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2章 成長チート
38話 ご褒美(罠)だらけのお勉強
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「パミュ、何だか甘い匂いがしない?」
姫様も気にしているようだけど、アタシもその匂いにお腹が鳴ってしまいそうです。
お腹を押さえていると、姫様が匂いに釣られて扉を開けてしまい、そこにはあの男が座って何やら作っていたの。
「やぁ来たね」
「リイル先生・・・それは何かしら?」
「これはね、クレープと言うんだよ」
小麦を解かした液体を薄く伸ばしていて、その上にフルーツを乗せて、更にアイスと言うウシの乳を冷やして固めた物を乗せていたの。
毒味としてアタシが一口食べて姫様に渡したけど、甘くてとっても美味しかったわ。
「どうかな?」
「とっても美味しいわリイル先生」
「それは良かった、他にも種類があるんだけど・・・食べたい?」
「作ってくれるの?」
姫様が嬉しそうにお願いしたのだけど、あの男はランニングをさぼった事を怒って来て、そんな子にはあげないと断って来たわ。
アタシは、姫様に対して失礼と声を荒げて怒ったのよ。
「パミュさん、僕は訓練が姫様には必要と言ったんだよ、それをさぼらせたらもっと失礼にあたる、分かるよね?」
「分かりません、姫様が苦しい思いをするのなら、他の者が頑張れば良いのです、その為の護衛でしょう」
「確かに、僕は戦場での事を例に挙げたけど、それだけじゃないよ」
この男は、学園での成績の事を心配していて、低すぎたら姫様の悪い噂が流れると言って来たのよ。
学園の成績を言われて、アタシは何も言えなかったけど、睨むだけはしてやったのよ。
「睨まれても未来は変えられないよ、だから辛くても頑張ろうよ」
「疲れるから嫌なのよ」
「じゃあ、頑張ったらクレープをもっと作ってあげるよ」
「ほんとっ!」
姫様がまた嬉しそうにして、あの男は他にもデザートを作る約束をして来たわ。
姫様が頑張る約束をしたけど、今回は本当に続けられそうで、男に乗せられているのが心配になったの。
「姫様、いけません、そのような約束しなくても良いのです」
「良いじゃないパミュ、走るだけでお菓子が食べれるのよ」
「そうですけど、お菓子ならアタシが作ります」
「パミュよりも美味しいのよ、ほら食べてみなさいよ」
姫様にチョコクレープと言う新しい食べ物を受け取り、アタシは食べて止まらなかったわ。
悔しいけど美味しくて、その後は姫様のお部屋に入ってお勉強が始まったのだけど、人の裏を読む練習とか言って、教本を姫様に読んで聞かせたの。
「何だか怖いわリイル先生」
「そうだねベルーナ様、だけどそれに飲まれる事はもっと怖いんだよ」
「そうなの?」
「うん、その為にもよく考えて相手に応えなくてはいけない」
そこでっと、男は変わった石を出して来て、姫様とアタシはジッと見てしまったわ。
それは、さっき廊下でも使っていた物らしく、これが何なのかを男から聞き出すように言って来たの。
「そんなの簡単だわ、教えてよ先生」
「いやいや、そんな直線的じゃ足元を見られるよ」
「じゃあどうすれば良いの?」
「興味を持ってるけど、それほどじゃない感じで話をするのさ」
男はそんな事を言いながら、話題をクレープに持って行き、そこから石がどんな物なのかをちょっとずつ探る手段を姫様に教えたわ。
時には興味を持つように、それでいて話を逸らしたりもしていて、姫様が何だか楽しそうです。
「こんな感じなのね」
「そうだねベルーナ、情報が手に入ったら、次は手に入れるかどうかの話になるけど、正式には貰わずプレゼント的な感じに持って行くんだ」
「なるほど~」
アタシも感心したのだけど、男は信用できないのでずっと警戒はしてて、変な事をしないかを見ていたわ。
でも、ずっとお話をするだけで、結局何事もなく授業は終わったの。
「じゃあ、今日はここまでだね」
「もうお終いなの?リイル先生もう少しお話しましょうよ」
「そうだねベルーナ、つまらない話は終わりにしよう」
「じゃあ、ダンジョンのお話をして、ワタクシ冒険のお話が大好きなの」
姫様が楽しそうで、アタシは紅茶の準備を始めたわ。
お茶をしながら冒険のお話が進んで行き、男がかなりの冒険者だと言うのが分かりました。
「130階?」
「そうだよベルーナ、そこではね、クリスタルの身体をした20m級のトラがボスでね、とても素早くて硬かったんだ」
