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28、熊さんとの休日

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「ピクニック?」

「はい、お天気がいいのでお庭でランチにしませんか?」


リシェリアが庭でピクニックがしたいとアリエルに提案した。アリエルは久々に一日屋敷にいると言っていたので、リシェリアが一緒に過ごしたいと思っていたのかと嬉しくなった。


お昼になり、敷物と手軽につまめるようなものを用意し、庭に向かう。


リシェリアがサンドイッチを持って突き出してくるが、なぜか離そうとしない。


「?」

「あーんです」

「はぁっ!?・・・えっと・・・あ・・・あーん・・・」

「ふふっ、どうですか?」

「う、うまいぞ・・・」

「こっちもどうぞ、はい、あーん」

「あ、あーん」


急に手ずから食べさせるという事をし出したリシェリアは終始ニコニコしているが、そんな事をはじめて人からされ、アリエルは緊張でどうにかなってしまいそうだった。


ランチも終え、他愛もない会話をしていると、アリエルが眠そうにしているのにリシェリアが気付いた。


「どうぞ」


リシェリアは自身の足をポンポンと叩いて合図する。


「な、なにがだ・・・?」


アリエルはリシェリアが何を求めているかわからなかった。


「膝枕お嫌いですか?」

「えっ?膝枕・・・ふぇっ!?ひ、膝枕!?・・・い、いいのか?」


驚いたせいで一気に目が覚めた。しかし、チャンスは逃すまいと、ゆっくりとリシェリアの膝に頭を預ける。


「せっかくの休みですから、ゆっくりしてくださいね」

「ああ・・・」


リシェリアは着痩せするらしく、よく見ると胸が大きい。膝枕され、目の前に見える胸に気まずくなり、目を閉じた。リシェリアはアリエルの髪を手で梳くように頭を撫でた。髪を梳かれる気持よさも相まって、すぅすぅと寝息を立てて眠りについた。


「団長様・・・可愛いです」


リシェリアはしばらくアリエルの寝顔を見ていた。


「・・・リシェ・・・リシェ・・・ずっと・・・」


「団長様・・・寝言かしら?私の事リシェと呼ばれているのかしら・・・」


アリエルが寝言を言ったのをリシェリアはしっかりと聞いていた。1時間ほど経った頃アリエルが目を覚ます。


「すまん、本当に眠っていた」

「いいえ、団長様の寝顔見てましたから」

「ね、寝顔・・・見てたのか・・・オッサンの寝顔なんてそんなにいいもんでもないだろう・・・」

「いいえ、寝言言ってて可愛かったです」

「ね、寝言!?なんか変な事言ってなかったか?俺、何言ってた?」

「秘密です、アル様」

「・・・アル様?」

「ふふっ、はい、アル様」

「お、俺の・・・事か?」

「はい、アリエル様なので、アル様です」

「!!!・・・・・お、俺も・・・リシェって呼んでいいか?」

「ずっと前からずっと呼ばれていたのではないですか?」

「はっ!?俺、口に出してたか!?」

「寝言でそう呼ばれてました。もしかしたらずっと前から心の中ではそのように?」

「す、すまん・・・勝手にそう呼んでいた」

「いいえ、嬉しいです、アル様」


アリエルは初めて尽くしの休日に悶絶しまくった。






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次回

【アリエルside】

俺の嫁だとか言ってないよな!?
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