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2章 歩み
37話 聖剣を抜いて
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「ここが、教会の本部のある聖都なのね」
ワタシたちは、冒険者ギルドからの伝言を貰って、聖剣を抜きに聖都【ベリアリ】に来ています。
アレストさんが言っていた通り、ワタシたちが旅を始めて半年でお城から手紙が来て、予定通りなのが分かって安心していたの。
「でもよアルシュナ、まだ極闘気使えないよな?」
「そうなのよねぇ」
「ん」
「大丈夫」
「そうなの、アレストさんの予定通りなら平気なの」
みんなはそう言ってくれるけど、聖剣を抜けなかったらどうしようと思っています。
混合闘気を極闘気にしないといけないのに、ワタシは未だに出来てなくてとても不安だったのよ。
「まぁ一発勝負なのは不安だが、アレストの言った通りだろうアルシュナ」
「そうねミネルビル、そこはちょっと安心よ」
お城に顔を出した後、教会に入りながら不安なのに、ワタシはどうしてか凄く落ち着いていました。
たまに宿に届くアレストさんの手紙にもそう書いてあり、いつもそれが間違っていなかったからです。
「でも、これは書いてなかったよな?」
「そうね、ちょっと驚きね」
教会の奥にシスターが案内してくれたんだけど、そこにはワタシたち以外の勇者候補が集まっていて、ワタシたちを見て威嚇してきたわ。
ミネルビルがそれを受けて笑っていて、随分成長したと思ったわね。
「なんだぁお前ら、ここは勇者だけが集まる場所だぞ」
「お前バカか?勇者だからいるんだよ」
「あぁん?お前らなんて知らねぇぞ」
「オレたちだってお前らなんて知らねぇよ、何処の誰さんだよ」
お互い様とか言いたかったんだろうけど、今ミネルビルが睨み合っているのは、勇者候補の中でも最強と言われる男性で、音速のブレッドと言う人です。
他にも爆炎のライブや氷結のシュラインがいて、そのPTはすべて7つ星冒険者だから驚いたのよ。
「止めなさいミネルビル、聖剣を抜きに来ただけでしょ」
「そうだけどよ」
「そちらの人もごめんなさいね」
「けっ!女が抜ける訳ねぇだろう」
代々男が剣を抜いているのは知っていたけど、今回もそうとは限りません。
そして、ワタシたちが冒険者として新参者だから、余計抜けないと思われたのよ。
「それでは、ワタシから挑戦して良いかしら?」
「良いわけねぇだろう、新参者はすっこんでな、まずは俺様が先だ」
ワタシが試せば終わりなのに、どうやらワタシは最後になるようで、男性たちが挑戦を始めました。
それを見て、みんなは首を傾げてきたわね。
「あらあら」
「あれじゃ無理」
「誰も混合闘気使ってないわね」
「だな、あれじゃ抜けねぇよ」
「ダメダメなの~」
レニーでも倒せるとか言って、実力が冒険者のランクとは関係ない事が分かったけど、そもそもワタシたちが強すぎるのも原因でした。
だからこそ、アレストさんはダンジョンを使ってワタシたちを教育してくれたんです。
「余裕でも油断をしないで戦う大切さ、それが良く分かるのが届けられてる手紙なのよね」
どうして泊っている宿が分かるのか分かりませんが、それは戦ったモンスターの事が手紙に書かれていたり、ちょっと油断してると注意の記載で叱られるから、気が気じゃなくて油断は出来ません。
下手をしたら叱りに来てくれるかもしれないから、会いたいときはそうしようとか思っています。
「でも、怒られるのは怖いのよねぇ」
出来るなら褒めてほしいし、夜も一緒が良いので頑張っているんです。
そして、今日は聖剣を抜く大切な日だから、アレストさんならきっと来てくれると期待しています。
「早くしろよなあいつら、いつまで挑戦してんだよ」
「ん」
「早く戻りたい」
みんなもそれが楽しみで、宿に戻ればアレストさんがいると信じています。
普通なら、広い街の1つの宿にいるはずはないのですが、アレストさんなら絶対にいると疑いません。
「くそっ!どうして抜けないんだ」
「どけっ!次はワタシだ」
「その次は自分ですよ、早くしてください」
やっと1人目が終わり、部屋を出ないで見守り始め、ミネルビルは出て行けとか言っていたわ。
でも、結局誰も抜けなくてワタシの出番になったのは、2時間も後だったわよ。
「やっとかよ」
