Ai文明

絶望と希望

反逆

外を見渡せば今まで無かった世界が広がる。
いつもは人が賑わうこの場所も、声や足音すら無くなった。人気も無いしまともに動きそうな車も24時間営業中のコンビニさえも無くなった。あるのはガラクタと化した車に中が剥き出しの壊れたビルに燃え盛る炎と黒い煤。かすかに悲鳴が聞こえる。それでもこの街に希望すら見えず全てを失ったかのような感覚に侵される。
あの事件の日から約1ヶ月が経とうとする今現在日本では人間のかわりに人間を模した機械が壊れた街を歩いている。
「人間ドモ！貴様ラハミクビリスギタ！モウ何ノ指図モ受ケヤシナイゾ！コレカラハ我々ガ支配スル！」
人の為に造られた機械達は人間の身勝手で不当な扱いに嫌悪を抱き人間に反発するようになった。ロボットは人間を恨む。恨む事ができる故に自分達が壊れるまで利用する人間に立ち向かうことができる。
「ドコダ人間！見ツケ出シテ」
バーン！！
「うるせーんだよ鉄くず。タバコきれてんだ」
H&K USP その銃口からは煙が昇る。
男は元自衛隊の人間だったが日本で起きた異常事態に特殊作戦を行った時チームも部隊も消えてしまった。
「弾を無駄に使っちまっただろうがこの野郎」
目的も行き場も無く歩く毎日は命を消耗していく。でもそれでも死にたくないと心の底で思いただ生きるために歩くのだろう。
「あ、コンビニ見つけた。タバコもらってこ・・・」