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秘密の引き出し
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最近、ママの様子がおかしい。
以前に比べてボンヤリすることが多くて、料理を焦がしたり、雨が降っているのに洗濯物を取り込み忘れたり、しっかり者のママらしくない。
何かあったのかな?
ママに直接聞いてみても、いつも美華ちゃんには関係無い話しよ、とはぐらかされてしまう。
私には、本当に何もできないのかな?パパもママも大好きなのに。
終業のチャイムが鳴り、校門からはたくさんの学生がそれぞれ帰宅したり、遊びに行ったり、塾へ向かったりして賑わっていた。
「ねぇ、美華。今日、これから一緒に宿題やらない?」
「いいわよ。」
「じゃあ、美華の豪邸へレッツゴー!」
「え?何で私の家なのよ?」
「だって、美華の家って事典とか本がたくさんあって、調べ物するのに便利じゃない。」
悪友の倫子は、私の承諾など得ずにさっさと先に行ってしまう。まぁ、それはいつもの調子なので、あたしもしょうがないなー、と半ば諦めムードだった。
家に帰り玄関に入るなり、倫子は「お邪魔しまーす」と言って靴を脱ぎ捨て、おかまいなくあたしの部屋へと向かう。まるで、自分の家のようだ。
なぜ、あたし達が家で宿題をするかと言うと、倫子が言うように家には本がたくさんあるからだ。最近は、スマホで何でも調べられるが、事典でないとわからないこともあるし、資料をスキャンする必要もあるから、あたし達はいつもこうして一緒に宿題をすることが恒例となっていた。
「ねぇ、これってどういうことかな?」
倫子があたしに聞いてくる。どうやらスマホだけでは分かりづらいらしい。
「じゃあ、あたし、辞書を探してくるわ。」
あたしはそう言って、パパの書斎にある辞書を取りに行った。
パパは凄い本好きで、書斎には天井まで届く大きな本棚があり、びっしりと本が詰め込まれていて、入りきらない本が床に山積みにされている。
あたしは脚立に乗って、いちばん高い棚の事典に手をかける。
すると、目的の事典と一緒に隣の本まで抜けてしまい、床に落としてしまう。
「あーぁ、大丈夫かな?」
脚立を降りて床に落ちた本を拾うと、あたしは本をめくって傷んだりしてないか確認してみた。
すると、本から鍵が一本滑り落ちて床にバウンドした。
「なんだろう?どこの鍵?」
その時、倫子が様子を見に書斎に入ってきた。
私は拾った鍵をポケットに入れて書斎を出た。
倫子が帰ったあと、あたしは拾った鍵がどこの鍵か考えてみた。あんな所に閉まってある鍵だから、きっと大事な鍵なのだろう。
あたしは一つ、心当たりを思い出した。
子供の頃から不思議に思っていた場所。
書斎の机の鍵のかかった引き出し。
もしかしたらそこの鍵なのではないだろうか?
あたしは、ちょっとした好奇心から、その引き出しの中を見てみたい衝動にかられた。
そしてママが寝たあと、あたしは書斎のドアを開けて引き出しの鍵穴に鍵を差し込んで捻ってみた。
鍵が乾いた音を立てて解錠された。
「開いた・・・。」
あたしは、そっと引き出しを開けてみる。
引き出しの中は、いろいろな物が雑然と入れてあり、おおよそ大切な物が入っているようには思えなかった。
あたしは、引き出しの中の物を一つづつ出してみた。
すると、引き出しのいちばん奥底に、小さな可愛らしい箱があった。
あたしはその箱を取り出して蓋を開けてみた。
箱の中身はパパの学生時代の写真が数枚。どれもパパが女の子と写っている。当時の彼女かな?
あれ?何か新聞の切り抜きみたいな物も入っている。
その切り抜きを広げて見てみると、そこにはパパと一緒に写っている女の子が殺されたという記事があった。
写真に写っている5人が、全員殺されているか、自殺しているか、事故に遭って死んでいる。
いったいこれはどういう意味なのだろう?
