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73話 政争
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王宮の園遊会はてんやわんやの騒ぎでしたが、結果的には大したお咎めも無く収まりました。
しかし丸く収まるまでの水面下では色々とありました。
まず国王陛下は激怒なさいました。
「不敬にも程があろう!」
園遊会で見苦しい騒動を起こされて権威に泥を塗られ、自慢のピンク色の水蓮も台無しにされたのですから当然の反応です。
「相応の処罰は覚悟していような!」
大臣たちも居並ぶ中に、国王陛下は、池に飛び込んだ令息たちと、その親たちを呼び出し、叱責しました。
その中にはもちろんバジル様とその親である王弟殿下もいらっしゃいます。
「お言葉ですが陛下、あれは危急の事態であり、彼らの行動は王家への忠義によるもの。臣下たちの忠義の行動を、作法違反であるからと無下になさるのは無情でございましょう」
王弟殿下は涼しい顔で、池に飛び込んだ令息たちの行動を、王家への忠義からの行動であるとして、国王陛下に反論しました。
「乱心したシスル王子殿下が池に身投げしようとしたのです。バジルたちはシスル王子殿下の危険行為をお止めするために身を挺し、その結果、池に落ちたのです」
王弟殿下のその主張に、財務大臣ドラセナ侯爵も同調して、池に飛び込んだ令息たちを弁護しました。
「陛下、臣下たちの忠義からの行動を罰するのは如何なものかと。彼らは王子殿下たちをお救いするため池に飛び込んだのですぞ」
王子殿下たちをお救いするためだった、という大義名分を王弟殿下やドラセナ侯爵たちは掲げました。
王弟殿下と宰相閣下の協力を得ているドラセナ侯爵の指揮の下、すでに令息たちとその親たちは一致団結していました。
彼らは口裏を合わせて、池に飛び込んだ子息の忠義を主張しました。
「我が息子は、シスル王子殿下をお救いせねばと必死だったのでございます」
「緊急事態であれば仕方のないことですな」
「身を挺して王子殿下の事故を防いだ、これは忠義の行動でしょう」
幾人かの大臣の令息や親戚の子息もデイジーに求婚中で、池に飛び込んでおりましたので、宰相をはじめとする大臣のほとんどが令息の親たちの主張を後押ししました。
「ドラセナ侯爵は官職をエサにして、令息たちを私にけしかけたのだ!」
シスル王子殿下はそう主張なさいましたが。
「身に覚えのないことにございます」
「何のことやら」
ドラセナ侯爵も令息たちも、シスル王子殿下の主張を否定なさいました。
当然ですよね。
しかも口約束ですから証拠もありません。
「シスル王子殿下、証拠もない不当な言いがかりで、今度は大臣を叛逆者として処罰なさるおつもりか?」
シスル王子殿下の証言は、宰相や大臣たち、そしてそれぞれの家の家長たちの失笑を買って終わりました。
国王陛下と、王妃殿下の実家の侯爵家はシスル王子殿下を支持しましたが。
しかし多勢に無勢な上、大した罪もない元婚約者の令嬢に叛逆罪の汚名を着せた前科をあげつらわれ、シスル王子殿下は敗北しました。
「我が息子も同じです」
「父の言う通り、私も必死でございました」
ウィード公爵とその嫡子カルドン様も、アイヴィー王子殿下の乱心を主張して、王弟殿下やドラセナ侯爵たちの主張に同調しました。
「アイヴィー王子殿下が池に身投げなさろうとしておられましたので、これは一大事であると、必死にお止めしたのでございます」
「カルドン、貴様ぁ! しらじらしい言い訳をするな!」
ウィード公爵令息カルドン様の主張を、アイヴィー王子殿下は感情的に批判しましたが、バジル様がカルドン様に加勢しました。
「私もその現場におりました。乱心したアイヴィー王子殿下が池に飛びこもうとなさったので、私もアイヴィー王子殿下をお止めしようとしたのです。カルドン殿の活躍でアイヴィー王子殿下の安全を確保することができました」
また我がエンフィールド公爵家は、園遊会の直後に、国王陛下に抗議文を送っていました。
父親の了承を得て求婚をしているわけでもない王子殿下たちが、デイジーを誘惑しようとした不埒な行いについての抗議です。
「陛下、王子殿下たちのエンフィールド公爵令嬢に対する不品行を、よもや、正気の沙汰での行いであったとおっしゃるのですか?」
「ぐ……」
このエンフィールド公爵家からの、王子殿下たちの不品行についての王家への抗議文の存在により、王子殿下たちの乱心を国王陛下は認めざるを得なくなりました。
乱心していたのでなければ、未婚の娘を拐かそうとした意図的な不良行為となりますので。
かつて王子殿下たちに婚約破棄をされたご令嬢たちの家、ウィード公爵、ドラセナ侯爵、カポック伯爵、クテナンテ伯爵の四家も、この期に乗じて王子殿下たちの不良行為をあげつらいました。
ここでも、かつてバジル様と小娘ミモザが作成した調書が活躍したようです。
被害者の令嬢たちから、王子殿下たちの不品行についての証言がありましたからね。
そのため国王陛下は、苦肉の策として王子殿下たちの乱心を認めました。
「ウィードの企みだ! ダリアと婚約破棄したことをウィードは逆恨みして、私を陥れようとしているのだ!」
