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【エルサside】羨ましいのは認めるけれど

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アバンス団長夫妻は今日ここと発つと言われていたわね
レティシア様ともっとお話がしたかったけれど・・・
ん?




「エルサ様、おはようございます」

「あら・・・ソルディオ?・・・おはよう?」




どうしてソルディオがここに来たのかしら
もしかしてソルディオも誘われて?
あ、お二人が来られたわ





「おはようございます」

「おはようございます、エルサ様、副騎士団長様」

「アバンス団長殿、夫人、おはようございます」




本当にお二人は仲良しね




「えっ!?ちょ、ちょっと!?」





え?何?





「ウィル、急にびっくりするじゃない!」

「シアは俺の近くにいないとダメだ」

「もう・・・」

「本当なら膝の上に座って欲しいんだぞ?」






騎士団長様、嫉妬までなさるのね・・・
意外だわ
羨ましい?羨ましいのかしら・・・




「お二人は本当に仲がよろしいのですわね」

「ふふっ、羨ましいです?」

「う、羨ましくは!・・・ないですわ」






改めて言われると!
でも、羨ましいのかも・・・
私もいつか誰かとあんな風に・・・






アバンス団長様は、もうフォークを手に?
お腹が空いてらっしゃるのかしら?





「騎士団長様、もうフォークを手にされて、随分とお腹が空いていらっしゃったのですね」





私もそう思ったわ






「ん?俺は後でいい」

「?」





後でいいってどういう事?
では何故そのようにフォークを持って構えて待ってらっしゃるの・・・って、えっ!?





「き、騎士団長様!?」

「ま、まさか・・・」

「あーん」

「おいしいか?」

「・・・んっ」




レティシア様が食事を頬張って、モグモグと・・・小さなお子さんみたいだわ





「ウィルは食べないの?」

「食べたい」

「じゃあ、はい、あーん」

「あーん・・・」






そちらもあるの!?





「どうされましたの?副騎士団長様もあーんを待ってますの?」






ソルディオ、して貰いたくて待ってたと言うの!?





「は、はぁ!?い、いや!」




凄い慌てようね
全くだらしないわ
確かにレティシア様はお美しいし、素敵な女性よ?
でも何を人の妻になった人に期待しているのよ




「シア、シアが食べさせるのは俺だけだぞ?いくら強請られたってダメだ」





そうよ、アバンス団長様のおっしゃるとおり・・・だわ、って、一体何故そうなるの!?
レティシア様がアバンス団長のお膝に・・・
あれって・・・どんな気分なんだろう
だって好きな女性にしかしないでしょう?
ここは君だけの場所だよ的な?




「誰も私が食べさせるなんて言ってないでしょう?ねぇ、おろしてくれる?」

「嫌だ」

「もう・・・でも、折角ですし、お二人も食べさせ合いなさってみる?」





レティシア様、何を!?






「はい!?け、結構ですわ!」

「え、えっと・・・?」





ソルディオ、何残念そうな顔してるのよ!
女だったら誰でもいいって事!?
二人の仲睦まじい感じは羨ましいわ、認めるわ!
でも違うの、何かが違うのよ・・・









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