「時間かかり過ぎなの~」
「けっ!女が抜ける訳ねぇだろうが」
「まったくですね、名前も知りませんし、時間の無駄です」
そう思うなら出て行けばいいのに、どうしてか部屋から出ないで見ていました。
そんな中だから緊張してきたんだけど、剣を握ったら力が流れて来てびっくりです。
「なるほど、そう言う事だったのね」
極闘気が使えなかったのは、これが足りなかったのだと、ワタシは混合闘気を使い流れてきた力と合わせたの。
それを見て勇者候補たちが焦り始め、ミネルビルたちは喜んでくれたわ。
「七色のオーラだと!」
「そ、そんな馬鹿な!」
剣を抜き、ワタシは本物の勇者として認められました。
教会の人も驚いていたけど、国に知らせる為部屋を出て行き、ワタシたちも用事が終わったので部屋を出る事にしました。
「お、お前なにもんだ」
「ワタシはアルシュナ、勇者アルシュナよ」
ニコリと宣言して、ミネルビルたちはどや顔で候補さんたちの横を通り過ぎました。
目にもの見せてあげたんだけど、ワタシたちにはそんな事よりも楽しみがあって、宿に急ぎ足で向かいました。
「本当にいるかしらね?」
「いるに決まってるだろうアルシュナ」
「ん」
「きっとケーキも用意してる」
「久しぶりなの~」
久しぶりにアレストさんの料理が食べられると、みんなとてもワクワクしていて、ワタシもそれを疑いませんでした。
宿に到着して、番頭さんにお客さんは来てないか聞いたら、ワタシたちの予想通りの答えが返ってきて、急いで部屋に向かったんです。
「「「「「アレストさん」」」」」
「お帰りみんな、早かったわね」
「「「「「あれ?」」」」」
部屋にいたのはキョウコさんとミイシャル様で、アレストさんがいませんでした。
どうしてここに?っとミネルビルが聞いたら、聖剣を抜いた事を喜んでくれたんです。
「あ、ありがとうございます・・・でも、アレストさんは?」
「ああ、アレストなら今厨房よ」
「アレストはいるんだよな」
「当然よミネルビル、みんなのお祝いだもの今日は楽しみましょう」
ワタシたちだけ楽しむのはダメよっとか、何もかも分かっている感じで、ワタシたちは魔王なんて怖くないと思える空気を感じました。
アレストさんが部屋に来て楽しいお祝いが始まり、その日は聖剣を抜くよりも大切な夜になりました。
ワタシたちは、冒険者ギルドからの伝言を貰って、聖剣を抜きに聖都【ベリアリ】に来ています。
アレストさんが言っていた通り、ワタシたちが旅を始めて半年でお城から手紙が来て、予定通りなのが分かって安心していたの。
「でもよアルシュナ、まだ極闘気使えないよな?」
「そうなのよねぇ」
「ん」
「大丈夫」
「そうなの、アレストさんの予定通りなら平気なの」
みんなはそう言ってくれるけど、聖剣を抜けなかったらどうしようと思っています。
混合闘気を極闘気にしないといけないのに、ワタシは未だに出来てなくてとても不安だったのよ。
「まぁ一発勝負なのは不安だが、アレストの言った通りだろうアルシュナ」
「そうねミネルビル、そこはちょっと安心よ」
お城に顔を出した後、教会に入りながら不安なのに、ワタシはどうしてか凄く落ち着いていました。
たまに宿に届くアレストさんの手紙にもそう書いてあり、いつもそれが間違っていなかったからです。
「でも、これは書いてなかったよな?」
「そうね、ちょっと驚きね」
教会の奥にシスターが案内してくれたんだけど、そこにはワタシたち以外の勇者候補が集まっていて、ワタシたちを見て威嚇してきたわ。
ミネルビルがそれを受けて笑っていて、随分成長したと思ったわね。
「なんだぁお前ら、ここは勇者だけが集まる場所だぞ」
「お前バカか?勇者だからいるんだよ」
「あぁん?お前らなんて知らねぇぞ」
「オレたちだってお前らなんて知らねぇよ、何処の誰さんだよ」
お互い様とか言いたかったんだろうけど、今ミネルビルが睨み合っているのは、勇者候補の中でも最強と言われる男性で、音速のブレッドと言う人です。
他にも爆炎のライブや氷結のシュラインがいて、そのPTはすべて7つ星冒険者だから驚いたのよ。
「止めなさいミネルビル、聖剣を抜きに来ただけでしょ」
「そうだけどよ」
「そちらの人もごめんなさいね」
「けっ!女が抜ける訳ねぇだろう」
代々男が剣を抜いているのは知っていたけど、今回もそうとは限りません。
そして、ワタシたちが冒険者として新参者だから、余計抜けないと思われたのよ。
