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第4章 破壊の女王
第30話 無事に帰ってきた
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血まみれになりながら、カロンは軍の基地に帰還した。
「はぁ…… はぁ……、っっっ痛っ…… 戻りました……」
「遅かったじゃあーないの、お前の能力で壁飛び越えたらすぐっしょ」
「この怪我で使えませんでした。まあ、休ませてもらいます」
「ま、どんまい」
「そういえば ディザスター、プロメテウスというか 他の町を侵攻する作戦はどうなったんですか??」
「あー、そのことなんだけど 最近幻惑能力の集団が南部で、この中央都市を落とす作戦に動いてるみたいで、プランさん的にはそっちのが危険だから 先に伸ばすみたいだ」
「そもそも、ディザスターを回収しに行った時、東部も落とせていたはずなのに何故撤退したのです??」
「これもプランさんの指示だ、俺もさっぱりだがな」
「3(サード)を相手に動けないのにそれ以上に危険なやつってことですか??」
「ああ 詳しいことはわからんが、噂によれば……」
鳥の鳴き声で目が覚めた、あの後どれくらい寝たんだろう??
僕はスマホを取って、日時を確認した。
「日曜日、なんだ1日しか経ってないじゃん」
僕が独り言を言っていると、部屋のドアが開いた。
「気がついたか……」
「おはよー 陽翔くん 心配できちゃったー」
雅也と迅は僕の元へとやってきた
「お前ら来てたのか…… っっっ…… いってぇ…… 」
腕や背中のあちこちが痛み、体が起こせない。
「まだ回復し切ってないんだろ??無理するな」
僕が体を倒すと、迅が布団をかけた
「ありがと」
「うん!!それより外部の3(サード)相手にいい勝負したんだって??」
(頭に銃弾を受けた後のことは何も覚えていない、そう言われれば頭の傷も完治しているな……)
「それが全然思い出せなくてさ、僕って負けたんじゃないの??」
「いや、海都さんがロザリオを持ってきたから、勝ったはずだと思う」
(まじで何があったんだろ、まあ回収に成功したならいいか)
僕たちが話していると、紫音が部屋に入ってきた。
「あ、お兄ちゃん おかえり~ よかった無事で~」
「ああ、ただいま 紫音」
紫音は僕に栄養剤を持ってきた。
「はい どうぞ!!」
「ありがと」
僕が紫音にお礼をいうと、雅也がこっちにきた
「うう、俺だけ一人っ子……」
「そうだな、迅は確か弟か兄がいたよね??」
「うん、お兄ちゃんだね」
雅也が涙を流した
「おーれーも、おにいいいちゃんって呼ばれたいいいいい」
まさかクラス1人気者のイケメンが、そんなことで泣く姿を見て、僕と迅がドン引きした。
「「……ええ」」
紫音はハンカチを雅也に渡した。
「泣かないで~ 雅也お兄ちゃん??」
その言葉を聞いた瞬間、雅也は鼻血を出してその場に倒れた。
(紫音の笑顔は、この世の法則を変えるくらいには素晴らしいと思ってはいたが、これほどまでの破壊力があるとは……)
迅はティッシュで雅也の鼻を塞ぎ、雅也を担いで部屋を出た。
「か、帰るね~」
「う、うん ありがとう……」
迅は僕と紫音に手を振って、家を出た。
「なんで雅也さんは、鼻血を出したの??」
紫音は疑問そうに質問した。
「いや、紫音…… この世には知らないことの方が幸せな事実もあるんだよ……」
「……?? まあわかった幸せな方が私はいいから聞かない~」
(純粋な妹で、僕は嬉しいよ……)
「あ、そうだ 佳澄さんからお弁当が届いたの!!じゃーん!!」
紫音が蓋を開けると、弁当が2人前入っていた。
「へー 佳澄のやつ優しい一面もあるじゃん~ ……ん」
僕が3段弁当を開けると、2つとも3段目にトマトが敷き詰めてあった。
(あいつ、わかってて入れたな…… まじか、残すのも悪いし……)
「し、紫音ちゃ~ん 世界で1番可愛い紫音ちゃんにトマトをさずk」
紫音は僕の口にトマトを入れた
「栄養なんだからしっかり食べなさい!!」
口の中にトマトの味が広がり、咳き込みそうになった
「げほっ…… 何するんだよ紫音、いや ……食べれる 甘いな、いつもとは違う」
いつもの苦手なあの味とは違い、甘くて食べやすかった。
「佳澄さんが、お兄ちゃんにトマトも美味しいから食べてもらいたくて、朝早くに届けていただいたんだよ~」
(まじか、佳澄あんまり料理とか得意そうじゃないけど、わざわざ作ってくれたのか……)
「学校であったらお礼を言うよ」
「うん!!」
僕たちは2人でお弁当を食べすすめた。
翌日学校に行くと、佳澄がいた。
「昨日はありがと」
「そう、口にあったならよかった」
佳澄にお弁当箱を返すと、後ろから知らない女の子が話しかけてきた。
(見たことないし、年上の先輩とか?)
