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46、心は簡単には手に入らない
しおりを挟む次々と名前を呼ばれ、アリエルによって様々な醜聞が表沙汰にされていく。
「オーダル公爵当主、ベンダール騎士団長、もうわかっているな?フラムウェルの側近であったそなたらの息子、リアンとアシュトスは、こともあろうかフラムウェルから襲われたリシェリアに、同じこ事をした。よって二人も罪を犯している。しかし、現状はなんだ、謹慎?甘いな、甘すぎる!処分は追って決めるが、命の保障はせん。覚悟しておけ」
この言葉で会場の全員が、三人がリシェリアに無貞を働いた事が明らかになった。
「この三人のバカのせいで、リシェリアは身体にも、心にも傷を負った。それなのに、その三人の婚約者であったこの娘達は、こともあろうか色目を使って男を誘ったなどと言いがかりを付け、暴言を吐き、先ほどの令息達に襲わせたのだ。欲を我慢できん男も悪いが、それを利用した女も悪い。リシェが男の目を引いてしまうのは認めよう。こんなにも可愛いのだからな。それとこれとは別だ。お前らは、男どもを繋ぎ止めておくことも、手綱を握ることもできなかったというだけだ。それだけの魅力がなかっただけの事。それをリシェのせいにするなどと・・・腐ってるな。」
ここまで言うと、アリエルは主犯格であるアイリスに視線を向ける。
「アイリス・ナッティルド公爵令嬢、貴様は最も罪が重い。俺が知らないとでも思っているのか?フラムウェルがリシェを襲ったのは、お前の入れ知恵だそうではないか」
「お、お待ちください!そんなの嘘です!」
「嘘などではない。フラムウェル本人から聴取済みだ。諦めろ」
「そ、そんな・・・」
「フラムウェルとの婚約を煩わしく思っていたようだな?お前は以前から、アイスフォードの婚約者になりたかったと周囲に漏らしていたのは聞いている。アイスフォードとリシェの結婚が近付いてきて焦りでもしたのだろう。フラムウェルがリシェに想いを寄せていたのを知ったお前は、既成事実でも作ってしまえばものにできると唆した。それにのってしまったフラムウェルも悪い。しかし、それを唆したお前も悪だ。上手くいって、フラムウェルとリシェが一緒になれば、おのずとアイスフォードが己の婚約者として入れ替わる。上手くいかずとも、フラムが幽閉され、婚約者としての立場が危うくなれば、リシェの醜聞の噂を拡め、被害者であるアイスフォードを慰めるなどで献身的な女を演じ、自身が婚約者の立場に収まろうとした。まぁ、そんなところだろう。そしてお前はアイスフォードの婚約者になった。でも・・・心は手には入らなかったようだな。アイスフォードは行方不明になっていたリシェをずっと探していた。他の男に三度も穢されても、アイスフォードはリシェを追ってきた。相手にされないお前は腹立たしかったんだな?こんな事件を起こしやがって!どう転んでもと計算したのだろうが、大事な事を見落としていたようだな。人の心はそう簡単には手に入らんのだ」
「ああああぁぁぁ!何でよ!どうしてリシェリアなのよ!私の方が爵位も上、見た目だっていいのよ!どうしてなのよ、どうして!!」
アリエルの話を聞き、最後には心は手に入れられなかったと言われたアイリスは泣き叫んだ。それまで静かに見ていたアイスフォードが動いた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
私もね、手に入れたい愛した女性の心が手に入らなかった
私の隣には・・・リシェリアはいない
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