全部が規格外な彼の「大好き」に陥落して絆されるまで

綾彩

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第13話 恋は盲目(後編)

⚠️本話数には性的な描写や直接的な言葉(性的な表現)が含まれます。苦手な方はご注意ください。

⚠️R18描写はファンタジー


「ん……ふ……っ」

「ん……っ、」

照明が落とされた三浦の部屋。
ベッドサイドのチェストの上に置かれた間接照明が、俺を組み敷いている三浦をぼんやりと照らしていた。

三浦の吐息と俺の声、そして舌を絡め合う度に控えめな水音が響く。


「志貴、さん……」

吐息を含んだ声で三浦が俺の名前を呼んで、首筋に舌を這わせ、キスを落とす。

「んん……っ」

ゾクゾクとした感覚が首筋から伝わってきて体を捩った。
そんな俺を追いかけるように、三浦はスウェットの裾から手を差し込み、空いている方の手でベッドに肘をつくようにして俺の髪を撫でる。

それと同時に、三浦の体重がかかったせいか、ギシ、とベッドのスプリングが音を立てた。


「お前……慣れてるな」

「慣れてなんかないよ」

「嘘つけ、触り方が手慣れすぎだ」

「それって、おれの触り方、えろいってこと?」

「……そういう風にも、言う、かもしれないな」

「褒められちゃった。嬉しい」

「別に褒めてなんか、ない……」

エアコンで少し冷えた三浦の手が、目を逸らした俺の肌の上を滑っていく。

「っ、そうだ、志貴さん。ひとりでする時どうやってるの?胸は触ってる?」

「それはどういう……」

「いや、だから、ひとりえっちする時はどうやってるのかなって」

「そんな直接的な単語、やめろ……」

「え、でも大事なことだよ?」

「それでもだ……っ、俺は、こういうの、慣れてないんだって、言っただろ……」

「でも恥ずかしいことじゃないから。大事なことなんだって!おれは志貴さんを気持ちよくしてあげたいんです。だから教えてください、志貴さんの体は、どこをどうやったら気持ちいいか……」

言いながら三浦の手は、俺の胸に到達する。
そして俺の顔をじっと見ながら、胸の尖りに触れた。

「あっ……!」

その瞬間、自分のものかどうか疑うほどの嬌声が出てしまい、俺は腕で目を隠すように覆う。

「胸、感じるんだ」

「嬉しそうに言うな……っ、あ……っ、ん……」

「声、やらしい……」

「っ、お前の触り方の方が、やらしい……って……ん……っ!」

「ね、教えて?いつもどうやってシてるの?」

三浦が顔を近づけてきて、さらに胸を撫で、尖っているソコをカリカリと爪で優しく引っ掻く。
その擽ったさに、意識せずとも声が漏れた。

「ね、志貴さん、教えて?」

三浦が顔を近づけてくる。
その髪の毛が肌に落ちて、俺は視線をそちらに向けた。
けれど、間接照明で逆光になっているせいで彼の表情はよく分からない。

それでも顔を見て話すのがどうにも照れくさい。
俺は目を逸らして、三浦の腕に指を伝わせながら答えた。

「…………ってない」

「ん?」

声が掠れて上手く音にならなかった。
それを三浦がさらに顔を近づけて聞いてくる。

「胸……は、触ったこと、ない……下だけ……」

俺が答えたのが相当嬉しかったのだろう。
目の前の彼の表情が、ぱぁぁぁ、という効果音が聞こえてくるほどに明るくなった。
薄暗くても分かるぐらいだ。

ついでに、犬の耳とぶんぶんと振られた尻尾もおまけで見える気がする。


「ん、わかった。答えてくれてありがと」

そう言って三浦は俺の額にキスを落とした。

「っ、そんなに喜ぶことでもないだろ……」

唇の感触が残る額を擦った俺の手を三浦がそっと握り、自分の額と俺の額を合わせた。

「そうだ……志貴さん。こんな時に言う話じゃないんですけど……昨日、あ、いや、もう日付変わってるから一昨日か。その……すみませんでした。自分に嘘つくのやめな、とか言っちゃって……他にもめっちゃ上から目線なこといっぱい……あの時はおれ、ただ必死で志貴さんの気持ち全然考えてなくて……志貴さんのこと傷つけてませんでしたか……?」

