢の好感度を稼ぐため、彼女と目が会うたびに微笑みかけていたのだ。
彼女と目を会わせるためによく彼女を見ていたのだが、気がついたことがある。アルミ嬢はよく髪の毛を弄っていた。よく自分の髪に触れるということは自信のなさの現れである。
しかし、アルミ嬢は王女である。成績もよく美人でもある。地位も名誉も美貌さえも兼ね備えているのに自信がないなんてことがあるのだろうか?
ここに、アルミ嬢攻略の糸口がある気がした。
◇
その日の放課後、俺はアルミ嬢に呼び出されていた。
茜指す教室には俺とアルミ嬢の二人のみ、おそらく王女の権力を使い人払いをしたのだろう、近くに他の人の気配は感じられなかった。
「トーノ=マガネ!貴方、私をからかっているのですね!?毎日毎日私を見て笑って!」
凛と立ち、低い位置で腕組をしてこちらをキッと睨み付けて彼女が言った。
「そんなことありません!お、俺はただアルミ様と仲良くなりたいのです!」
「仲良くなりたい?あ、貴方も姉を紹介してほしいのですか!?」
「姉君とはなんのことでしょう?」
何故に姉が出てきたのだろう?そういえばアルミ嬢は第二王女である。つまり第一王女、姉がいるのだ。
「とぼけないで!わかっています!貴方も姉様とお近づきになりたいのでしょう?彼女たちと同じよ」
彼女たち? アルミ嬢の取り巻きの貴族たちのことか?
「皆そうよ、口では私を称賛しながらも二言目にはお姉さまによろしくっていうのよ!」
―そうか、姉がアルミ嬢に自信がない原因か
「違います!俺は姉君でなくアルミ様、貴女と親しくなりたいのです!」
「そんなことあり得ません!姉様は私とは違い綺麗で頭もよくて強さも兼ね備えていて、将来の魔導騎士団の団長候補でもあるのですよ!」
あまりにも優秀すぎる姉と比べられてきたコンプレックスなのか、ならば俺はここで彼女に何を言うべきか。彼女は何を望んでいる?彼女自信の魅力を伝えよう。彼女が自分を卑下する余裕がなくなるくらい誉め続けよう。
「アルミ様、貴女は綺麗です!初めて壇上で挨拶をする貴方をお見かけした時、みとれました!こんなに美しい人がこの世にいるのだろうか、女神の化身ではないのかとまで思いました!頭だっていいではありませんか!俺も精一杯勉強したからわかります、貴方がどれ程努力したのかを!」
「……そんなこと
彼女が何かを言おうとしたが言わせない。
俺は一歩踏み込み、彼女の手を握る。
そして彼女の瞳を真っ直ぐ見つめて、言葉を重ねる。
「それに貴女は良い臭いもする、俺はあの日、貴女の足を舐めたことを忘れられない!叶うならばもう一度舐めたいのです!」
「ふぇッ!」
熱くなりすぎて何か変なことを口走ったかもしれない。
それでも真っ直ぐ彼女を見つめづづけた。
「わ、わかりました、そ、そこまでいうなら許可します、ど、どうぞ」
彼女は言った。
ん?どうぞとは?
言葉の意味が理解できず固まっていると
「わ、私の足を舐めれるのですよ、光栄に思いなさい」
!?
「は、はやくなさい」
夕陽に照らされたのではないだろう、そう言った彼女の頬は赤くなっていた。
「で、では、失礼します」
俺はそういうと彼女の前に跪づき、その足の甲に唇をおとした。
それはさながら姫に忠誠を誓う騎士のようであった。
前世で頻繁に顔を会わせると親しみを感じるようになると聞いたことがあった。
アルミ嬢の好感度を稼ぐため、彼女と目が会うたびに微笑みかけていたのだ。
彼女と目を会わせるためによく彼女を見ていたのだが、気がついたことがある。アルミ嬢はよく髪の毛を弄っていた。よく自分の髪に触れるということは自信のなさの現れである。
しかし、アルミ嬢は王女である。成績もよく美人でもある。地位も名誉も美貌さえも兼ね備えているのに自信がないなんてことがあるのだろうか?
ここに、アルミ嬢攻略の糸口がある気がした。
◇
その日の放課後、俺はアルミ嬢に呼び出されていた。
茜指す教室には俺とアルミ嬢の二人のみ、おそらく王女の権力を使い人払いをしたのだろう、近くに他の人の気配は感じられなかった。
「トーノ=マガネ!貴方、私をからかっているのですね!?毎日毎日私を見て笑って!」
凛と立ち、低い位置で腕組をしてこちらをキッと睨み付けて彼女が言った。
「そんなことありません!お、俺はただアルミ様と仲良くなりたいのです!」
「仲良くなりたい?あ、貴方も姉を紹介してほしいのですか!?」
「姉君とはなんのことでしょう?」
何故に姉が出てきたのだろう?そういえばアルミ嬢は第二王女である。つまり第一王女、姉がいるのだ。
「とぼけないで!わかっています!貴方も姉様とお近づきになりたいのでしょう?彼女たちと同じよ」
彼女たち? アルミ嬢の取り巻きの貴族たちのことか?
「皆そうよ、口では私を称賛しながらも二言目にはお姉さまによろしくっていうのよ!」
―そうか、姉がアルミ嬢に自信がない原因か
「違います!俺は姉君でなくアルミ様、貴女と親しくなりたいのです!」
「そんなことあり得ません!姉様は私とは違い綺麗で頭もよくて強さも兼ね備えていて、将来の魔導騎士団の団長候補でもあるのですよ!」
あまりにも優秀すぎる姉と比べられてきたコンプレックスなのか、ならば俺はここで彼女に何を言うべきか。彼女は何を望んでいる?彼女自信の魅力を伝えよう。彼女が自分を卑下する余裕がなくなるくらい誉め続けよう。
「アルミ様、貴女は綺麗です!初めて壇上で挨拶をする貴方をお見かけした時、みとれました!こんなに美しい人がこの世にいるのだろうか、女神の化身ではないのかとまで思いました!頭だっていいではありませんか!俺も精一杯勉強したからわかります、貴方がどれ程努力したのかを!」
「……そんなこと
彼女が何かを言おうとしたが言わせない。
俺は一歩踏み込み、彼女の手を握る。
そして彼女の瞳を真っ直ぐ見つめて、言葉を重ねる。
「それに貴女は良い臭いもする、俺はあの日、貴女の足を舐めたことを忘れられない!叶うならばもう一度舐めたいのです!」
「ふぇッ!」
熱くなりすぎて何か変なことを口走ったかもしれない。
それでも真っ直ぐ彼女を見つめづづけた。
「わ、わかりました、そ、そこまでいうなら許可します、ど、どうぞ」
彼女は言った。
ん?どうぞとは?
言葉の意味が理解できず固まっていると
「わ、私の足を舐めれるのですよ、光栄に思いなさい」
!?
「は、はやくなさい」
夕陽に照らされたのではないだろう、そう言った彼女の頬は赤くなっていた。
「で、では、失礼します」
俺はそういうと彼女の前に跪づき、その足の甲に唇をおとした。
それはさながら姫に忠誠を誓う騎士のようであった。
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