「凄いのね、それで倒したの?」
「勿論だよ、50人の仲間と共に連携して倒したんだ」
50人でも普通は倒せないと思える感じで、信じられないとは思ったけど、姫様が素材を見たいとお願いしたらクリスタルの牙がテーブルに出されて見惚れてしまったの。
アタシもお茶を淹れる手が止まってしまい、ほんとにすごい人なのが分かったのよ。
「凄いわ、こんな綺麗な品初めて見た」
「良ければお譲りしましょうか?」
「「えっ?」」
「今日のお勉強を頑張ったご褒美と、これからも頑張ってもらう為だよ」
先ほどの勉強では遠回しに言う内容だよねっと、リイル先生は注意して姫様もそれには納得していたわ。
手に入れるには、ああしようこうしようと、リイル先生と楽しくお話をしてて、アタシはイヤな空気を感じたの。
「姫様、お茶のお代わりは要りませんか?」
「お願いするわパミュ、リイル先生もいりますよね」
「じゃあ頂こうかな」
してやったりと思ったけど、リイル先生はニコリとアタシを見て来て、それはアタシの狙いを分かっている感じで嫌な気持ちになったわ。
でも、それに乗って来て他の話題に変えたのを見て、アタシにも教育をしているのが分かったの。
「学園でもこんな事があると言いたいのね」
小声でつぶやいたアタシは、敵はリイル先生ではなく、学園で姫様に近づく者たちなんだと理解したの。
姫様に楽しい学園生活を送って貰う為にも、変な奴らを追い払う為にアタシも勉強する事にしたわ。
「じゃあ、そろそろ僕は戻るけど、次まで訓練を頑張るんだよ」
「はいリイル先生」
「良い返事だねベルーナ、じゃあ次の美味しい食べ物も期待しててね」
訓練をさぼったら、今度こそそれが食べれないとリイル先生が警告して来て、アタシは扉を開けてリイル先生を外に出しました。
本当なら、アタシは睨んで追い出すんですが、その時は笑顔でお見送りをしたんです。
「そう言えばパミュさん、あなたのさっきの行動、素晴らしかったですよ」
「あ、ありがとうございます」
「お礼は要りません、だから学園では姫様を守ってあげてください」
「それは・・・勿論です」
リイル先生は、何だがとても不安そうで、アタシはその表情が目に焼き付いてしまったの。
次に会うまでに、姫様と一緒にランニングをする事になって、アタシはリイル先生に褒められて、ちょっと嬉しかったわ。
姫様も気にしているようだけど、アタシもその匂いにお腹が鳴ってしまいそうです。
お腹を押さえていると、姫様が匂いに釣られて扉を開けてしまい、そこにはあの男が座って何やら作っていたの。
「やぁ来たね」
「リイル先生・・・それは何かしら?」
「これはね、クレープと言うんだよ」
小麦を解かした液体を薄く伸ばしていて、その上にフルーツを乗せて、更にアイスと言うウシの乳を冷やして固めた物を乗せていたの。
毒味としてアタシが一口食べて姫様に渡したけど、甘くてとっても美味しかったわ。
「どうかな?」
「とっても美味しいわリイル先生」
「それは良かった、他にも種類があるんだけど・・・食べたい?」
「作ってくれるの?」
姫様が嬉しそうにお願いしたのだけど、あの男はランニングをさぼった事を怒って来て、そんな子にはあげないと断って来たわ。
アタシは、姫様に対して失礼と声を荒げて怒ったのよ。
「パミュさん、僕は訓練が姫様には必要と言ったんだよ、それをさぼらせたらもっと失礼にあたる、分かるよね?」
「分かりません、姫様が苦しい思いをするのなら、他の者が頑張れば良いのです、その為の護衛でしょう」
「確かに、僕は戦場での事を例に挙げたけど、それだけじゃないよ」
この男は、学園での成績の事を心配していて、低すぎたら姫様の悪い噂が流れると言って来たのよ。
学園の成績を言われて、アタシは何も言えなかったけど、睨むだけはしてやったのよ。
「睨まれても未来は変えられないよ、だから辛くても頑張ろうよ」
「疲れるから嫌なのよ」
「じゃあ、頑張ったらクレープをもっと作ってあげるよ」
「ほんとっ!」
姫様がまた嬉しそうにして、あの男は他にもデザートを作る約束をして来たわ。
姫様が頑張る約束をしたけど、今回は本当に続けられそうで、男に乗せられているのが心配になったの。
「姫様、いけません、そのような約束しなくても良いのです」
「良いじゃないパミュ、走るだけでお菓子が食べれるのよ」
「そうですけど、お菓子ならアタシが作ります」
「パミュよりも美味しいのよ、ほら食べてみなさいよ」