と、困ったように眉毛をハの字にする。


『もう自分に嘘つくの、やめなって言ってるんです』


……確かに言われたは言われた。

でもあの時は俺も必死だった。
けれど、その言葉よりももっととんでもないことが起こったせいで、三浦の言葉で自分がどう思ったかなんて今となっては覚えていない。

俺は三浦の首に手をまわして、そのでかい体を自分の方に引き寄せた。

「そんなことない。俺は傷付いてない、大丈夫だ。あの時、俺もだいぶ追い詰められてたからそんなの考える暇なんてなかったし、それに……キ、キスとか、体触ったりとか、そういう事を反省してくれ。お前のせいで、俺は……」

そこまで言った時、三浦の親指が俺の唇に触れ、それをツー、となぞる。

「……ありがと。やっぱおれ、志貴さんのこと大好きだなって思った」

「……っ、そう、かよ」

「うん。これからいっぱい責任取るから。今はただ、気持ちよくなって?」

そして手を俺の頰に当て、唇を食むように口付けながら、もう一方の手を滑らせて俺のソコをズボンの上から何度も撫でた。

触られているうちに俺の性器それはどんどん芯を持ち硬くなっていく。

「あっ……ん……んっ、」

「志貴さん、声やらしい……」

「っるさい……お前が、そういう触り方するからだろ……っ、」

三浦の愛撫に声が漏れるのを必死で抑えている間に、俺のソコはいつの間にか臨戦態勢になっていた。


……昨日、いや一昨日か。
三浦に触られて大量に出したくせに、もうこれだ。
どうなってんだよ、俺の体。


「志貴さんの、おっきくなってきた……気持ちいい?」

耳元で三浦が囁く。

「や……三浦…、も……無理、だ……」

俺は傍にあったクッションを顔に押し付けた。

「無理?直接触ってほしい?」

「ん……」

「わかった。じゃ、ちょっとだけ腰浮かせてくれる?」

声として発せられていたのか不安な程小さく掠れてしまった返事に三浦は頷いて、俺のズボンと下着をまとめて脱がせる。
それと同時に、下着に引っ掛かっていた俺の性器ものが勢いよく飛び出して、俺は思わず上着の裾を両手で引っ張って隠した。