アイヴィー王子殿下はそう主張なさいましたが、これも貴族たちの失笑を買うだけで終わりました。
しかし丸く収まるまでの水面下では色々とありました。
まず国王陛下は激怒なさいました。
「不敬にも程があろう!」
園遊会で見苦しい騒動を起こされて権威に泥を塗られ、自慢のピンク色の水蓮も台無しにされたのですから当然の反応です。
「相応の処罰は覚悟していような!」
大臣たちも居並ぶ中に、国王陛下は、池に飛び込んだ令息たちと、その親たちを呼び出し、叱責しました。
その中にはもちろんバジル様とその親である王弟殿下もいらっしゃいます。
「お言葉ですが陛下、あれは危急の事態であり、彼らの行動は王家への忠義によるもの。臣下たちの忠義の行動を、作法違反であるからと無下になさるのは無情でございましょう」
王弟殿下は涼しい顔で、池に飛び込んだ令息たちの行動を、王家への忠義からの行動であるとして、国王陛下に反論しました。
「乱心したシスル王子殿下が池に身投げしようとしたのです。バジルたちはシスル王子殿下の危険行為をお止めするために身を挺し、その結果、池に落ちたのです」
王弟殿下のその主張に、財務大臣ドラセナ侯爵も同調して、池に飛び込んだ令息たちを弁護しました。
「陛下、臣下たちの忠義からの行動を罰するのは如何なものかと。彼らは王子殿下たちをお救いするため池に飛び込んだのですぞ」
王子殿下たちをお救いするためだった、という大義名分を王弟殿下やドラセナ侯爵たちは掲げました。
王弟殿下と宰相閣下の協力を得ているドラセナ侯爵の指揮の下、すでに令息たちとその親たちは一致団結していました。
彼らは口裏を合わせて、池に飛び込んだ子息の忠義を主張しました。
「我が息子は、シスル王子殿下をお救いせねばと必死だったのでございます」
「緊急事態であれば仕方のないことですな」
「身を挺して王子殿下の事故を防いだ、これは忠義の行動でしょう」
幾人かの大臣の令息や親戚の子息もデイジーに求婚中で、池に飛び込んでおりましたので、宰相をはじめとする大臣のほとんどが令息の親たちの主張を後押ししました。
「ドラセナ侯爵は官職をエサにして、令息たちを私にけしかけたのだ!」
シスル王子殿下はそう主張なさいましたが。
「身に覚えのないことにございます」
「何のことやら」
ドラセナ侯爵も令息たちも、シスル王子殿下の主張を否定なさいました。
当然ですよね。
しかも口約束ですから証拠もありません。
「シスル王子殿下、証拠もない不当な言いがかりで、今度は大臣を叛逆者として処罰なさるおつもりか?」
シスル王子殿下の証言は、宰相や大臣たち、そしてそれぞれの家の家長たちの失笑を買って終わりました。
国王陛下と、王妃殿下の実家の侯爵家はシスル王子殿下を支持しましたが。
しかし多勢に無勢な上、大した罪もない元婚約者の令嬢に叛逆罪の汚名を着せた前科をあげつらわれ、シスル王子殿下は敗北しました。
「我が息子も同じです」
「父の言う通り、私も必死でございました」
ウィード公爵とその嫡子カルドン様も、アイヴィー王子殿下の乱心を主張して、王弟殿下やドラセナ侯爵たちの主張に同調しました。
「アイヴィー王子殿下が池に身投げなさろうとしておられましたので、これは一大事であると、必死にお止めしたのでございます」
「カルドン、貴様ぁ! しらじらしい言い訳をするな!」
ウィード公爵令息カルドン様の主張を、アイヴィー王子殿下は感情的に批判しましたが、バジル様がカルドン様に加勢しました。
「私もその現場におりました。乱心したアイヴィー王子殿下が池に飛びこもうとなさったので、私もアイヴィー王子殿下をお止めしようとしたのです。カルドン殿の活躍でアイヴィー王子殿下の安全を確保することができました」
また我がエンフィールド公爵家は、園遊会の直後に、国王陛下に抗議文を送っていました。
父親の了承を得て求婚をしているわけでもない王子殿下たちが、デイジーを誘惑しようとした不埒な行いについての抗議です。
「陛下、王子殿下たちのエンフィールド公爵令嬢に対する不品行を、よもや、正気の沙汰での行いであったとおっしゃるのですか?」
「ぐ……」
このエンフィールド公爵家からの、王子殿下たちの不品行についての王家への抗議文の存在により、王子殿下たちの乱心を国王陛下は認めざるを得なくなりました。
乱心していたのでなければ、未婚の娘を拐かそうとした意図的な不良行為となりますので。
かつて王子殿下たちに婚約破棄をされたご令嬢たちの家、ウィード公爵、ドラセナ侯爵、カポック伯爵、クテナンテ伯爵の四家も、この期に乗じて王子殿下たちの不良行為をあげつらいました。
ここでも、かつてバジル様と小娘ミモザが作成した調書が活躍したようです。
被害者の令嬢たちから、王子殿下たちの不品行についての証言がありましたからね。
そのため国王陛下は、苦肉の策として王子殿下たちの乱心を認めました。
「ウィードの企みだ! ダリアと婚約破棄したことをウィードは逆恨みして、私を陥れようとしているのだ!」
アイヴィー王子殿下はそう主張なさいましたが、これも貴族たちの失笑を買うだけで終わりました。
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