「それでは、ワタシから挑戦して良いかしら?」
「良いわけねぇだろう、新参者はすっこんでな、まずは俺様が先だ」
ワタシが試せば終わりなのに、どうやらワタシは最後になるようで、男性たちが挑戦を始めました。
それを見て、みんなは首を傾げてきたわね。
「あらあら」
「あれじゃ無理」
「誰も混合闘気使ってないわね」
「だな、あれじゃ抜けねぇよ」
「ダメダメなの~」
レニーでも倒せるとか言って、実力が冒険者のランクとは関係ない事が分かったけど、そもそもワタシたちが強すぎるのも原因でした。
だからこそ、アレストさんはダンジョンを使ってワタシたちを教育してくれたんです。
「余裕でも油断をしないで戦う大切さ、それが良く分かるのが届けられてる手紙なのよね」
どうして泊っている宿が分かるのか分かりませんが、それは戦ったモンスターの事が手紙に書かれていたり、ちょっと油断してると注意の記載で叱られるから、気が気じゃなくて油断は出来ません。
下手をしたら叱りに来てくれるかもしれないから、会いたいときはそうしようとか思っています。
「でも、怒られるのは怖いのよねぇ」
出来るなら褒めてほしいし、夜も一緒が良いので頑張っているんです。
そして、今日は聖剣を抜く大切な日だから、アレストさんならきっと来てくれると期待しています。
「早くしろよなあいつら、いつまで挑戦してんだよ」
「ん」
「早く戻りたい」
みんなもそれが楽しみで、宿に戻ればアレストさんがいると信じています。
普通なら、広い街の1つの宿にいるはずはないのですが、アレストさんなら絶対にいると疑いません。
「くそっ!どうして抜けないんだ」
「どけっ!次はワタシだ」
「その次は自分ですよ、早くしてください」
やっと1人目が終わり、部屋を出ないで見守り始め、ミネルビルは出て行けとか言っていたわ。
でも、結局誰も抜けなくてワタシの出番になったのは、2時間も後だったわよ。
「やっとかよ」
「時間かかり過ぎなの~」
「けっ!女が抜ける訳ねぇだろうが」
「まったくですね、名前も知りませんし、時間の無駄です」
そう思うなら出て行けばいいのに、どうしてか部屋から出ないで見ていました。
そんな中だから緊張してきたんだけど、剣を握ったら力が流れて来てびっくりです。
「なるほど、そう言う事だったのね」
極闘気が使えなかったのは、これが足りなかったのだと、ワタシは混合闘気を使い流れてきた力と合わせたの。
それを見て勇者候補たちが焦り始め、ミネルビルたちは喜んでくれたわ。
「七色のオーラだと!」
「そ、そんな馬鹿な!」
剣を抜き、ワタシは本物の勇者として認められました。
教会の人も驚いていたけど、国に知らせる為部屋を出て行き、ワタシたちも用事が終わったので部屋を出る事にしました。
「お、お前なにもんだ」
「ワタシはアルシュナ、勇者アルシュナよ」
ニコリと宣言して、ミネルビルたちはどや顔で候補さんたちの横を通り過ぎました。
目にもの見せてあげたんだけど、ワタシたちにはそんな事よりも楽しみがあって、宿に急ぎ足で向かいました。
「本当にいるかしらね?」
「いるに決まってるだろうアルシュナ」
「ん」
「きっとケーキも用意してる」
「久しぶりなの~」
久しぶりにアレストさんの料理が食べられると、みんなとてもワクワクしていて、ワタシもそれを疑いませんでした。
宿に到着して、番頭さんにお客さんは来てないか聞いたら、ワタシたちの予想通りの答えが返ってきて、急いで部屋に向かったんです。
「「「「「アレストさん」」」」」
「お帰りみんな、早かったわね」
「「「「「あれ?」」」」」
部屋にいたのはキョウコさんとミイシャル様で、アレストさんがいませんでした。
どうしてここに?っとミネルビルが聞いたら、聖剣を抜いた事を喜んでくれたんです。
「あ、ありがとうございます・・・でも、アレストさんは?」
「ああ、アレストなら今厨房よ」
「アレストはいるんだよな」
「当然よミネルビル、みんなのお祝いだもの今日は楽しみましょう」
ワタシたちだけ楽しむのはダメよっとか、何もかも分かっている感じで、ワタシたちは魔王なんて怖くないと思える空気を感じました。
アレストさんが部屋に来て楽しいお祝いが始まり、その日は聖剣を抜くよりも大切な夜になりました。
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