「隠さないで、志貴さん。おれに志貴さんの、見せて?」

けれど、そう言った三浦にその手を掴まれて指を絡めるようにして繋がれてしまう。

「……これが、志貴さんの…………」

「っ、あんまり見るな……っ、みんな大体一緒だろ……っ」

三浦にまじまじと性器それを見つめられ、その視線に耐えきれなくなった俺はまた体を捩った。

「ううん、すごくかわいい……」

「可愛いってなんだよ、男のを見て言うことじゃない……っ、」

俺がそう反論しかけた時、三浦が空いている方の手で性器それを握ってゆっくりと上下に動かし始める。

「……っ、あ……っ!急に扱くなって、ん……っ!」

三浦の手の動きに合わせて、にちゅにちゅと少し粘り気がある水音が部屋に響いた。

「きもちい……?」

「んん……っ、や……っ、あ……っ!」

「ふふっ、志貴さん腰動いてる。かわいい……」

三浦に何を聞かれても、俺は抗えない快感に喘ぐしかない。

そんな俺を見て三浦は俺の性器ものを扱いていた手を止めた。
急に手を止められたせいか、それはビクビクと震えている。

……もう少しで出そうだったのに、なんだよ。 

そんなことが頭を過ぎってしまい、目を瞑って頭を軽く左右に振った。

……何を考えているんだ、俺は。

そう我に返ると、三浦が性急に口付けてくる。
興奮しているのか、肩で息をしている三浦の荒いキスに呑まれてしまう。

唇を何度も何度も重ねて、そして俺の口内に強引に少し熱い舌が入ってくる。


「……ん……志貴さんの舌、甘い、好き……っ」

「そんなわけ、ん、あるか……っ、味なんて、しない、だろ……っん……!」

「んーん、するよ……ん……甘くて、ちょっとえっちな味……」

なんだそれ。
わけが分からん。

そう思いながらも三浦から放たれる言葉の全てに、俺は正直興奮していた。

どれぐらいそうしていただろうか。

「……っは、」

微かな吐息と共に三浦の唇が離れた。

……少し名残惜しい。


ふと三浦の方に目をやると、額から汗が伝ってきていた。
俺は起き上がり、その額に手の甲を当てる。

「志貴、さん?」

「……汗。垂れてきてる」

不思議そうに聞いた三浦に俺はそう答えながら、そいつのTシャツを脱がそうと裾を捲った。

「脱がせて、くれるの?」

「……俺だけ脱いでるのはフェアじゃないからな」

「ふふ、そうだね。志貴さん今めっちゃえろいもんね」

そう言われて思い出す。
今俺は、上は着ているが下は着ていない……というか履いていない、という何とも変態地味た格好だった。

「……こうやって喋ってても、志貴さんの、ずっと勃ってるの、めっちゃえろい」

「……お前はそれしか語彙がないのか」

「え、なんで?えろいことをえろいって言ったらだめなの?」

「っ、そういうことを言ってるんじゃない……っ!」

言いながら強引に三浦のTシャツを上に引っ張る。
三浦は、今まさにそういうことをしているなど微塵も感じさせないぐらいに無邪気に笑いながら、引っ張られたTシャツから頭を抜いた。

「もー!志貴さん脱がせ方強引すぎ!髪の毛ぐちゃぐちゃだよぉ!」

そう言って頭をぶんぶんと横に振る。
まるで水浴び後の大型犬のようだ。

「お前ほんとに犬だな」

「……へ?犬?おれが?自分じゃわかんないけど……まぁいいや!おれ、わんちゃん大好きだし!」

「……言い方。あざとい」

「わざとじゃないよ?」

「そんなことぐらい知ってる。どれだけお前のこと見てきたと思ってるんだ」

「んーと……3年ぐらい?」

「真面目に返すな」

「いいじゃんいいじゃん。ほら、志貴さんも上脱ご?」

こうして普通に会話をしていると、さっきまで三浦の愛撫に喘いでいた自分が恥ずかしくなってくる。

ぶっきらぼうな返し方になってしまった俺の服を、三浦は半ば強引に脱がせ始めた。


「おれの服着てるのを脱がせるの、なんか興奮する」

「……変態」

「志貴さん限定だよ?」

「やめろ」

小首を傾げる三浦の腕を軽くぱしっと叩く。
けれど三浦はお構い無しに、俺の腕に指を滑らせている。
やがてその指は鎖骨を経由して胸に辿り着き、俺の乳首それを見つめ始めた。