あたしはそれらの写真と切り抜きを、全て写真に撮って、引き出しの奥底に戻した。
この女の子達の死んだことと、パパがどんな関わりがあるのか、あたしはその日の夜は不安と恐怖で眠れなかった。
以前に比べてボンヤリすることが多くて、料理を焦がしたり、雨が降っているのに洗濯物を取り込み忘れたり、しっかり者のママらしくない。
何かあったのかな?
ママに直接聞いてみても、いつも美華ちゃんには関係無い話しよ、とはぐらかされてしまう。
私には、本当に何もできないのかな?パパもママも大好きなのに。
終業のチャイムが鳴り、校門からはたくさんの学生がそれぞれ帰宅したり、遊びに行ったり、塾へ向かったりして賑わっていた。
「ねぇ、美華。今日、これから一緒に宿題やらない?」
「いいわよ。」
「じゃあ、美華の豪邸へレッツゴー!」
「え?何で私の家なのよ?」
「だって、美華の家って事典とか本がたくさんあって、調べ物するのに便利じゃない。」
悪友の倫子は、私の承諾など得ずにさっさと先に行ってしまう。まぁ、それはいつもの調子なので、あたしもしょうがないなー、と半ば諦めムードだった。
家に帰り玄関に入るなり、倫子は「お邪魔しまーす」と言って靴を脱ぎ捨て、おかまいなくあたしの部屋へと向かう。まるで、自分の家のようだ。
なぜ、あたし達が家で宿題をするかと言うと、倫子が言うように家には本がたくさんあるからだ。最近は、スマホで何でも調べられるが、事典でないとわからないこともあるし、資料をスキャンする必要もあるから、あたし達はいつもこうして一緒に宿題をすることが恒例となっていた。
「ねぇ、これってどういうことかな?」
倫子があたしに聞いてくる。どうやらスマホだけでは分かりづらいらしい。
「じゃあ、あたし、辞書を探してくるわ。」
あたしはそう言って、パパの書斎にある辞書を取りに行った。
パパは凄い本好きで、書斎には天井まで届く大きな本棚があり、びっしりと本が詰め込まれていて、入りきらない本が床に山積みにされている。
あたしは脚立に乗って、いちばん高い棚の事典に手をかける。
すると、目的の事典と一緒に隣の本まで抜けてしまい、床に落としてしまう。
「あーぁ、大丈夫かな?」
脚立を降りて床に落ちた本を拾うと、あたしは本をめくって傷んだりしてないか確認してみた。
すると、本から鍵が一本滑り落ちて床にバウンドした。
「なんだろう?どこの鍵?」
その時、倫子が様子を見に書斎に入ってきた。
私は拾った鍵をポケットに入れて書斎を出た。
倫子が帰ったあと、あたしは拾った鍵がどこの鍵か考えてみた。あんな所に閉まってある鍵だから、きっと大事な鍵なのだろう。
あたしは一つ、心当たりを思い出した。
子供の頃から不思議に思っていた場所。
書斎の机の鍵のかかった引き出し。
もしかしたらそこの鍵なのではないだろうか?
あたしは、ちょっとした好奇心から、その引き出しの中を見てみたい衝動にかられた。
そしてママが寝たあと、あたしは書斎のドアを開けて引き出しの鍵穴に鍵を差し込んで捻ってみた。
鍵が乾いた音を立てて解錠された。
「開いた・・・。」
あたしは、そっと引き出しを開けてみる。
引き出しの中は、いろいろな物が雑然と入れてあり、おおよそ大切な物が入っているようには思えなかった。
あたしは、引き出しの中の物を一つづつ出してみた。
すると、引き出しのいちばん奥底に、小さな可愛らしい箱があった。
あたしはその箱を取り出して蓋を開けてみた。
箱の中身はパパの学生時代の写真が数枚。どれもパパが女の子と写っている。当時の彼女かな?
あれ?何か新聞の切り抜きみたいな物も入っている。
その切り抜きを広げて見てみると、そこにはパパと一緒に写っている女の子が殺されたという記事があった。
写真に写っている5人が、全員殺されているか、自殺しているか、事故に遭って死んでいる。
いったいこれはどういう意味なのだろう?
あたしはそれらの写真と切り抜きを、全て写真に撮って、引き出しの奥底に戻した。
この女の子達の死んだことと、パパがどんな関わりがあるのか、あたしはその日の夜は不安と恐怖で眠れなかった。
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