「うわー この子が私の好きな人に媚びを売っている泥棒はー」
「「ど、どちら様??」」
僕と佳澄は頭を抱えた
「私は2年の和香、私の仲間からの情報で陽翔くんにアピールしてる女がいると聞いてきた」
「え??佳澄そうなの??」
佳澄は腕を振って全力で否定した。
「ぜんっっ全然、違います!!勘違いはやめてください……」
(で、ですよね~)
「まあそれはいいんすけど、先輩になんか言う権利なんてあるんですか??」
「私は1(ファースト)あなたたちは0、力あるものには従うべきでしょう??」
(お前、軍の思想と同じ感じだから 海都にでも見られたら怒られるぞ……)
「なんかうざいし、佳澄 教室行こう~」
「そうだね」
僕たちが去ろうとすると、先輩は佳澄に足をひっかけて転ばせて、ポケットからナイフを取り出した。
「……ちょ、わたしが…… 何をしたって言うんですか……」
「愛しくて、たまらない 陽翔くんは、 ……はぁ、私のものぉぉぉぉ」
佳澄に向かってナイフを落とす直前、僕は地面に魔力を流し 先輩の真下の地面のみ穴を開けた。
2階から1階の廊下に落ち、僕は開いた穴に入った。
「……がっっっ な、何が…… 」
僕は持っていたナイフを捨てた。
「愛しき人を手にするのに、刃物はいらない 必要なのは『思い』と『勇気』それだけだ」
女は立ち上がり、僕に殴りかかった。
「陽翔くんはぁぁぁぁ 私の奴隷になれええええええ」
僕は右手のパンチをかわし、後ろに回り込んで首の後ろを1発叩いた
「ぐっっっ……」
女は気絶し、その場に倒れた。
僕はナイフを拾い、佳澄のところへ行った。
佳澄は泣いていて、体育座りの状態でうずくまっていた
「大丈夫??」
「……っ…… 怖かった、ありがとう……」
佳澄の涙が止まらない、僕はそっと頭を撫でた。
「……やめてよ、 優しくされるの、慣れてないから……」
「そっか、でも無事で本当によかった」
僕は佳澄の手を取り、生徒会室へと向かった。
「はぁ…… はぁ……、っっっ痛っ…… 戻りました……」
「遅かったじゃあーないの、お前の能力で壁飛び越えたらすぐっしょ」
「この怪我で使えませんでした。まあ、休ませてもらいます」
「ま、どんまい」
「そういえば ディザスター、プロメテウスというか 他の町を侵攻する作戦はどうなったんですか??」
「あー、そのことなんだけど 最近幻惑能力の集団が南部で、この中央都市を落とす作戦に動いてるみたいで、プランさん的にはそっちのが危険だから 先に伸ばすみたいだ」
「そもそも、ディザスターを回収しに行った時、東部も落とせていたはずなのに何故撤退したのです??」
「これもプランさんの指示だ、俺もさっぱりだがな」
「3(サード)を相手に動けないのにそれ以上に危険なやつってことですか??」
「ああ 詳しいことはわからんが、噂によれば……」
鳥の鳴き声で目が覚めた、あの後どれくらい寝たんだろう??