「志貴さんの乳首かわいい。色、薄いんだね……」

「知らな……っ、そんな見るな、って……」

あまりの凝視っぷりに思わず目を逸らそうとすると、三浦の手が俺にすり寄ってくる。

「直接触ってあげる」

「んっ……」

「声、かわいい……」

少し冷たい指先に乳首それが、カリカリと引っ掻かれたり、撫でられたり、さらには唇で食まれたり。
愛撫される度に自然と体が跳ね、声を上げてしまう。

「ね、かたくなってきた。色もちょっと濃くなってる……えろ……気持ちいいの?」

「ん……っ、濃いのが良いのか薄いのが良いのかどっちなんだはっきりしろ……」

「おれは志貴さんの体ならなんでもかわいいし、綺麗だし、えろいなって思うよ」

「……煩い」


——見上げた三浦の表情かお

興奮が最大まで達しているんだろうか。
少し上気して、潤んだ瞳で俺を見るその顔から目を逸らした。

「ふふっ、志貴さんかわいい顔してる……ね、おれも一緒にしてい?」

俺がもう耐えられないのを察しているのかいないのか、三浦は部屋着のズボンと下着を下げた。

どれだけ我慢していたんだろう。
狭い所に閉じ込められていた三浦の性器それが、やっと自由になれた、とでも言っているように飛び出してくる。

その瞬間、俺はそのあまりのでかさに息を呑んだ。


「……っ!?」



……こいつ、“コッチ”も規格外ってか!?

と思わず、面白くもない、おっさん的文言が頭に浮かんでしまうぐらいだ。


体格がいいからか!?
身長があるからか!?

いや、それにしたって、これはでかすぎる。

最早凶器と言ってもいい。


同時に、“これ”を受け止めていた三浦こいつの元カノに賛辞を送る。

……おめでとうございます。
今この瞬間から貴女は嫉妬の対象ではなく、尊敬に値する方になりました。

どこのどなたか存じ上げないけれど。


「お前、でかいな……」

「やだな、そんな見ないで。恥ずかしいよ」

あまりのサイズに、それなりの声量でつい口をついて出てしまった。
それに、ズボンを床に置いていた三浦が顔を上げ、俺の視線を辿るように、三浦の目が自分の性器それを見る。

それから俺の顔を自分の方に向かせて口付けた。


「…………そんなことないよ」


……何だ、今の間は。
自分が“でかい”って、本当は理解してる知ってるだろ、お前。


「……いや、そんなことあるだろ。こんなの……」

「大丈夫だよ!それにみんな一緒って言ったのは志貴さんだよ?」


……何が大丈夫なんだ。
その根拠の無い自信はどこから来るんだよ。


「いや、それは、形とかそういうあれであってだな……とにかく、こんなもの入るわけない……」

俺がそう言ったと同時に、三浦が勢いよく顔を上げる。

「えっ!!!!!志貴さん、男同士のやり方知ってるんですか!?!?!?」

至近距離でのあまりの声量に、思わず片耳を塞ぐ。

「……っ!お前、声……!でかい……!やり方は知ってる。何となくだけどな。だからお前のが絶対無理なことぐらい分かる。そもそも……後ろあそこは入れる場所じゃなくて出す場所だろ……」

呆れたように言った俺を三浦が優しく抱きしめる。

「志貴さん、ムード台無しだよぉ……」

「いやいや、お前の見たらムードも何もあったもんじゃないだろ……何だこれ……」

でかい体に抱きしめられながら、俺は三浦の性器ものに思わず手を伸ばした。

「え、志貴さん触ってくれるの!?!?」

また耳元で大音量が響く。


……こいつは本当に距離感というものを分かってないな。


「は!?いや、そういうわけじゃ……」

あまりの喜びぶりに、伸ばした手を引っ込みがつかなくなってしまったところへ、三浦の手が伸びてきた。

「志貴さん、触って……?おれも、志貴さんの触ってあげるから……」

三浦は俺の手首を掴むと、そのまま自分の性器それを握らせる。

「なっ……!お前何やって……!」

と、顔を上げた俺の目の前には、目を伏せて恍惚の表情の三浦がいた。


こいつ……!
そんな表情かおされたら、やめられないだろうが……!


