【R18】剣と魔法とおみ足と

華菱

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剣術修練

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「「「「「ハッ」」」」」

「「「「「ハッ」」」」」

「「「「「ハッ」」」」」



修練場に響く声。50人超の生徒が一糸乱れぬ動きで剣を振っていく。



今は剣術の授業中だ、この学園では一日おきに武器の鍛練がある。

剣・槍・斧・魔導銃の中から適正にあったものを選択して学ぶ。

俺は剣を選択した。オトハやアルミ嬢、もちろんチグサ嬢も一緒だ。



「そうだ、一振り、一振り丁寧に振れ」

俺たちの前で手本のように剣を振るのはクロエ教官(29歳独身)だ。

ツンと張りのある胸に、剣を上に振り上げた時に持ち上がったTシャツの裾から見える割れた腹筋に健康的なエロスがある。

そんなことを考えながら剣を振っていると、教官から激がとぶ。

「マガネ!クスノキ!タチバナ!剣に雑念が混じってる!集中しろ!」

「「「はいッ」」」

どうやら俺と同じ事を考えていた男子バカどもがいたらしい。

俺たちは心なかでフッと同士たちと笑いあう。



「「「「「ハッハッハッ」」」」」

「よぉーし!ラスト10!!!」

「「「「「あい!」」」」」



「よし!1分休憩!、回復魔法は使うなよ」

「「「「「はい!」」」」」

ハァハァハァ、息を整える。



「休憩終わりだ!ランニング!」

「「「「「はい!」」」」」

疲労が抜けないまま俺たちは走り始める。

この授業は体力づくりも兼ねているためだ。



「走れ、走れ!回復魔法も身体強化も使うなよ!」

「「「「「……はい!」」」」」

ハァハァハァ、しんどい。

走る、走る、走る

心臓が悲鳴をあげてる。

「女子は終わりだ、男子はあと10周!」

「「「……ういっす!」」」

あと少し、あと……一歩。



「「「……ハァハァ、ゼェゼェ」」」



「よーし、休んでいいぞ」



俺たちは少し歩いて、ゆっくりと息を整えてから崩れ落ちた。



「少しなら回復魔法使っていいぞ!」

「「「「「【回復魔法・弱ライトヒール】!!!」」」」」

教官の言葉に俺たちは一斉に魔法を使う。

「……お、お前たち」





「んッまあいい、休憩終わりだ!剣をもて!」

「「「「「はい!」」」」」

「よし!二人組になって戦え!」



「いくよ!トーノ!」

「来いっ!」

俺はオトハと剣を打ち合わせる。

ギャンッとぶつかり合う剣の衝撃が疲労の溜まった身体に響く。



「疲れてても、回復魔法も身体強化も使うな、魔物との戦いは常にギリギリだ、どんなに苦しくても剣を振らなくてはならない!守るために!」



「「「「「うおぉぉ!!」」」」」



「剣には【鋭利シャープエッジ】か【硬化】をかけておけ、でなければ魔物に刃がとおらないからな!」



「ハッ!」

列泊の気合いと共にオトハが上段から斬戟を放ってくる。

俺は剣で受け流し、カウンター気味に蹴りを放つ。

オトハはそれを転がるようにしてかわすと、身体をバネのように使い、鋭い突きを放つ。

「くっ」

ギリギリのとこで防御が間に合ったものの、衝撃は流しきれない。



よろめいた俺にオトハの斬戟が襲いかかる!

「ハァ!」

ガンッ、ガンッと硬化魔法のかかった剣どうしのぶつかり合う音が響く。



そのオトハの猛攻に俺は防戦一方となってしまう。

迫り来る刃を防ぎながらも、反撃の機会を伺う。



オトハの連戟が途絶えた瞬間、ここだ!と反撃に転じる!



「ハァッ」

気合いとともに一歩踏み込み、左上からの斬戟を放つ!



オトハも即座に剣を戻し防御姿勢をとる!

ガッキッーンと大きな音をたてて、二人の剣がぶつかり、







そして、二人の戦いに決着がついた。

















結果は、半ばからポキリと折れた俺の剣と、俺の喉元に切っ先を突きつける彼女が物語っていた。



「……はぁはぁ、負けたぁ」

「ふふっ私の勝ちだね!トーノ!」



俺は反撃を意識するあまり魔力制御がおろそかになってしまったのだ、結果、硬化魔法にムラができ、剣の強度が落ちて折れてしまったのだ。



反省だ、いかなる時も剣にかけた魔法の制御がおろそかにならないように気を付けないといけないな。今の相手が魔物だったら死んでた。



「悔しいな、オトハ、次は負けないからな!」

「ううん、次も私が勝つよ!」



悔しいから明日から特訓しようと思った。
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