僕はスマホを取って、日時を確認した。
「日曜日、なんだ1日しか経ってないじゃん」
僕が独り言を言っていると、部屋のドアが開いた。
「気がついたか……」
「おはよー 陽翔くん 心配できちゃったー」
雅也と迅は僕の元へとやってきた
「お前ら来てたのか…… っっっ…… いってぇ…… 」
腕や背中のあちこちが痛み、体が起こせない。
「まだ回復し切ってないんだろ??無理するな」
僕が体を倒すと、迅が布団をかけた
「ありがと」
「うん!!それより外部の3(サード)相手にいい勝負したんだって??」
(頭に銃弾を受けた後のことは何も覚えていない、そう言われれば頭の傷も完治しているな……)
「それが全然思い出せなくてさ、僕って負けたんじゃないの??」
「いや、海都さんがロザリオを持ってきたから、勝ったはずだと思う」
(まじで何があったんだろ、まあ回収に成功したならいいか)
僕たちが話していると、紫音が部屋に入ってきた。
「あ、お兄ちゃん おかえり~ よかった無事で~」
「ああ、ただいま 紫音」
紫音は僕に栄養剤を持ってきた。
「はい どうぞ!!」
「ありがと」
僕が紫音にお礼をいうと、雅也がこっちにきた
「うう、俺だけ一人っ子……」
「そうだな、迅は確か弟か兄がいたよね??」
「うん、お兄ちゃんだね」
雅也が涙を流した
「おーれーも、おにいいいちゃんって呼ばれたいいいいい」
まさかクラス1人気者のイケメンが、そんなことで泣く姿を見て、僕と迅がドン引きした。
「「……ええ」」
紫音はハンカチを雅也に渡した。
「泣かないで~ 雅也お兄ちゃん??」
その言葉を聞いた瞬間、雅也は鼻血を出してその場に倒れた。
(紫音の笑顔は、この世の法則を変えるくらいには素晴らしいと思ってはいたが、これほどまでの破壊力があるとは……)
迅はティッシュで雅也の鼻を塞ぎ、雅也を担いで部屋を出た。
「か、帰るね~」
「う、うん ありがとう……」
迅は僕と紫音に手を振って、家を出た。
「なんで雅也さんは、鼻血を出したの??」
紫音は疑問そうに質問した。
「いや、紫音…… この世には知らないことの方が幸せな事実もあるんだよ……」
「……?? まあわかった幸せな方が私はいいから聞かない~」
(純粋な妹で、僕は嬉しいよ……)
「あ、そうだ 佳澄さんからお弁当が届いたの!!じゃーん!!」
紫音が蓋を開けると、弁当が2人前入っていた。
「へー 佳澄のやつ優しい一面もあるじゃん~ ……ん」
僕が3段弁当を開けると、2つとも3段目にトマトが敷き詰めてあった。
(あいつ、わかってて入れたな…… まじか、残すのも悪いし……)
「し、紫音ちゃ~ん 世界で1番可愛い紫音ちゃんにトマトをさずk」
紫音は僕の口にトマトを入れた
「栄養なんだからしっかり食べなさい!!」
口の中にトマトの味が広がり、咳き込みそうになった
「げほっ…… 何するんだよ紫音、いや ……食べれる 甘いな、いつもとは違う」
いつもの苦手なあの味とは違い、甘くて食べやすかった。
「佳澄さんが、お兄ちゃんにトマトも美味しいから食べてもらいたくて、朝早くに届けていただいたんだよ~」
(まじか、佳澄あんまり料理とか得意そうじゃないけど、わざわざ作ってくれたのか……)
「学校であったらお礼を言うよ」
「うん!!」
僕たちは2人でお弁当を食べすすめた。
翌日学校に行くと、佳澄がいた。
「昨日はありがと」
「そう、口にあったならよかった」
佳澄にお弁当箱を返すと、後ろから知らない女の子が話しかけてきた。
(見たことないし、年上の先輩とか?)
「うわー この子が私の好きな人に媚びを売っている泥棒はー」
「「ど、どちら様??」」
僕と佳澄は頭を抱えた
「私は2年の和香、私の仲間からの情報で陽翔くんにアピールしてる女がいると聞いてきた」
「え??佳澄そうなの??」
佳澄は腕を振って全力で否定した。
「ぜんっっ全然、違います!!勘違いはやめてください……」
(で、ですよね~)
「まあそれはいいんすけど、先輩になんか言う権利なんてあるんですか??」
「私は1(ファースト)あなたたちは0、力あるものには従うべきでしょう??」
(お前、軍の思想と同じ感じだから 海都にでも見られたら怒られるぞ……)
「なんかうざいし、佳澄 教室行こう~」
「そうだね」
僕たちが去ろうとすると、先輩は佳澄に足をひっかけて転ばせて、ポケットからナイフを取り出した。
「……ちょ、わたしが…… 何をしたって言うんですか……」
「愛しくて、たまらない 陽翔くんは、 ……はぁ、私のものぉぉぉぉ」
佳澄に向かってナイフを落とす直前、僕は地面に魔力を流し 先輩の真下の地面のみ穴を開けた。
2階から1階の廊下に落ち、僕は開いた穴に入った。
「……がっっっ な、何が…… 」
僕は持っていたナイフを捨てた。
「愛しき人を手にするのに、刃物はいらない 必要なのは『思い』と『勇気』それだけだ」
女は立ち上がり、僕に殴りかかった。
「陽翔くんはぁぁぁぁ 私の奴隷になれええええええ」
僕は右手のパンチをかわし、後ろに回り込んで首の後ろを1発叩いた
「ぐっっっ……」
女は気絶し、その場に倒れた。
僕はナイフを拾い、佳澄のところへ行った。
佳澄は泣いていて、体育座りの状態でうずくまっていた
「大丈夫??」
「……っ…… 怖かった、ありがとう……」
佳澄の涙が止まらない、僕はそっと頭を撫でた。
「……やめてよ、 優しくされるの、慣れてないから……」
「そっか、でも無事で本当によかった」
僕は佳澄の手を取り、生徒会室へと向かった。
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