「こ、こうか……?」

そのまま、三浦のものを上下に扱く。

俺の手が上下する度に、三浦の体がビクビクと小刻みに震えて、その吐息が俺の耳を擽った。


「ん、志貴さん上手……気持ちいい……」

「お前、声、やらしい……!」

普段の三浦からはおおよそ考えられない程の色気に、心臓が早鐘を打つ。
それを隠すように、俺は三浦の性器それを扱くスピードを早めた。

「っ、やらしいことしてるんだからいいじゃん……!」

「お前ほんとにそういうとこだ……っ、あ……!」


言い終わる前に俺はまたベッドに押し戻されてしまう。


「ほら、志貴さんも……」

「ちょ、お前の、まだ途中……っ」

「おれは十分気持ちよくしてもらったからもういいよ。次は志貴さんの番!」

「でもっ」

「言ったでしょ?おれは好きな人志貴さんが良くなってるところを見るのがいいんだってば。おれのことは考えなくていいから、志貴さん、いっぱい気持ちよくなって?」

三浦は俺の唇に自分のそれを重ねた。
そして、また胸元へ指を這わせ、俺の胸の尖りを愛撫しながら、自分の性器ものを扱き始める。


「……ごめん、志貴さん。気持ちよくなってって言ったけど、おれ、もう我慢できない……っ、下は自分で触ってくれる?」

唇を離す間も惜しいのか、キスの合間に眉間に皺を寄せながら目を閉じて性器それを扱きながらそう言う三浦のでかい体を、俺はぐいっ、と引き寄せた。

その勢いで、一瞬、三浦と唇が数秒重なった後、俺が唇を離すと、俺達の間にまた銀色の糸が引いた。


「……っは…………。こんな時にまで気を遣うな。お前も良くならなきゃ意味がないだろ」

「……!?~~~っ!志貴さん……っ!!!」

キスのせいで荒くなった呼吸を整えながら俺が言うと、三浦に飛びつくようにして抱きしめられる。


「志貴さん、好き……好きだよ……っ!」

三浦の声が耳元で響く度、耳の裏から首筋、そして腰へと、1本の電撃が走ったかのようにビリビリとした刺激が襲ってくる。

これも“感じている”ということなのだろうか。

普段“処理”する時には感じたことのない感覚がして、体が勝手に跳ねてしまう。



「……っは、志貴、さん……っ!ん……っ、志貴さん……すき……っ、ん……っ!だいすき……っ!!!」

「んっ……みうら……っ!あっ……!みう、らぁ……っ!あっ、あっ、んんん~~っ!」

熱烈な告白をして、俺に口付けながら自分のものを扱く三浦に当てられて、俺も自分の性器それに手を伸ばした。

耳元で聞こえる三浦の声と吐息、部屋に響く水音。
そして性器それを扱いて感じる快感。

訳も分からず、ただひたすらに喘ぎながら俺は目の前のでかい体にしがみついて背中に手をまわす。
体中に力が入って背中に爪を立ててしまうけれど、そんなことはもう気にしていられなかった。


