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国境の夜 ★
手酷く蹂躙された夜の記憶に、アルヴィナは次の夜を恐れていた。それなのに訪れた次の夜は、苦痛ではなく目が眩むような快楽でアルヴィナを貶めていく。
「ああっ!!あっあっ……」
大きく開かされた足の間に、埋まる金糸の髪を思わず掴む。熱い舌が花弁に沿って這い、じゅるじゅると溢れる蜜を音を立てて啜りとる。
ねろりと舐め上げられ、固く芯を持った花芯が歓喜に痺れた。
「い、いや……!ああっ!ああっ!」
舌を押し付けられるように舐め回され、やわやわと吸い上げられる。肚の中が引絞られるように疼き、吸われたそこはもどかしく身悶える熱を持つ。
アルヴィナのあげる喘ぎが甘く蕩け始めた。最初の夜に味わった苦痛を覚悟していたアルヴィナは、羞恥と痺れるような快楽に襲われて混乱した。
「だめっ!だめっ!いや!ああっ!あぁ……」
舌で撫でまわされ、吸いつかれ、こもった熱はアルヴィナを追い詰めていく。秘裂を撫でていた指が、溢れるぬめりの助けで簡単に突き入れられた。探るように膣壁を撫で回し、やがて吸い付いたそこの裏を、撫でるように擦りあげられる。
「いやあああーー!」
つんざくように脊髄に快楽が走り、アルヴィナが絶叫する。肌を粟立て痙攣するように震えるアルヴィナに、うっそりと嗤いながら、カーティスは唇を離した。突き入れられた指は、尚もそこをかき乱す。
「ああっ……だめ……だめ……やめて……許して……」
「許せ?側妃の義務を知らぬ訳ではないだろう?アヴィー、私を愉しませろ。」
一気に臨界を超えて弾けた快楽は、ゆるゆると撫で続ける指のせいで、追い詰められた頂きから緩まることがない。
責め苦のような快楽は苦しいとも思うのに、アルヴィナは指に擦られるように腰を揺らすのをとめられない。
アルヴィナの痴態を鑑賞するように見下ろしながら、カーティスは侵入する指を増やしさらに追い詰めた。
「ああああっ!やぁ!やぁ!」
仰け反ったアルヴィナを追いかけ、増えた指は容赦なくそこを抉る。快楽の階を降りることを許されなかったアルヴィナは、2、3歩降りていた頂きに呆気なく追い立てられた。
「あっ!あっ!ああああぁぁぁーーー!!」
全身が鞭のようにしなり、ゆっくりと弛緩していく。宥めるように中を撫でていた指がずるりと引き抜かれた。ぐったりと身を投げ出したアルヴィナに、カーティスが覆い被さる。
「ま、待って……兄、様……あっ……あぁ……」
快楽に打ち震えたアルヴィナの弱々しい制止は無視され、あてがわれた熱杭は前後しながらアルヴィナの体内を深く貫いた。奥の奥に埋め込まれた杭はそこで止まり、アルヴィナの髪をカーティスが搔きあげる。
「カーティスだ、アヴィー。」
うっすらと目を開けた先のカーティスが、いつもより甘さがある気がして、誘われるようにアルヴィナは唇を開けた。
「……カーティス……」
その声を合図に、埋め込まれた脈打つ熱杭がゆっくりと最奥を叩き始める。
「あ……あぁ………あぁ……」
時折捻るように円を描かれ、熱杭の先が膣壁を擦る。身体の奥からじわりと滲む熱が生まれ、さざなみのように快楽が生まれる。もどかしいその感覚が、アルヴィナの理性を徐々に侵食していく。
「カーティス……あぁ……あぁ……」
じりじりと疼く熱がもどかしさと恐怖心を募らせた。抽挿は徐々に速度と強さを増していく。
「アヴィー、悦いのだろう?うねっている。」
愉悦に混じる声音でからかう様にカーティスの声が落ち、腰を掴んでいた手が腫れ上がった花芯を擦り上げた。
「はあぁぁっ!!」
その瞬間、もどかしさは明確に快楽に変わり、未知の感覚への恐怖心は霧散した。
肉を叩きつける音と、じゅくじゅくと淫らに繋がる水音が激しさを増し、獣のような律動に寝台が激しく軋んだ。
「カーティス!カーティス!」
さざなみは荒れ狂う波の快楽となって、アルヴィナに襲い掛かり、押し寄せる快楽の奔流を耐える支えを探して、アルヴィナの手が空を切る。
杭が何度も打ち込まれる肚に、カーティスが手を当てた。穿たれる度に薄い肚の中で、己が出入りする感触を確かめる。
「アヴィー、アヴィー、私の子を孕め!義務を果たせ!」
「ああっ!カーティス!ああっ!ああっ!あああーーーー!!」
「アルヴィナ!アルヴィナ!あぁ……アヴィー!!」
大きくうねった波の激しく飲み込まれながら、アルヴィナが膣壁を引絞りながら絶頂し、その締め付けにカーティスも下腹部を痙攣させながら灼熱を放った。
荒い呼吸を突きながら、空っぽになったかのような心地で、アルヴィナはぼんやりと天蓋を見上げる。その目尻から涙が溢れた。
痛みで嬲られる苦痛より、理性を溶かされる抗えない快楽は、愛のない行為をより空虚に感じさせた。
無理やり奪い取られるよりも、矜持も思考も手放し、自ら差し出す行為により多くを奪われた気がした。
《側妃の義務》
カーティスの汗の浮く肌が、アルヴィナを背後から抱き寄せる。あやすような優しい手付きは、幼い頃のカーティスを思い出させた。
「アヴィー、お前は明日国境を超え、リーベンを捨てる。」
甘く柔らかな声は、残酷にアルヴィナを断罪した。声は優しい毒のように染み込んで、アルヴィナの覚悟のない選択が、何を壊したのかを突きつけた。
リーベンでの生活。質素で静かな贖罪の日々。それを助け見守ってくれた人。
小さく嗚咽を漏らしたアルヴィナを、カーティスはこの上なく優しく抱きしめた。
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