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人見知りツンデレ
しおりを挟むあれから再び部屋に集まってきたメイドさんたちに肌を揉まれ体をあらわれ、揉みくちゃにされている間、私は悶々と考え込んでいた。
……夢?かなぁ…
私は美少女は眺めて萌えるタイプだったけど、まさかなりたい願望が…?!
夢だと頬をつねっても痛くないとか言うけど、あれってホントなのかな?
頬をつねってみる。
…いたぁーい(泣)
私の中で夢という信憑性が少し下がった。
まぁ、他にあり得るとするなら…。
「異世界転生系…?」
すると3人係で私の髪を梳かしていたメイドさんの1人が手を止め、
「お嬢様…?何か仰りましたか?」
と言った。
おっといけない、口に出ていたようだ。
『なんでもないわ、気にしないで。忙しいでしょ?』
「こんなことを気にするなんて、余程暇なようね?」
あ"ぁぁぁぁぁぁ~っ!!!
この忌々しい口!どうにか出来ないもんかなぁ!
「もっ、申し訳ございませんでした…っ!」
ほらぁーっ!俯いて涙目になってるじゃん!!
うわぁぁぁぁぁっ、ごめんね可愛いメイドさん!怒ってるつもりないの!ぶん殴ってやる私!
そんな事を悶々と考えていると、胸の中にスッと入ってきた感情に気がついた。
…胸が痛い…悲しい、心配?
これは…元の持ち主の感情?
こんな高圧的な口調になってしまうのは何か理由があるのかなぁ…。
やがてご飯のための準備が終わり、クールメイドを除きメイド達が全員部屋を出ていった。
「お疲れ様でした、お嬢様。」
「ええ、もうホントよ~っ、疲れたったらありゃしないわぁ~…。」
………?
えっ
「お嬢様、今日は口調が年配の方寄りですね。」
ん?
「後1時間で公爵様との食事です。」
私、普通に話せてる…?!
「あ、あのぉ…、少しよろしいでしょうか…?」
「何でしょう、お嬢様。使用人に敬語は必要ありません。」
クールメイドは顔を上げて首を傾げる。相変わらず表情筋はピクリとも動かない。
「なんで、私普通に話せて…。」
あっ、こんなことメイドさんに聞いても意味無いかぁーっ、変な子認定されたかも、たはは…。
「お嬢様が私に慣れているからかと。」
へっ?!
「傍付きのメイドは私を含めて二人、もう1人は実家へ帰省のためここを離れておりますが、お嬢様がしっかりと話せるのは私を含めてこの二人なので、間違いないかと。」
ん?
「しかしお嬢様、前はよくこの事で泣きついて来ておられたのに、いきなり質問とは急にどう致しましたか?」
「え、えーと…今の状況を整理しておきたいなー、みたいな?」
「なるほど、承知致しました。」
そう言ってクールメイドは1歩後ろに下がった。
今、私の目の前には宇宙が広がっている。
人がいるとこではちゃんと話せない、態度が高圧。
……つまりこの体の持ち主は、超人見知りのツンデレって事ですか…。
おー、のーぅ……。
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