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王子、二度目の突撃

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結婚式まであと三日とせまった日の事。


「ウィルフレッド様、レティシア様、お客様がいらっしゃっております」

「ん?誰か訪問の予定などあったか?」

「それが・・・」


バタン!


「ウィルフレッド!いるんだろう?・・・あぁ、レティシア嬢も一緒だったのか」

「あら、殿下、いかがなされましたの?」

「あ、いや・・・エリス嬢は・・・貴族の令嬢ではないのではないのか?」

「誰も一言も貴族令嬢だなんて言っておりませんわよ?」

「・・・エリス嬢は・・・エリス嬢は・・・ヴェルスタ王国の第三王女なのか!?」

「えぇ、そうですが、それが何か?」

「何故レティシア嬢はエリスティア王女との親友なのだ?どこでどう知りあったと言うのだ?」

「あら、お忘れですか?私、辺境伯の娘ですのよ?」

「・・・あぁ・・・そうだったな・・・」

「随分と賑やかね?レティ、もう、いいかしら?」

「あら、待ちきれなくて出てきちゃったの?」

「エリスティア王女!?」

「ごきげんよう、ヴィンセント王子殿下」

「何故、ここに!?・・・いや、その・・・会いたかった・・・」


ヴィンセントは、エリスティアの前に跪くと、手をとってちゅっとキスを落とす。上目遣いになる視線でエリスティアを見上げる。


「ねぇ、レティ・・・随分と可愛らしくなってしまったわね?」

「エリスが権力を使って手に入れるなんて、格好悪いなんて言うからよ」

「あら、だって、本当の事じゃない?素直に気持ちをぶつけてくる方が可愛いもの」


ヴィンセントの事を見下ろすように眺めながら、エリスティアはレティシアと会話を続けていた。ヴィンセントはそんなエリスティアの瞳から目が離せなかった。


「ヴィンセント殿下、ちゃんと調べて私がヴェルスタの王女だと言うことがわかったのですね?」

「あぁ、レティシア嬢の手紙で気付かされた。得意なことばかり、好きなことばかりをやって、外交などは、得意なアルバートに任せれば良いと、私はできる人間だと驕っていたことを。私は浅はかだった・・・願わくば、これからも、私のダメなところをもっと叱って欲しい。格好いいとこばかりを見せるのではなく、全てを曝け出して、情けなく格好悪いところも全て・・・受け入れて欲しい」


静かに語るヴィンセントの瞳から一筋の涙が流れ落ちた。


「私だけを愛してくれると誓ってくれます?」

「もちろんだ!私は生涯、妃は1人だけだと決めている」

「では、私のお願いも聞いてくれますか?」

「お願い・・・何だろうか?」

「私に存分に甘えてくださいませ」

「っ!?・・・甘える・・・」


言い淀んだヴィンセントの手をぐっと引いたエリスティア。気付けば前のめりになったヴィンセントは、エリスティアに抱き止められていた。


「これからもたくさん努力なさいませ。格好悪いところも、情けないところも全て受け止めますわ。頑張ったら褒めて差し上げます。このように」


エリスティアはヴィンセントの背中に手を回し、優しくさすっていた。ヴィンセントは両膝立ちになり、エリスティアの腰をしっかりと抱きしめていた。







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次回

レティシア嬢、ヴィンセントの事、大変ありがたい縁を繋いでもらった。とても感謝しているよ








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