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課外実習③
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更に二週間が経過した。
俺たちは安定してランクBまでの魔物なら倒せるようになっていた。
そんなある日、隣国のリストリア公国にて魔物の大量発生が起きたと知らせがはいった。
なかにはSランクの魔物も数体確認され、この国、ユナイト王国にも救援要請が入った。
もしリストリア公国が事態を収拾出来なければ魔物は王国へと侵攻してくるだろう。
そのため王は救援要請を受諾した。
Sランクの魔物が確認されている以上、生半可な戦力じゃ話しにならない。
しかし、戦力を整えてから向かわせるとなると時間ががかり後手に回る。
そこで一騎当千の魔導騎士を先行して増援に向かわせ、追って本隊を向かわせることにした。
先行して増援へ向かう魔導騎士として白羽の矢がたったのが、紅の騎士団のグレン団長だ。
紅の騎士団が常駐している城塞都市ハクレンがリストリア公国との国境だったこと、単騎でSランクの魔物を屠れることからの人選だ。
王命を受け、グレン団長は数名の魔導騎士を引き連れ直ちに出立した。
それにともない俺たちの実習も一時中断、城塞都市の中で過ごすこととなった。
◇
グレン団長が出立してから一日がたった。
「大丈夫かな?」
隣国での魔物の大量発生、Sランクの魔物。
皆不安に感じていた。
そんな中で悪い報せが入った。
城塞都市ハクレンの目と鼻の先、この都市の由来たる《封印の祭殿》のスタンピードだ。
祭壇の回りから魔物が溢れてくる。
森の結界が破られた。
「城壁の中へはいれ!」
「冒険者ギルドへ応援要請」
騎士団の詰所の中が騒がしくなる。
住民の避難誘導を行う者、戦力を整える者、ハイド副団長の指示のもとそれぞれの役割をこなしていく。
「よし、外に旅人はいないな、門を閉じろ!」
門が閉じられ結界に覆われる。
城壁の外には30名の魔導騎士と200名の一般騎士、加えて64名のCランク以上の冒険者、城壁の上に、ハイド副団長と10名の遠距離魔法に特化した魔導騎士と冒険者24名が展開している。
これがこの都市において戦うことを生業とする者たちだ。
これに加えて市民の中で志願した義勇兵が46名、俺たちも志願して学生40名が現状の全戦力である。
D以下の冒険者は後方支援にまわる。
「報告!魔物、目視にて確認、Sランク3体、Aランク12体、Bランク8体、Cランク以下多数、3000体を超える魔物がこちらへ向かってきています!」
Sランクの魔物、これには戦力の大半、魔導騎士とAランクの冒険者をあてなくてはならない。
今回防衛戦に参加するAランク冒険者は3パーティー12名、これでSランク1体。
魔導騎士を12名12名に編成してSランクを1体ずつ受け持つ。
ダンダンドンと、激しい地鳴りがして土埃が舞い散り、魔物が侵攻してきた。
「きたぞ!遠距離魔法攻撃隊、準備しろ!詠唱開始……いまだ撃て!」
城壁の上に並んでいた魔術師たちが一斉に攻撃魔法を放つ!
「「「「「【炎槍】!!!」」」」」「「「「「【氷槍】!!!」」」」」「「「「「【雷槍】!!!」」」」
「2撃目、放て!」
「「「「「【炎槍】!!!」」」」」「「「「「【氷槍】!!!」」」」」「「「「「【雷槍】!!!」」」」」
俺たちも一緒になって魔法を撃っていく。
こうして城塞都市ハクレン防衛戦が始まった。
俺たちは安定してランクBまでの魔物なら倒せるようになっていた。
そんなある日、隣国のリストリア公国にて魔物の大量発生が起きたと知らせがはいった。
なかにはSランクの魔物も数体確認され、この国、ユナイト王国にも救援要請が入った。
もしリストリア公国が事態を収拾出来なければ魔物は王国へと侵攻してくるだろう。
そのため王は救援要請を受諾した。
Sランクの魔物が確認されている以上、生半可な戦力じゃ話しにならない。
しかし、戦力を整えてから向かわせるとなると時間ががかり後手に回る。
そこで一騎当千の魔導騎士を先行して増援に向かわせ、追って本隊を向かわせることにした。
先行して増援へ向かう魔導騎士として白羽の矢がたったのが、紅の騎士団のグレン団長だ。
紅の騎士団が常駐している城塞都市ハクレンがリストリア公国との国境だったこと、単騎でSランクの魔物を屠れることからの人選だ。
王命を受け、グレン団長は数名の魔導騎士を引き連れ直ちに出立した。
それにともない俺たちの実習も一時中断、城塞都市の中で過ごすこととなった。
◇
グレン団長が出立してから一日がたった。
「大丈夫かな?」
隣国での魔物の大量発生、Sランクの魔物。
皆不安に感じていた。
そんな中で悪い報せが入った。
城塞都市ハクレンの目と鼻の先、この都市の由来たる《封印の祭殿》のスタンピードだ。
祭壇の回りから魔物が溢れてくる。
森の結界が破られた。
「城壁の中へはいれ!」
「冒険者ギルドへ応援要請」
騎士団の詰所の中が騒がしくなる。
住民の避難誘導を行う者、戦力を整える者、ハイド副団長の指示のもとそれぞれの役割をこなしていく。
「よし、外に旅人はいないな、門を閉じろ!」
門が閉じられ結界に覆われる。
城壁の外には30名の魔導騎士と200名の一般騎士、加えて64名のCランク以上の冒険者、城壁の上に、ハイド副団長と10名の遠距離魔法に特化した魔導騎士と冒険者24名が展開している。
これがこの都市において戦うことを生業とする者たちだ。
これに加えて市民の中で志願した義勇兵が46名、俺たちも志願して学生40名が現状の全戦力である。
D以下の冒険者は後方支援にまわる。
「報告!魔物、目視にて確認、Sランク3体、Aランク12体、Bランク8体、Cランク以下多数、3000体を超える魔物がこちらへ向かってきています!」
Sランクの魔物、これには戦力の大半、魔導騎士とAランクの冒険者をあてなくてはならない。
今回防衛戦に参加するAランク冒険者は3パーティー12名、これでSランク1体。
魔導騎士を12名12名に編成してSランクを1体ずつ受け持つ。
ダンダンドンと、激しい地鳴りがして土埃が舞い散り、魔物が侵攻してきた。
「きたぞ!遠距離魔法攻撃隊、準備しろ!詠唱開始……いまだ撃て!」
城壁の上に並んでいた魔術師たちが一斉に攻撃魔法を放つ!
「「「「「【炎槍】!!!」」」」」「「「「「【氷槍】!!!」」」」」「「「「「【雷槍】!!!」」」」
「2撃目、放て!」
「「「「「【炎槍】!!!」」」」」「「「「「【氷槍】!!!」」」」」「「「「「【雷槍】!!!」」」」」
俺たちも一緒になって魔法を撃っていく。
こうして城塞都市ハクレン防衛戦が始まった。
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