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やんごとなき依頼者
思わぬ失態
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結局持ち帰らされた『アトラスの真珠』を入れた革の函を、ため息まじりにながめているとユーリが向かい合わせて座ったまま、不思議です、と呟いた。
「ゲームに出てきたクローディアスと、マルセル会長って、別人くらい違いますよね」
ゲーム?とロビンが尋ねると、ええ、とユーリは頷く。
「僕が試作品を試していた携帯ゲーム…物語のついた陣取りゲームなんですが、そこにクローディアス・マルセルというキャラが出てくるんですよね…」
そこで、私はエリーゼの言っていた話を思い出した。エリーゼは違う場所から異世界へとばされたユーリを見ていたという。入れ子構造になっていて、その中心に私たちがいるような感じなのだろうか?
複雑な図式すぎて、あまり理解がおいつかないが。
「さっきもヴィルヘルム皇太子にそれ、着けろって言われて、ヒイヒイ言ってたでしょう?」
ヒイヒイは酷すぎる。たしかにかなり焦ったのは確かで、しどろもどろだったとは思うが。
「ゲームのクローディアスはもっとこう、バーンて叩き返して、『無礼だ!』くらい言いそうだったし、何よりもっと野心的だったと思うんですよね」
そりゃあそうだろう、とロビンは首をかしげた。
「会長は物語の登場人物なんかじゃなく、いまここで生きてるんだからな。」
ロビン、本当にきみはいいこと言うな…と、感動でじぃんとしていると、ユーリは
「あれですよね、わりと会長は、気が小さいですよね」
酷いな。
「ユーリ、お前は少し無礼じゃないか?まあ、そういう面もあるが」
ロビンがかばってはくれるが、何か言うべきなのかしばらく迷っていると
「スミマセン。うーん、まあ、体育会系であんまり学がないものでどうしても…やっぱ無礼でしたよね…少し年下だと思って気楽になっちゃってるのかな」
年下?ユーリは見た目15、6歳位に見えているのだけれど?背丈は私より少し小さいし、顔立ちも幼くはみえる。
「君は幾つなのかな?」
私は革の函をそろっと脇において、身を乗り出した。
「22です。学校を出てすぐ地元から離れてでかい工場で住み込みで働いてたんですけど、うっかり転移しちゃった?みたいで…そういやあの給料、もってこれなかったな…」
22!!ヴィルヘルム皇太子より歳上だったのか。目を円くしていると、
「すみません、自分の事ばかり話しましたね」
とユーリはわらった。
むしろ、6つも年下の私に馴れ馴れしく呼び止められて優しく対応しているユーリは、いくら私が貴族だからと言ってもかなり心が広い。エリーゼがユーリを好くはずだ、私のような狭量な子供など太刀打ちできようはずもない…
気づかずおこした失態に呆然としていると、ユーリは私に
「でも貴方が会長で、僕が新入生なのは、変わりありませんよ。社会にでればそんなことはよくあります、気にしないでください」
大人の対応だ。
「社会にでれば……か、そうだね…」
見るからに凹んでみえたのか、ロビンが肩を叩いてくれた。チラリと見ると、何故かわらっている。
「非道いな、なんでわらっているんだい?」
そう言って責めると、ロビンは
「あんたがそんななの、知らねえ奴が多いからさ。ユーリ師匠が気づいてくれて俺は嬉しいね」
師匠?奇妙なあだ名がついた気がしたが、それに何か言う前に、馬車は学園の車止めに入って止まった。
「ゲームに出てきたクローディアスと、マルセル会長って、別人くらい違いますよね」
ゲーム?とロビンが尋ねると、ええ、とユーリは頷く。
「僕が試作品を試していた携帯ゲーム…物語のついた陣取りゲームなんですが、そこにクローディアス・マルセルというキャラが出てくるんですよね…」
そこで、私はエリーゼの言っていた話を思い出した。エリーゼは違う場所から異世界へとばされたユーリを見ていたという。入れ子構造になっていて、その中心に私たちがいるような感じなのだろうか?
複雑な図式すぎて、あまり理解がおいつかないが。
「さっきもヴィルヘルム皇太子にそれ、着けろって言われて、ヒイヒイ言ってたでしょう?」
ヒイヒイは酷すぎる。たしかにかなり焦ったのは確かで、しどろもどろだったとは思うが。
「ゲームのクローディアスはもっとこう、バーンて叩き返して、『無礼だ!』くらい言いそうだったし、何よりもっと野心的だったと思うんですよね」
そりゃあそうだろう、とロビンは首をかしげた。
「会長は物語の登場人物なんかじゃなく、いまここで生きてるんだからな。」
ロビン、本当にきみはいいこと言うな…と、感動でじぃんとしていると、ユーリは
「あれですよね、わりと会長は、気が小さいですよね」
酷いな。
「ユーリ、お前は少し無礼じゃないか?まあ、そういう面もあるが」
ロビンがかばってはくれるが、何か言うべきなのかしばらく迷っていると
「スミマセン。うーん、まあ、体育会系であんまり学がないものでどうしても…やっぱ無礼でしたよね…少し年下だと思って気楽になっちゃってるのかな」
年下?ユーリは見た目15、6歳位に見えているのだけれど?背丈は私より少し小さいし、顔立ちも幼くはみえる。
「君は幾つなのかな?」
私は革の函をそろっと脇において、身を乗り出した。
「22です。学校を出てすぐ地元から離れてでかい工場で住み込みで働いてたんですけど、うっかり転移しちゃった?みたいで…そういやあの給料、もってこれなかったな…」
22!!ヴィルヘルム皇太子より歳上だったのか。目を円くしていると、
「すみません、自分の事ばかり話しましたね」
とユーリはわらった。
むしろ、6つも年下の私に馴れ馴れしく呼び止められて優しく対応しているユーリは、いくら私が貴族だからと言ってもかなり心が広い。エリーゼがユーリを好くはずだ、私のような狭量な子供など太刀打ちできようはずもない…
気づかずおこした失態に呆然としていると、ユーリは私に
「でも貴方が会長で、僕が新入生なのは、変わりありませんよ。社会にでればそんなことはよくあります、気にしないでください」
大人の対応だ。
「社会にでれば……か、そうだね…」
見るからに凹んでみえたのか、ロビンが肩を叩いてくれた。チラリと見ると、何故かわらっている。
「非道いな、なんでわらっているんだい?」
そう言って責めると、ロビンは
「あんたがそんななの、知らねえ奴が多いからさ。ユーリ師匠が気づいてくれて俺は嬉しいね」
師匠?奇妙なあだ名がついた気がしたが、それに何か言う前に、馬車は学園の車止めに入って止まった。
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