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【ヴィンセントside】美しい彼女は
しおりを挟むうぅぅ・・・
彼女が気になって仕方がない
執務も手につかないなんて・・・
重症だ
エリス嬢は、レティシア嬢に似ている
芯のある女性だ
私も・・・ウィルフレッドのように甘えてみたい
彼女なら、エリス嬢ならそうさせてくれるだろうか
王族たるもの、いつだって威厳を持って、感情を表に出さないようにと言われてきた
最近は、レティシア嬢の事があって、随分と感情を露わにしていたが・・・
「殿下、アバンス公爵家から手紙が届いておりますよ」
「寄越せ!」
「そんなに慌てなくても」
ラウスが勿体ぶって手紙を渡さないものだから、イライラしてしまった
レティシア嬢は、何と返事をくれたんだ?
・・・
・・・
・・・
勉強不足・・・?
どういう意味だ・・・
とにかくアルバートと話をしなくてはな
「おい、ラウス、アルバートを呼んでくれ」
「兄上、突然どうされたんです。僕を呼びつけるなんて珍しいですね」
「あぁ、お前に聞きたいことがあって呼んだ」
「なんでしょう?」
「お前は留学もしていた事もあるし、外交も任せている。もしやと思って聞くが、エリスという女性を知らないか?」
「エリス?家名はなんです?」
「家名はわからんのだ。自国の貴族の令嬢ではないのかもしれないということしかわかん」
「エリスなんて名前、どこにだっていますよ。それだけじゃ、特定はできませんね・・・その女性がどうかなされたのです?」
「いや・・・レティシア嬢の友人らしいのだが・・・その・・・気になってな・・・」
「レティシア嬢の友人・・・ですか。もしや、ベルモンドの辺境に隣接する国の女性かもしれませんね・・・あっ」
「ど、どうした!?何かわかったのか?」
「確か、隣国のヴェルスタ王国の第三王女がエリスティア王女というお名前だったはずですよ?」
「そ、そうか・・・王女・・・王女!?」
「えぇ、第一王女、第二王女は外交にもよく現れておりましたが、第三王女には僕もお目にかかった事がないのです。確か側妃のお子であられたと思いますが」
「そ、そうなのか・・・私は何も知らないのだな・・・アルバート!もっと私に他国の事を教えてくれ」
「いいですよ。僕が兄上に教えることができるなんて、光栄です」
その日、ヴィンセントとアルバートは夜遅くまで語り合っていた。互いの知識を互いに与えるように、補い合うようにとても充実した時間を過ごした。
ん・・・?
朝か・・・
昨日は随分と遅くまでアルバートと話をしたな
エリスティア・・・
エリス・・・
はっ!
そうだ、公爵邸に行ってレティシア嬢に、何とか繋いでもらう術はないか聞きに行かなくては!
こうしてはいられない!!
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次回
エリス嬢は・・・貴族の令嬢ではないのではないのか?
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