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【ウィルフレッドside】悪夢にうなされて
しおりを挟む待ってくれ・・・
行くな!
行かないでくれ!!
俺を一人にしないでくれ・・・
シアがいないなんて、もう無理なんだ!!
「・・・うぅ・・・ん・・・シア・・・シアっ!!」
「ウィル?」
「・・・!!」
「怖い夢でも見たの?」
ゆ・・・夢・・・か
よかった・・・夢だった・・・
シアがいた・・・
側にいてくれたのか
あぁ・・・涙が出てきたみたいだな
視界が滲んでいく
「シア・・・よかった・・・シアがいた・・・」
「えぇ、いるわ・・・こんなに汗までかいて・・・よっぽど怖い夢見たのね?震えているわ」
震えている・・・
そうだよな、シアを失うような夢を見たんだ
息が詰まるほど苦しかった
あんな夢、もう懲り懲りだ
シア・・・一人にしないでくれよ?
これでは怖い夢を見て甘えている子どものようだな・・・
しかし、シアは許してくれる
胸に甘えて縋っても
頭を撫でて甘やかしてくれる
「・・・シア・・・」
「大丈夫よ、私は側にいるわ」
「・・・あぁ・・・」
今は甘えさせてくれ
シアを失うのが怖い
襲われたシアはもちろん怖い思いをしただろうし
街に行くのも怖いと感じてしまうようになってしまったかもしれないな
だが、俺も怖い
シアを失うのが怖いんだ
背中の傷はもちろん痛むし、痕が残るだろう
騎士なんて傷を作る事くらい日常茶飯事だ
だから痛みや傷痕くらいなんて事ない
しかし、シアを失うという恐怖は・・・今後ずっと消える事はないのだろうな
怖い事なんて何もなかった
戦いになり敵に攻め込む事も、随分前に恐怖などは薄れて何も厭わなくなったものだ
まさか、自分が毛嫌いしていた女性といういう存在を・・・失うかもしれないという事が、こんなにも恐怖だと感じるとはな・・・
それだけシアが大事で、何物にも変えがたい存在になったと言う事だな・・・
ずっとこうしていたい
甘えてばかりで格好がつかないが・・・
今は離れたくない
シア・・・愛しているんだ・・・
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次回
以前から大変驚いてはおりましたが・・・さらに悪化しているようですね?
応援ありがとうございます!
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