「みう、らぁ……っ、もうだめ、出る、出るぅっ!あ……っ!いく、いくいくいくぅ……っ!!!」

熱に浮かされ、うわ言のように俺がそう言うと、三浦はさらに俺に覆い被さってキスをする。

「ん……っ!いいよ……っ、志貴さんも一緒にイこ?」

興奮で熱くなっているのか、酸欠なのか。

頭がクラクラして、体の感覚が無くなるような。
自分でも制御が効かなくなった俺の体は、そんなふわふわとした浮遊感でいっぱいになっていく。


「あっ……!あっ、あっ、あっ、あっ、あ……っ!」

「ん……っ、は……っ、ん、んんん……っ!!!」

汗だくになって、声にならない声を発しながら2人で快感を貪った。


「っは、志貴さん、おれもうだめ……っ、出ちゃう、あ、出る……イくイくイく……っ!!!」

「あっ、や、みう、らぁ……っ、出る………っ!あっ……~~~っ!!!」

体が強張り、腰が勝手に浮いた。
瞬間、性器そこがどぷっと精液を放つ。

「あっ……!んん……っ!!!」

俺は空いている方の手で力一杯にシーツを掴んで、尾を引く快感の波に耐えた。
その間にも、何回かに分けて放たれる精液が俺の腹部を汚していく。

……すごい、出てる。

と、他人事のように思いながら、肩口で体を揺らしている三浦に目をやった。

俺と同時に彼も吐精したらしく、俺の腹部に受け止められなかったであろう彼の精液がぽたぽたと垂れてきている。


「……っはぁ、はぁ……」

三浦は荒くなった呼吸を落ち着けながらも、精液で汚れた片手で、まだ性器それを緩く扱いている。


「……三浦」

やっと長い射精が終わって力が抜けた俺は、三浦の方に手を伸ばした。

「……っ、ごめん、志貴さん、汚しちゃった……」

三浦は俺が手を伸ばしていることに気付くと、すぐに振り返ってローテーブルの上のティッシュを何枚か手に取る。
自分の手と俺の腹部の精液を丁寧に拭き取って、ゴミを処理してから、俺を優しく抱きしめた。


「……志貴さん、ちゃんと気持ちよかった……?」

「…………悪くは、なかった……」

そう返して俺は三浦を抱きしめ返す。
乱れに乱れてしまった自分を思い出して、顔に熱が集まってくるのを隠すように、三浦の胸に顔を埋めた。





——あれから数十分。

緊張と興奮とその他諸々で体力が持っていかれた俺を見て、流石に本番挿入までは出来ないと踏んだのか、三浦は俺に服を着せ直し、口移しで水を飲ませた。

……別に口移しそこまでしろとは言っていないのだが。


——と、そんな風に甲斐甲斐しく俺の世話を焼いた三浦は今、ベッドの中で俺を抱きしめて髪を撫でている。

こっちはもう体力の限界だというのに、三浦こいつときたらさっきよりも体力が増えたかのように、ずっとニコニコと笑って俺を見つめていて。


俺は三浦が醸し出す甘い空気に耐えられず、その腕から抜け出した。


『おれ、体でかいし寝相もあんまり良くないから、ダブルベッドにしたんです!部屋狭いのにバカですよね、あはは……』

と食事中に本人が零していた通り、ダブルベッドな分、多少は余裕はあるけれど、それでも狭く感じてしまう。


……三浦このバカほんとにでかいな。


そう心の中で目の前のでかい体にクレームを言いながら、うつ伏せになり、頭の下に敷いたクッションを両手で抱えるようにして三浦の方に顔を向けた。

そしてずっと疑問だったことを、もう一度聞いてみる。


「……あ、あー……そういえば、お前はなんで俺のこと……」

緊張のせいなのか喘ぎすぎたせいなのか、少し声が掠れていた。

俺が声を発すると、三浦は少しだけしか開いていない俺との隙間をさらに詰めるように前のめりになる。

「ん?なんですか?」

「……だから……!その……お前は……なんでこんなに俺を好いてくれるのかって……!思って、だな……」

俺に服を着せ直したはいいが、三浦はあれから何も着ずに上半身裸のままだったのでどこを見れば良いか分からず、俺の視線は彷徨い続け、三浦の胸元のシーツの隙間に落ち着いた。


「あー、そうだなぁ……」

三浦は俺の髪を撫でていた手を止めて、視線を斜め上にやり、数秒考えてから話し出す。

「……志貴さんがおれの教育係になった時から憧れで、その時から好きは好きだったんですけど……それは“人間として好き”とか、“尊敬する”、みたいな感じだったんですけど……」

「……けど?」

「明確に恋愛感情になったのは……これ志貴さん覚えてるかな……おれが初めて任された案件の時です。ほんとだったらド新人のおれなんかにはあり得ないぐらいの仕事だったんですけど……若い世代の意見を取り入れたいからー、とかなんとか言って無理やり任されたんです。今思えば完全にパワハラだなって思うんですけど」

三浦は軽く笑いながら俺の方に目をやった。

「当時のおれは、結果を出さなきゃーって必死になって頑張ったんです。でも、ミスしちゃって。あ、でも、正確にはおれのミスじゃないというか、提示されてないといけない情報が、上司から資料が来た時点で抜けてたんです。だから気づけなかったというか、そもそもその情報を知らなかったというか……」

