かわいそうな欲しがり妹のその後は ~ 王子様とは結婚しません!

柚屋志宇

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02話 哀れなピエロ

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「背丈は同じくらいなんだから、大体合うわよ」

「大体では駄目なの。デイジー、道化ピエロになるつもり?」

「ピエロって何よ! 馬鹿にしないで!」

 デイジーはイキリ立ちました。

「ぴったりのサイズの服でないことは、貴族にはとても恥ずかしいことなのよ」

 私は真摯に説明しました。

「サイズが合っていない服を着ているということは、新しく服を仕立てるお金が無いということですもの。見下されて笑われるだけよ」

「……っ!」

「それに私が夜会や茶会で一度着たドレスですもの。ドレスを覚えている者もいるかもしれないわ。私が以前に着ていたドレスだと気付いたら、みんな『お似合いです』って口では言いながら、『平民には古着がお似合い』って腹の中では見下して嘲笑うのよ。公爵家でデイジーは軽んじられていると判断して、無礼なことをしてくる者もいるかもしれないわ」

「……」

 デイジーは私の言うことを理解したのか、だんだん顔色を悪くしました。

「ねえ、デイジー……」

 何となく予感はありましたが、私は一応デイジーに確認してみました。

「貴女はお父様にドレスを仕立ててもらった?」

「……」

 デイジーは押し黙り、表情を暗くしました。

「仕立ててもらっていないのね。可哀想に」
「……」
「貴族はね、古着は使用人に下げ渡すの。古着を貰って喜ぶのは使用人よ。お父様はデイジーを使用人と同じに扱って虐待しているのよ」
「……何よ、それ……」

 デイジーはようやく状況が解って来たのか、眉を歪めました。

「貴族ってどんだけ贅沢なのよ! しかも性格悪すぎ!」
「可哀想なデイジー……」

 世にも哀れな話に、私は涙をそそられました。

「デイジー、私が貴女にドレスを仕立ててあげるわね」

 私はデイジーにドレスをプレゼントすることにしました。
 私は貴族の娘ですから日ごろから慈善活動に勤しんでいます。
 可哀想な人に寄付をすることは呼吸をするように自然なことなのです。

「それからね、デイジー、変な声を出すのはお止めなさい」

「へ?」

 デイジーはまた『へ?』と変な声を出しました。

「ほら、それ、みっともないわよ」
「な、なによ! お上品ぶって威張っちゃって!」

「あのね、汚い言葉を使ったら『これだから育ちが悪い平民は』ってみんなが貴女を見下すわよ。貴女はエンフィールド公爵の養女になったの。貴族になったのよ。だから言葉遣いに気を付けなさい。隙を見せては駄目よ。……ねえ、デイジー」

 私は当初から疑問に思っていたことをデイジーに尋ねました。

「家庭教師はつけてもらったの?」
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