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甘えたい甘やかされたい

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レティシアを抱きしめてご満悦なウィルフレッドは、さわさわとお尻や足を撫でてくる。まさかこのまま始まってしまうのではと、レティシアは焦りを感じていたが、触れていた手が段々と動かなくなっていく。


「ウィル?」

「・・・食べたいな・・・」

「だ、ダメよっ!ちゃんと治ってからじゃないと・・・そ、それに心の準備が!」

「ん?何の話だ?シアは食事をするのに心の準備が必要なのか?」

「へっ?・・・食事・・・」

「あぁ、眠っていたとはいえ、丸二日何も食べていない。流石に腹減ったなと思って・・・」


ウィルフレッドはレティシアを抱きしめ直すとニヤリと笑みを浮かべる。


「何だ?残念そうだな。期待したか?」

「なっ!?残念とかではないわ!ま、紛らわしい言い方するからよ!」

「ははっ、確かにシアも食べてしまいたいが、今はあーんがして貰いたい気分なんだ。甘えたい・・・うん、甘やかされたい」


私室に食事を運んで貰い、レティシアの手を借りてクッションを背に寝台に座るも、ウィルフレッドは不機嫌なそうな表情をする。


「シア、遠い」

「え?」

「なぜ離れるんだ」

「だって、あーんして欲しいんでしょう?抱きしめられたままじゃできないわよ?」

「・・・うっ!」


ウィルフレッドが表情を歪ませたかと思うと前のめりにうずくまった。


「ウィル!?」


レティシアが慌ててウィルフレッドに近づくと、腕を掴まれ気付けば寝台に座るウィルフレッドの膝の上にいた。


「えっ・・・?」

「これならあーんできるだろう?」

「ちょ、ちょっと、ウィル!怪我してるのよ、下ろして!」

「嫌だ」

「・・・はぁ、わかったわ。今はとことん甘える気なのね?」

「そう言う事だ。独り占めしていたいんだ」


ウィルフレッドはレティシアにあーんをして貰い、ニコニコ満足そうに食事を口にしていく。


「満たされた・・・次は・・・」

「次?・・・きゃぁっ!」


ウィルフレッドに抱きしめられたまま、そのまま寝台へと横になった。ウィルフレッドがレティシアの首に顔を埋め、すり寄っている。


「シア・・・好きだ・・・シ・・・ア」


すぅすぅと耳元で寝息が聞こえ出した。


「あら?・・・寝た・・・の?」


レティシアを抱きしめたまま、ウィルフレッドは眠りについた。それはそれは幸せそうに。




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次回

【ウィルフレッドside】

今後ずっと消える事はないのだろうな




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