その言葉に俺は思わず眉間に皺を寄せる。

「なんだそれ、最悪だろ」

「あはは、そうですよね、最悪でした。それで……まぁ、志貴さんも大体察してると思うんですけど、叱られてしまって……その時に、その案件には全く関係ない志貴さんが助けてくれたんです。『私の伝達ミスです』って言って上司に頭を下げてくれて……それで、その後『あのミスはお前のせいじゃない。お前が頑張ってたことは知ってる』って言ってくれて……その時です。ああ、おれ、この人が好きなんだ、って思ったの」

まっすぐに見つめて言われたけれど、三浦には悪いが正直あまり覚えていない。


「……そんなことあったか?すまん、似たような事がありすぎて全く思い出せん」

そう返すと、三浦は眉毛をハの字にして困ったような顔になる。

「もぉ……志貴さんどんだけ他人ひとかばってんですかー……覚えてないって……おれはあの時どんだけ救われたかって感じなのに……」

言いながらでかい体で俺にすり寄ってきた三浦を、俺は枕の下に入れていた右手を出して押し返した。

「しょうがないだろ……覚えてないもんは覚えてないんだ……!」

けれど三浦は引くことなく、押し返そうとする俺の右手を掴んでピタッと止まって俺の目を見つめてくる。


……ドクン。


三浦と目が合った途端、胸が高鳴り、締め付けられるような感覚に襲われた。

「でもおれは、そんな志貴さんだから好きになったんです。そのお人好しすぎるところ、大好きです」

「……っ!お人好しはお前もだろうが……っ!」

さっきよりも何十倍、下手すれば何百倍になった甘い空気に、さらにどうして良いか分からなくなる。

言葉の勢いで三浦の手を振り払おうとするも、強く握られていて駄目だった。


「……でもたぶん、最初から好きだったんたと思います。志貴さんはおれの運命なんだって思う。ほんとに。ずっと好きでした」

三浦はさらにそう言って、極めつけとでも言うように、握っていた俺の右手の指先に伏し目がちにそっと口付けてくる。


……は!?

こ い つ 今 な ん て 言 っ た ! ?


これには今まで三浦こいつに規格外の愛情表現をされ続けてきた流石の俺も、開いた口が塞がらなかった。


「おっまっえ、な……そんなクサい台詞よく言えるな。あとナチュラルに、キ、キスとかするなよ……少女漫画の王子かよ、恥ずかしい……」

顔から火が出そうになりながら、俺は三浦から目を逸らす。


「ふふっ、ありがとうございます」

「……っ、!別に褒めてない……っ!」

「でも王子って言ってくれました」

「……お前、ほんと……っ、ポジティブ思考だな……」

呆れて返す言葉も無くなった俺に構わず、三浦はさらに距離を詰めてくる。

……もう十分くっついてるだろ。


でもこいつのポジティブさそういうところに何度も助けられてきたんだよな、なんて恥ずかしくて言えやしない。


「じゃあ、おれが王子なら志貴さんはお姫様ですね!おれだけのお姫様」

語尾にハートが付きそうな程に甘い言い方でさらに繰り出される甘い言葉。

今の台詞、お前に熱を上げてる女子に言ってみろ。
一発で落ちるぞ。

……まぁ、男の俺も落ちてるけどな。


——全く、こいつといると恥ずかしいことばかりだ。

でも不思議と嫌じゃない。


「恋は盲目……だな」

そう呟いて、三浦の腕の中で俺はそっと目を閉じ、さっき三浦に返した言葉を思い出す。


『……っ!お人好しはお前もだろうが……っ!』



同じことを、最近三浦に言ったような気がした。
でも、その時と圧倒的に違うことがひとつだけある。


——俺達は『恋人』になったのだ。


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職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。