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12、カラスの名は
しおりを挟む「お父様、とりあえずカラスをご覧にいれますわ」
そう言うと、オーロラは扉を開き、部屋にノアールを招き入れる。
「お父様、彼は地球の侍従で影ですわ」
「ほぅ・・・王家の影か・・・」
「お初にお目にかかります、ノアール・イースブールと申します」
ノアールは公爵に向けて深い礼をする。
「しかし、サターン邸に足を踏み入れたのは運がなかったな。あそこには公爵家では敵わない手練れがゴロゴロといる。全く、うちの娘が末恐ろしいよ」
「あら、お父様、娘の前で酷い言いようですわね」
「事実を言ったまでだ・・・まさか彼を撃ち落としたのか?」
「違いますわ。勝手に落ちたんですのよ」
「落ちた・・・影を務めるような人間がか?」
「お恥ずかしい限りです」
「地球はノアールを酷使しすぎなのよ。まぁ、その原因はあの使えない第二王子ですけれど」
「なるほど・・・体力も集中力も限界だったか」
公爵はノアールの顔をじっと見て頷き、オーロラに視線を戻す。
「それで?私は陛下に彼をくれと言えばいいのか?」
「お願いではありませんわ。お礼を言って欲しいの」
「根回し済みか・・・」
「えぇ、陛下にはお手紙を出しましたわ。とても素敵な者を贈って頂いた事への感謝と、改めてお礼に伺いますと言う旨ですわ。贈り主の第二王子セシル殿下にもよろしくお伝え下さいとね」
オーロラは美しい微笑みを浮かべた。
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お知らせ
新作 投稿開始しました!
【お嬢さんはある日森の中熊さんに出会った】
第一王子アイスフォードの婚約者であるリシェリア・ブルスト侯爵令嬢。王子妃教育の為に毎日王宮に通っている。
ある日、王子妃教育の帰り、第二王子のフラムウェルの企みに巻き込まれる。
リシェリアは姿を消した。辿り着いたのは辺境地の森の中。歩き続けて疲れ切ったリシェリアは狼を前に死を覚悟する。
通りがかった騎士に助けられ、辺境に滞在する事となった。助けた騎士は、38歳になった今でも、女性に触れた事もない初心なオッサンだった!?
♪初心なオッサン騎士視点の話多めです♪
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