姫様にチョコクレープと言う新しい食べ物を受け取り、アタシは食べて止まらなかったわ。
悔しいけど美味しくて、その後は姫様のお部屋に入ってお勉強が始まったのだけど、人の裏を読む練習とか言って、教本を姫様に読んで聞かせたの。
「何だか怖いわリイル先生」
「そうだねベルーナ様、だけどそれに飲まれる事はもっと怖いんだよ」
「そうなの?」
「うん、その為にもよく考えて相手に応えなくてはいけない」
そこでっと、男は変わった石を出して来て、姫様とアタシはジッと見てしまったわ。
それは、さっき廊下でも使っていた物らしく、これが何なのかを男から聞き出すように言って来たの。
「そんなの簡単だわ、教えてよ先生」
「いやいや、そんな直線的じゃ足元を見られるよ」
「じゃあどうすれば良いの?」
「興味を持ってるけど、それほどじゃない感じで話をするのさ」
男はそんな事を言いながら、話題をクレープに持って行き、そこから石がどんな物なのかをちょっとずつ探る手段を姫様に教えたわ。
時には興味を持つように、それでいて話を逸らしたりもしていて、姫様が何だか楽しそうです。
「こんな感じなのね」
「そうだねベルーナ、情報が手に入ったら、次は手に入れるかどうかの話になるけど、正式には貰わずプレゼント的な感じに持って行くんだ」
「なるほど~」
アタシも感心したのだけど、男は信用できないのでずっと警戒はしてて、変な事をしないかを見ていたわ。
でも、ずっとお話をするだけで、結局何事もなく授業は終わったの。
「じゃあ、今日はここまでだね」
「もうお終いなの?リイル先生もう少しお話しましょうよ」
「そうだねベルーナ、つまらない話は終わりにしよう」
「じゃあ、ダンジョンのお話をして、ワタクシ冒険のお話が大好きなの」
姫様が楽しそうで、アタシは紅茶の準備を始めたわ。
お茶をしながら冒険のお話が進んで行き、男がかなりの冒険者だと言うのが分かりました。
「130階?」
「そうだよベルーナ、そこではね、クリスタルの身体をした20m級のトラがボスでね、とても素早くて硬かったんだ」
「凄いのね、それで倒したの?」
「勿論だよ、50人の仲間と共に連携して倒したんだ」
50人でも普通は倒せないと思える感じで、信じられないとは思ったけど、姫様が素材を見たいとお願いしたらクリスタルの牙がテーブルに出されて見惚れてしまったの。
アタシもお茶を淹れる手が止まってしまい、ほんとにすごい人なのが分かったのよ。
「凄いわ、こんな綺麗な品初めて見た」
「良ければお譲りしましょうか?」
「「えっ?」」
「今日のお勉強を頑張ったご褒美と、これからも頑張ってもらう為だよ」
先ほどの勉強では遠回しに言う内容だよねっと、リイル先生は注意して姫様もそれには納得していたわ。
手に入れるには、ああしようこうしようと、リイル先生と楽しくお話をしてて、アタシはイヤな空気を感じたの。
「姫様、お茶のお代わりは要りませんか?」
「お願いするわパミュ、リイル先生もいりますよね」
「じゃあ頂こうかな」
してやったりと思ったけど、リイル先生はニコリとアタシを見て来て、それはアタシの狙いを分かっている感じで嫌な気持ちになったわ。
でも、それに乗って来て他の話題に変えたのを見て、アタシにも教育をしているのが分かったの。
「学園でもこんな事があると言いたいのね」
小声でつぶやいたアタシは、敵はリイル先生ではなく、学園で姫様に近づく者たちなんだと理解したの。
姫様に楽しい学園生活を送って貰う為にも、変な奴らを追い払う為にアタシも勉強する事にしたわ。
「じゃあ、そろそろ僕は戻るけど、次まで訓練を頑張るんだよ」
「はいリイル先生」
「良い返事だねベルーナ、じゃあ次の美味しい食べ物も期待しててね」
訓練をさぼったら、今度こそそれが食べれないとリイル先生が警告して来て、アタシは扉を開けてリイル先生を外に出しました。
本当なら、アタシは睨んで追い出すんですが、その時は笑顔でお見送りをしたんです。
「そう言えばパミュさん、あなたのさっきの行動、素晴らしかったですよ」
「あ、ありがとうございます」
「お礼は要りません、だから学園では姫様を守ってあげてください」
「それは・・・勿論です」
リイル先生は、何だがとても不安そうで、アタシはその表情が目に焼き付いてしまったの。
次に会うまでに、姫様と一緒にランニングをする事になって、アタシはリイル先生に褒められて、ちょっと嬉しかったわ。
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